ストレスチェックを外部に委託するとして、費用はいくらかかるのか。
どの業者を選べばいいのか。見積もりを取る前に、ある程度の目安がほしいところです。

ネットで「ストレスチェック 費用」と調べて出てくる情報は、現在のところ50人以上の大きな事業場を想定したものがほとんどです。
50人未満の会社がその相場をそのまま当てはめると、判断を誤ることがあります。

この記事では、50人未満の会社が費用で損しないための注意点と、業者を選ぶときに見るべきポイントをまとめました。

この記事でお伝えしたいこと

吉田 克彦

吉田 克彦

公認心理師
不登校の家族支援25年超

2015年から義務化されている50名以上の事業場の場合、産業医が訪問したり安全衛生委員会という組織があります
そのため、今回義務化される50名未満の事業場のやり方とは異なります。
費用も数百~数万人の企業には薄利多売でできますが、数人の会社では単価が異なる

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この記事は以下の専門家によって執筆・監修されています。

執筆・編集責任:吉田克彦(合同会社ぜんと代表 公認心理師、精神保健福祉士)

  • 不登校の家族支援25年以上、3000家庭以上の支援実績
  • スクールカウンセラー歴20年以上。小学校、中学校、高校(全日制、定時制、通信制)全ての校種で勤務経験あり。
    →詳しいプロフィールはこちら

医学監修:友常祐介(社会医学・産業衛生指導医、労働衛生コンサルタント、医学博士)

50人未満の会社は「大手比較サイトの相場」を信じるのは危険

「ストレスチェック 費用」や「ストレスチェック 比較」などで検索すると、15社や20社を並べた比較記事がいくつも出てきます。
それらのサイトに掲載されている料金は、従業員数百人〜数千人規模の会社向けの場合が多いです。

従業員数が多いため、1人当たりの料金は安くなります。
しかし、2028年5月までに義務化される50人未満の事業所向けではありません。

オプションが発生する

比較サイトに載っている「1人あたり○円」は、ストレスチェックの受検の単価です。

大企業向けストレスチェックでよくあるオプション

  • 事前研修(ストレスチェックの内容などを説明する)
  • 部署ごとの集団分析(部署ごとのストレスの特徴を見る)
  • 高ストレス者の面談指導(医師による面接)
  • 希望者へのカウンセリング(高ストレス者以外でも相談可能)
  • 会社全体の結果を元にしたメンタルヘルス研修
  • ストレスチェック結果を元にしたコンサル

これらのオプションは50人未満の事業場では必要ない場合がほとんどです。
例えば、集団分析をするには、その部署に10人以上いないと意味がありません。
当然ながら従業員5人などの会社では集団分析は必要ありません。

ストレスチェックを実施する業者も、従業員数千人の会社で集団分析などオプションも含めれば、1人500円が成り立ちます。
一方で、従業員10名で集団分析や研修などのオプションもない場合、500円で実施は困難です。
そのため、単純に大企業のストレスチェックと同じ単価で計算はできないのです。

編集長:吉田

厚生労働省の50人未満向け実施マニュアルでは、
「実施に不可分の費用がオプション(別料金)とされている場合には、その料金設定について外部機関から十分な説明を受ける必要があります」
と注意しています。

50人未満だと対象外になるサービスもある

現在は大企業向けのストレスチェックサービスが中心です。
サービスによっては、ボリュームディスカウント(大規模割引)として、1000人以上の企業の場合、5000人以上の場合などで値段を変えている場合もあります。
当然のことながら、人数が少なければ少ないほど割高になってしまいます。

そもそも50人未満に対応していない業者もあります。
見積もりを取る前に「何人から対応できるか」を確認してください。

編集長:吉田

これから2028年に向けて、サービスは増えていくと考えますが、現時点では50人以上の従業員が対象の場合がほとんどです。

業者を選ぶときに確認すべき5つのポイント

厚生労働省のマニュアルには「サービス内容事前説明書」という書式が載っています。
業者に記入してもらえば、比較に必要な情報が一覧で揃います。

しかし、全項目を読み込むのは大変なので、50人未満の会社が見積もりの段階で見るべきポイントを5つに絞りました。

料金に何が含まれているか

ストレスチェックの実施だけなのか。
面接指導、集団分析、相談窓口まで含まれているのか。ここが業者によって大きく違います。

見積もりの段階で「うちは従業員○人ですが、年間でいくらになりますか。面接指導や集団分析は込みですか」と聞くことをおすすめします。

編集長:吉田

条件次第ではパートやアルバイトもストレスチェックを受検する必要があります。しかし、見積もりの際には正社員のみの人数で伝えておくのがいいでしょう。一人当たりの単価がだいたいわかります。

高ストレス者の面接指導はどうなるか

高ストレス者が出たときの面接指導は、業者のオプションサービスとして用意されている場合と、用意されていない場合があります。
用意されている場合でも、「基本料金に含まれているのか」「追加料金が発生するのか」は業者によって違います。

ここで、役に立つのが「地域産業保健センター」です。
全国に約350か所あり、50人未満の会社なら医師の面接指導を無料で受けられます。

面接指導の依頼先として地域産業保健センターの利用を提案する業者は、50人未満の事情を理解している目安になります。
逆に、高額な面接指導オプションだけを勧めてくる業者には注意してください。

編集長:吉田

私たちぜんとのストレスチェックサービスでは、地域産業保健センターでの相談をおススメしています。また、「医師の面接指導は大げさすぎるから必要ない」という場合は、公認心理師(無料)の面接を進めています。

実施者になれる有資格者が業者側にいるか

ストレスチェックでは「実施者」として医師か保健師などの特定の有資格者が必要です。
外部委託する場合、普通は業者側で実施者を用意してくれます。

ただ、業者によっては「実施者は別途手配してください」というケースも考えられます。
見積もりの時点で「実施者は御社で用意してもらえますか」と確認してください。

個人情報の管理体制はどうなっているか

ストレスチェックの結果は、従業員の健康に関する機微な情報です。
小さな会社ほど、従業員は「結果が漏れるのでは」と不安に感じます。

「個人結果は社外の業者で完結します。会社には届きません」と従業員に説明できる業者なら安心ですね。

受検方法は自社の従業員に合っているか

ウェブのみ対応の業者と、紙の調査票にも対応している業者があります。
職種によっては、業務用のPCやスマホが支給されていない、会社の個人メールアドレスがない、会社も多いでしょう。
紙の選択肢があるかどうかは大事なポイントです。

編集長:吉田

自宅で仕様のパソコンやメールアドレスを使ったストレスチェックの実施はおススメしません。

外国人の従業員がいる場合は、外国語対応があるかどうかも確認してください。
厚生労働省のサイトに外国語版の調査票が掲載されています。
業者側で対応してもらえるほうが手間は減ります。

まとめ

50人未満の会社がストレスチェックの業者を選ぶときはポイントがあります。
確認すべきポイントは次の5つです。

確認すべきポイント

  • 料金に何が含まれているか
  • 面接指導の依頼先はどうなるか
  • 実施者は業者にいるか
  • 個人情報の管理体制
  • 受検方法が自社に合うか

厚生労働省のマニュアルに載っている「サービス内容事前説明書」を業者に記入してもらえば、これらを漏れなく比較できます。

高ストレス者の面接指導は、地域産業保健センターを使えば無料で受けられます。

合同会社ぜんとでは、50人未満の会社向けにストレスチェック外部委託サービスを提供しています。
1人月額750円(税別)です。
年1回のストレスチェック(高ストレス者対応を含む)、オンラインカウンセリング、ハラスメント相談窓口がすべてセットになっています。面接指導や集団分析が別料金になることはありません。

▶ 50人未満の事業場へのストレスチェックはぜんとにおまかせ!(近日公開)

ストレスチェック制度の全体像を知りたい方はこちらの記事で、50人未満の会社に必要なことをまとめています。

具体的な手順を知りたい方はこちらの記事で、初めてのストレスチェックの流れを担当者の行動順に解説しています。

▶ 50人未満の事業場へのストレスチェックはぜんとにおまかせ!(近日公開)