家族や友人には言いづらい。
カウンセラーに相談するほどなのかもわからない。
でも、一人で考えていると苦しくなる。

そんなとき、AIに悩みを話している人が増えています。

当相談室では2026年4月、AIに悩みを相談した経験のある149人にアンケートを行いました。

その結果、AIに相談する前に「誰にも相談していなかった」と答えた人は44.3%でした。

AIは、単なる便利な検索ツールではなく、誰にも言えなかった悩みを最初に出す場所になりつつあります。

この記事では、149人への独自アンケートの結果から、AI相談の実態と、AIとの上手な付き合い方を整理します。


AIに相談する前、44.3%は誰にも相談していなかった

今回のアンケートでは、AIに相談する前に誰か人間に相談していたかを聞きました。

AIに相談する前の相談相手割合
誰にも相談していなかった44.3%
家族に相談した41.6%
友人・知人に相談した30.9%
職場の人・学校の先生に相談した9.4%
カウンセラー・心理職に相談した9.4%
医師に相談した8.1%

最も多かったのは、「誰にも相談していなかった」という回答でした。

これは、AI相談の大きな特徴です。

人に話す前に、まずAIに話している。
家族や友人に言うほど整理できていないことを、AIに打ち込んでいる。
専門家に相談するほどなのか迷う段階で、AIに聞いている。

そうした使われ方が見えてきます。

AIに最初に話せること自体は、悪いことではありません。
誰にも言えないまま一人で抱えるより、まず言葉にしてみることで、少し落ち着くことがあります。

ただし、最初の受け皿になることと、最後までAIだけで抱えることは別です。

AIに話して少し整理できたら、必要に応じて家族、友人、学校、職場、医師、カウンセラーなど、現実の人につなげていくことも大切です。


AIの方が話しやすいと感じた人は約9割

人間への相談と比べて、AIの方が話しやすいと感じたかも聞きました。

回答割合
AIの方がずっと話しやすい43.6%
AIの方がやや話しやすい46.3%
人間の方がやや話しやすい6.0%
人間の方がずっと話しやすい2.0%
該当しない2.0%

「AIの方がずっと話しやすい」「AIの方がやや話しやすい」を合わせると、89.9%でした。

なぜAIの方が話しやすいのでしょうか。

アンケートでは、次のような声がありました。

人に相談しても、顔色をうかがってしまいますが、AIなら思いのまま話せる気がします。

家族や友人だと返信を待つ間に悩みが膨らんでしまうことがありますが、AIはいつでも即座に答えてくれるので、モヤモヤをその場で解消しやすかったです。

AIには基本否定はされないので正直な気持ちを言いやすい。ただ複雑な事象や具体的にアドバイスが欲しい時は人間に相談する。

AIには、相手の表情がありません。
「迷惑かな」「こんなことを言ったら引かれるかな」と考えずに済みます。
夜中でも、同じ話を何度しても、すぐに返事が返ってきます。

この話しやすさは、AI相談の大きなメリットです。

一方で、話しやすいからこそ、AIだけに閉じやすい面もあります。
AIに話すことで少し落ち着いたら、「これは人にも相談した方がよいことか」を考える視点も必要です。

AIへの相談に向いている内容と注意点については、別記事で詳しく解説しています。


相談内容は、仕事・メンタル・健康・お金まで広がっている

次に、どのような内容をAIに相談したのかを見ていきます。

相談内容割合
仕事・キャリア・転職59.1%
メンタルヘルス(不安・落ち込みなど)46.3%
体の健康・症状43.6%
お金・経済的な悩み41.6%
自分の考えを整理したかった36.9%
人間関係(家族)32.2%
子育て・家族問題28.2%
人間関係(職場・学校)26.8%
人間関係(友人・恋愛)25.5%
勉強・進路24.8%
孤独・漠然とした不安16.1%

最も多かったのは「仕事・キャリア・転職」で59.1%でした。

一方で、メンタルヘルス、体の健康、お金、家族関係、子育て、人間関係など、かなり個人的で切実な相談も多く含まれています。

アンケートの自由記述を見ると、相談内容はかなり幅広くありました。

たとえば、次のような相談です。

  • 仕事を辞めるべきか、今の職場で続けるべきか
  • 家族やパートナーとのやり取りをどう受け止めればよいか
  • 子どもへの声かけをどうすればよいか
  • 不安や落ち込みをどう整理すればよいか
  • 体調や症状について、まず何を確認すればよいか
  • お金や生活費の不安をどう考えればよいか
  • 自分の気持ちをどう言葉にすればよいか

AI相談は、特別な悩みだけではありません。
人に話すにはまだまとまっていないこと、誰に聞けばよいかわからないこと、身近な人には言いづらいことが、まずAIに持ち込まれています。

つまり、AI相談は「ちょっとした調べもの」だけではありません。

人に言いづらい悩み。
まだ言葉になっていない不安。
誰に相談すればよいかわからない問題。

そうしたものが、AIに持ち込まれています。

ここで大切なのは、AIを否定することではありません。

AIに話すことで、気持ちや状況が整理されることはあります。
ただし、相談内容によっては、AIだけで判断しない方がよいものもあります。

特に、医療、薬、診断、お金、契約、法律、命や安全に関わる相談は、AIの答えだけで決めないことが大切です。

AIに相談しやすい内容と、AIだけで判断しない方がよい内容について、以下の記事で詳しく解説しています。
AIへの相談に向いている内容と注意点

AI相談で「楽になった」「整理できた」と感じた人は約9割

AIに相談した結果、どのような変化があったのでしょうか。

質問肯定的な回答
気持ちが楽になった/落ち着いた89.3%
悩みや気持ちが整理できた/言語化できた89.9%
行動や問題解決につながった82.6%
またAIに相談したい93.3%

約9割の人が、AI相談によって「気持ちが楽になった」「悩みや気持ちが整理できた」と答えています。

自由記述でも、次のような声がありました。

もともとは感情的に混乱している状態でしたが、AIとの対話を通じて自分の考えや状況を整理していく中で気持ちが徐々に落ち着いていきました。

今までの事象を時系列に入力したり、今の気持ちを入力することで考えが整理された。

言語化するのは、苦手なのでそういう意味では、言語化して友達に話す時に相手に分かりやすく伝える事ができました。

この結果を見ると、AIは特に次の2つに役立ちやすいと考えられます。

1つ目は、気持ちを吐き出すこと。
2つ目は、頭の中を整理することです。

誰にも言えなかったことを打ち込む。
ぐちゃぐちゃした気持ちを文章にする。
出来事を時系列に並べる。
自分が本当は何に困っているのかを見つける。

こうした使い方は、AIに向いています。

ただし、気持ちが整理できることと、現実が変わることは別です。

AIに相談して「そうか」と思っても、実際に行動するには時間が必要なことがあります。
人に伝える勇気や、環境を変える準備が必要なこともあります。

相談には、「吐き出す」「整理する」「行動する」という段階があります。
AIは前半の「吐き出す」「整理する」には役立ちやすい一方で、「行動する」段階では、人や専門家の支えが必要になる場合があります。

相談しても動けない理由について、別記事で詳しく解説しています。

AIを使いこなすために知っておきたいこと

AI相談には多くのメリットがあります。
一方で、困った経験をした人もいます。

アンケートでは、次のような声がありました。

以前インフルエンザ予防接種の補助金の件で慌ててAIに相談したら、補助金が出ると回答してくれましたが、実際補助金の対象外だったとき、困りました。

時折なのですがAIに相談すると自分の意見をすべて肯定するので違和感を感じることがあります。

長く話していると繰り返しになる事がある。終わりがない時がある。

同じ質問を別の日にしたときに、回答が違ってて、全く同じ質問なのにどちらが本当なんだろう、と思うことがありました。

また、自由記述では「AIに相談しすぎていないか不安」「依存してしまわないか気になる」という声もありました。

AIはすぐ返事をくれて、否定されにくく、同じ話も何度でもできます。
そのため、人より話しやすい一方で、AIだけに相談先が偏ってしまうことがあります。

AIに相談すること自体が悪いわけではありません。
ただし、AIに肯定されるまで何度も聞いてしまう、AIに聞かないと決められない、人に相談する機会が減っていると感じる場合は、少し使い方を見直すサインです。

AIで気持ちを整理する。
そのうえで、必要なときは人や専門家にも相談する。

この距離感を持つことが大切です。

AIを使いこなすためには、こうした特徴を知っておく必要があります。

主な注意点は、次の7つです。

注意点内容
事実が間違うことがある制度、日付、補助金、最新情報などを誤ることがある
一般論になりやすい自分の状況に合わない回答が返ってくることがある
話がずれることがある最初の相談目的から離れていくことがある
何でも肯定されることがある都合のよい答えだけを受け取りやすくなる
前の話を忘れることがある無料版や別チャットでは文脈が切れることがある
個人情報の扱いに注意が必要名前、住所、学校名、勤務先、病院名などは入れすぎない
相談しすぎが不安になることがあるAIに頼りすぎていないか、距離感を見直す必要がある

AIは便利ですが、正確な事実を保証してくれる存在ではありません。
また、いつも自分に合った答えを返してくれるわけでもありません。

特に、補助金や制度、医療、薬、お金、契約などは、AIの回答だけで決めない方が安全です。
公式サイトを確認する。
専門家に聞く。
人に相談する。
こうした確認が必要です。

また、「死にたい」「消えたい」「自分を傷つけたい」といった気持ちがあるときは、AIに一人で相談し続ける段階ではありません。
AIの返答を待つよりも、今そばにいる人、医療機関、地域の支援など、現実につながる相手に助けを求めてください。

AIは、悩みを整理する助けにはなります。
しかし、現実の安全を守る行動を代わりに取ってくれるわけではありません。

AIへの聞き方を整えたい方は、AIに相談するときのプロンプトの作り方をご覧ください。
個人情報や画像の扱いが不安な方は、AI相談で個人情報を守る方法で詳しく解説しています。


AI相談は「使うか使わないか」ではなく「どこまで任せるか」

今回のアンケートでは、多くの人がAI相談によって気持ちが楽になり、悩みを整理できたと答えました。

一方で、AIの回答が間違っていたり、一般論だったり、肯定されすぎて不安になったりした人もいます。

大切なのは、AIを使うか使わないかではありません。

どこまでAIに任せるかです。

AIに向いている使い方AIだけで終わらせない方がよい使い方
愚痴を吐き出す命や安全に関わる相談
気持ちを言葉にする医療・薬・診断の判断
悩みを整理するお金・契約・投資などの重大判断
人に話す前の下書きを作るDV・虐待・強い支配関係がある相談
選択肢を出してもらう法律や制度の最終判断
相談先を考える現実の支援が必要な状態

AIに話して楽になることは、悪いことではありません。
むしろ、人に言えなかった悩みを言葉にする入口になることがあります。

AIで整理できる悩みは、AIを活用してよい。
ただし、AIだけでは難しい悩みは、人や専門家につなぐ。

この使い分けが大切です。

AIは便利な道具です。
包丁や車と同じで、正しく使えば役に立ちます。
でも、使い方を誤ると危険もあります。

AIは使ってよい。
でも、任せきりにしない。

その距離感を持てると、AI相談はより安全で役立つものになります。

AI相談について、さらに詳しく知りたい方へ

AIに相談してよい内容や注意点を整理したい方は、こちらの記事をご覧ください。

実際にAIへ相談するときの聞き方を知りたい方は、こちらの記事が参考になります。

調査概要

項目内容
調査対象AIに悩みを相談した経験のある149人
調査時期2026年4月
調査方法インターネット調査
性別女性80.5%、男性19.5%
年代30代38.9%、20代24.8%、40代17.4%、50代14.1%、60代2.7%、10代2.0%
主に使われていたAIChatGPT 89.9%、Gemini 34.9%、Copilot 10.1%など
利用プランすべて無料版85.9%、一部または全部で有料版13.4%
利用頻度週に数回以上36.2%、ほぼ毎日30.9%、月に数回程度26.8%