この記事でわかること
  • ソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)の考え方
  • 家庭や学校でのSFAの実践方法
  • SFAを用いた不登校克服の成功事例
  • SFAのメリットと従来のアプローチとの違い
  • SFAによる子どもの主体性の尊重とコラボレーションの強化

ソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)は、問題ではなく解決策に焦点を当てるカウンセリング方法の一つです。このアプローチは、クライアントが既に持っている強みやリソースを活用し、望ましい未来を実現するための具体的な行動を探ることを目的としています。不登校の子どもたちを支援する際にも、このアプローチを適用することで、前向きな変化を促すことができます。
この記事では、ソリューション・フォーカスト・アプローチの考え方を事例を交えて紹介します。

ソリューション・フォーカスト・アプローチの考え方

1. 目標設定

子どもが理想とする学校生活のビジョンを明確にすることから始めます。どのような変化を望んでいるのか、具体的に描いてもらいましょう。

ここでの変化とは、「子どもの性格を変える」「お腹が痛いのを治す」「学校に登校する」といった、設定ではなく、より具体的で身近な目標を設定することが重要です。

例えば、「朝起きることができず学校に行けない」という場合、「学校に行く」ということばかり考えると難しくなります。そこで、まずは「朝起きれないこと」を問題に取り上げてみます。「なるべく朝早く起きるようにする」ことに注目してみます。

2. 例外探し

目標を設定したら、「すでにある解決」を明確化します。

先ほどの、「朝起きれなくて学校に行けない」という事例で考えてみましょう。「朝起きれない」といっても、「毎日昼の12:00ちょうどに目が覚める」という人はほとんどいません。話を丁寧に聞くと、「昨日は10時に起きました」「先週の金曜日は14時過ぎまで寝てました」などと、起きる時間に開きがあることがわかります。つまり「比較的いつもより早く起きれた日」と「朝起きれない中でも、いつも以上に遅く起きる日」があることがわかります。

この時に「比較的いつもより早く起きれた日」を”問題の中の例外(うまくいった時)”ととらえるのです。
問題の中の例外が見つかれば、問題ではなく、例外に注目して例外をドンドン広げていくことを考えます。

事例の続きで考えると、例えば「10時に起きれた日は、前の日に早く眠れた」ことがわかるかもしれません。「14時過ぎに起きる日は、朝6時ぐらいまで寝れない」でも「10時に起きれた日は、24時ごろには寝れた」と分かるかもしれません。そこで、今度は「朝まで眠れない時(問題)と比較的早く眠れる日(例外)」があることがわかり、「早く眠れる日(例外)」を増やしていくことになります。

このように聞いていくと、以下のように問題ではなく「例外」(早く眠れるコツ)がわかってきます。
夜布団の中でスマホを触ってゲームをやると眠れない(⇔布団の中でゲームをしないと眠れる)」
家で何もすることがないから夕方に昼寝をすると夜眠れなくなる(⇔昼寝をしないと早く眠れる)」
昼間に少し運動をすると疲れて良く眠れる(⇔運動をせずにゴロゴロしていると夜眠れない)」
家族と喧嘩をすると、いらいらして朝までSNSを見たりする(⇔家族と喧嘩をしない方がいい)」
夜にお菓子とコーヒーを飲むと眠れなくなる(⇔夜コーヒーを飲まないと眠れる)」

例外がわかれば、さらに例外を増やしていきます。そして、「週1日ぐらいは午前中に起きていた」から、「週2日は午前中に起きる」「週3日は午前中に起きる」と増やして行ったり、「今週は9時30分に起きられた日があった」「今日は8時に起きれた」などと、例外の拡張を目指します。

午前中に起きる日が増えれば当然、午後まで寝てる日が減ります。このように、例外を増やすことで、相対的に問題を減らすのが、ソリューション・フォーカスト・アプローチです。

3. スケーリング

例外探しのために、現在の状況や目標の達成度を、0から10などの数値で表してもらうことがあります。これをスケーリングとよびます。

スケーリングを実施することで、点数の高い(うまくいっている)時、つまり例外が見えてきます。子どもが自分の状況を把握し、例外に注目することができます。

ソリューションフォーカストアプローチの基本的な流れ

1
ゴール設定

セラピーの目的とプロセスを子どもに分かりやすく説明することから始めます。子どもの協力を得ることが大切です。

2
すでにある例外の明確化

子どもが望む変化や理想の状態について、具体的に話し合います。子どもの言葉で目標を表現してもらうことが重要です。

3
解決の拡張

目標に向かって、子どもが取り組める小さなステップを一緒に考えます。達成可能な行動目標を設定し、実行をサポートします。

家庭でのソリューションフォーカストアプローチの実践

保護者は、日常の会話の中でソリューション・フォーカスト・アプローチの技法を取り入れることができます。子どもの小さな成功体験を見逃さず、具体的にほめることが大切です。また、子どもの強みや良いところに注目し、それを伸ばすためのサポートを心がけましょう。ポジティブな変化を促すコミュニケーションが、子どもの自信につながります。

私たちはついつい問題ばかり見てしまいます。先ほどの、「朝起きられない」事例を紹介しましたが、早く起きれた日があっても、「朝はちゃんと起きるのが当然。10時に起きるのも遅い。午後まで寝てる方がおかしい」などと考えてしまいます。

その結果、本人が努力をしても「そんなの出来て当たり前」「できるなら、最初からちゃんとやりなさい」などといってしまい、本人が努力する気をなくしてしまいます。その結果、問題が悪化してしまうのです。

ソリューション・フォーカスト・アプローチでは、少しでも、変わろうとしている部分について注目をします。その変化を徐々に大きくしていくことで、相対的に問題が減っていき、いつの間にか解決しているのです。

学校でのソリューション・フォーカスト・アプローチの導入

教師は、クラスでソリューション・フォーカスト・アプローチの手法を活用することで、不登校の子どもたちを支援できます。例えば、子どもたちに「学校生活でうまくいっていることは何ですか?」と尋ねたり、小さな進歩を認めたりすることで、ポジティブな変化を促すことができるでしょう。また、スクールカウンセラーと連携し、個別の支援プログラムを展開することも効果的です。

とはいえ、そんなに難しく考えなくても大丈夫です。
みなさんも小学生の頃、帰りの会などで「今日お友達にしてもらった良いことを発表しましょう」という時間がありませんでしたか?
「A君に消しゴムを貸してもらいました。うれしかったです」などと、発表したかもしれません。あれもソリューション・フォーカスト・アプローチです。よいことを発表するために、クラスメイトがそれぞれ、友達の良いところを探します。そして、自分自身もクラスメイトに優しくしてあげようと思うのです。

もしも、良いことではなく「クラスをよくするために、今日あったお友達の嫌だったことを発表しましょう」などといっていたら、気分が嫌になりますよね。嫌だったことを発表された子は、言い訳をしたり「お前だって、こんなひどいことをしたじゃないか」と泥を掛け合うかもしれません。学校が怖くて行けなくなってしまうでしょう。

「良いこと探し」はとても単純なことですが、非常に効果的で役立ちます。

成功事例とケーススタディ

ソリューション・フォーカスト・アプローチを用いて不登校を克服した子どもたちの事例を見てみましょう。

苦手教科ではなく、得意教科に注目したら登校を再開した中学生

準備中(5月末に掲載予定)

まとめと次のステップ

ソリューションフォーカストアプローチは、不登校の子どもたちを前向きに支援するための有効な方法です。このアプローチを日常的に実践するためには、子どもの可能性を信じ、小さな変化を大切にすることが重要です。また、子ども自身が解決策を見出せるよう、適切な質問を投げかけ、よく耳を傾けることが求められます。不登校問題に立ち向かう際には、このアプローチの視点を取り入れながら、子どもに寄り添うサポートを続けていきましょう。

ソリューション・フォーカスト・アプローチのメリットと、従来のアプローチとの違い

ソリューション・フォーカスト・アプローチは、問題の原因や過去の経緯を詳しく探るのではなく、今後の望ましい変化に焦点を当てます。これにより、子どもは自分の可能性に目を向け、前向きな行動を起こしやすくなります。一方、従来の問題志向アプローチでは、問題の原因を追究するあまり、子どもの苦手意識や無力感が強化されてしまう恐れがあります。ソリューション・フォーカスト・アプローチは、子どもの長所に光を当て、エンパワメントにつなげることができるのです。

子どもの主体性を尊重するソリューション・フォーカスト・アプローチの姿勢

ソリューション・フォーカスト・アプローチでは、子ども自身が解決策を見出すことを大切にします。セラピストや保護者は、子どもに答えを与えるのではなく、子どもが自分で答えを見つけられるよう、質問を投げかけ、サポートします。この姿勢は、子どもの自尊心を高め、問題解決能力を育むことにつながります。子どもの主体性を尊重し、子どもと共に歩むソリューションフォーカストの姿勢は、不登校問題に限らず、様々な場面で活かすことができるでしょう。

コラボレーションの強化:子ども、保護者、教師、専門家の連携

ソリューション・フォーカスト・アプローチを効果的に実践するためには、子どもを取り巻く大人たちのコラボレーションが欠かせません。保護者、教師、セラピストなどが情報を共有し、一貫した支援方針を立てることが重要です。また、子ども自身も、自分なりの目標や解決策を提案できるよう、対等なコミュニケーションを心がけましょう。子どもと大人が協力して問題に取り組むことで、より良い結果が期待できます。

おわりに

不登校問題に立ち向かうためには、子どもの可能性を信じ、前向きな変化を促すソリューションフォーカストアプローチが力になるでしょう。このアプローチを通じて、子どもたちは自分の強みに気づき、希望を持って学校生活に戻っていくことができます。保護者や教育関係者も、ソリューション・フォーカスト・アプローチの視点を取り入れながら、子どもたちの主体性を尊重し、サポートしていくことが大切です。

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