この記事では、不登校と深い関連のある「クラスになじめない」ことについてご紹介します。
クラスになじめなくなるきっかけ、クラスになじめないこどもをどんな風にサポートできるか、親や学校にできること、こどもにできることも取り上げます。
きっかけは?
文部科学省の調査では、不登校のきっかけとして「友人関係」が53%と、半数以上を占めていることが明らかになりました。
この数字から分かるように、学校のともだちとうまくいかずに、不登校になっているこどもがとても多いようです。
学生は1日のほとんどをクラスメイトと過ごしますから、クラスになじめないとなると、学校そのものが嫌になっても当然と言えますよね。
特に新学年になってクラスが変わったり、転校した場合だと、自分だけ浮いていると感じやすいかもしれません。
どんな風にサポートできるか
集団行動を苦手とするこどもに対して否定的になるのではなく、こどもが学びの場である学校に行ける代替案を設置することが薦められています(教育支援センター、フリースクール、地域未来塾など)。
不登校が長引くと、不登校の理由も複雑化、変化してくるので、なるべく早く対応することが大切です。
親にできること
ともだちの輪に入りたい、みんなに受け入れてほしいと願うのは当然です。
感受性の高いこどもは、周りの反応に敏感で、なかなか積極的になれないこともあります。
でも、ひとりでいる期間が長くなればなるほど、クラスになじんでいくハードルは更に上がっていきます。
それで、そこにいじめがないなら、早めに登校を優しく促すことも効果的であるとされています。
その際学校側は、クラスの色々なこどもと一緒に遊ぶ機会を設けたり、みんなで話し合う時間を積極的に作ってあげるなら、こどもがクラスメイトに少しずつなじんでいく助けになるかもしれません。
親は、こどもがクラスになじめないことで悩んでいることに気付くなら、まずはじっくり最後まで話をよく聴きましょう。気持ちを否定せずに、話してくれて嬉しく思っていることを伝えるなら、安心してもらえます。
そのあと、ともだちを作るのに役立つスキルを教えてあげられるかもしれません。
クラスになじめないこどもは、自分に自信を無くしている場合が多いので、本人の長所をたくさん褒めてあげましょう。
また、放課後や休日に友人が遊びに誘って来て、本人が前向きならば親としては積極的に勧めましょう。
「学校に行ってないのに友達と遊ぶなんて許せない」「同級生やその親の目が気になって恥ずかしい」などの理由で、子どもに友達と遊ばせようとしない保護者もいるようですが、遊ぶことのメリットの方が大きいです。
詳しくはこちら→休日の過ごし方
子どもがやるべきこと
みんなとなじめないと、とても辛く感じますよね。他の人たちがグループになっていると、なおさら辛く感じるかもしれません。
でも、クラスにいる全員とともだちになれるわけではありません。クラスの人気者が親友になるわけでもありませんよね。
大切なのは、「自分らしくいられる」ともだちを探すことです。もしかしたら、自分と同じように、ひとりになりがちな人がいるかもしれません。こちらから声をかけてあげられますか?
同じ人といつも一緒にいないといけないと感じるなら、声をかけるのもプレッシャーになるかもしれませんね。それで、ともだちを限定せずに、色んな人と少しずつ知り合うようにしてみると、自分に合った人をゆっくり見つけられるかもしれません。
クラスになじめなくて辛い気持ちなら、我慢せずに、親や信頼できる大人に相談しましょう。きっと助けになってくれるでしょう。
クラスに入りにくくて学校に行けないことは、仕方のないことです。しかし、それによって昼間に家でごろごろしていたり、ゲームや動画ばかりの生活になったり、昼夜逆転になるのはもったいないですよね?
家でも勉強や運動はできるので、可能な範囲で勉強や運動は続けていきましょう。
さいごに
不登校の原因の半分は、人間関係です。この記事では、特にクラスになじめないと感じているこどもについてご紹介しました。ちょっとしたスキルで解決する場合もありますし、そう簡単にはいかない場合もあるでしょう。クラスになじめないことを責めるのではなく、共感し、解決方法を一緒に考えましょう。
親子だけで問題を抱えるのではなく、学校や専門機関に協力をあおぐなら、より良い一歩を進むことができるかもしれません。
参考文献
https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2019/32222
https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2015/09/07/1361492_01.pdf
https://www.mext.go.jp/content/20211006-mxt_jidou02-000018318-2.pdf