このような方におすすめ

  • スクールカウンセラーに相談したいけれど、どう相談すればいいかわからない人
  • スクールカウンセラーに相談をしているけれど、問題が改善しない人
  • 学校に勤務するスクールカウンセラーを信頼できない人
  • そもそも学校にスクールカウンセラーが勤務しているかわからない人

スクールカウンセラーへの相談は意味ない?

お子さんの問題について、スクールカウンセラーに相談して「意味がなかった」と感じた経験はありませんか。

勇気を出して相談したのに期待した支援が得られず、落胆する保護者の方は少なくありません。
しかしそれはあなたやお子さんに問題があるわけではありません。
スクールカウンセラーの制度や相談体制に原因があることも多いのです。

そうなんです、そう感じるのは間違っていません!!

何も知らないと、スクールカウンセラーに「相談したいけれど相談できない」とあきらめたり、
スクールカウンセラーに相談しているけれど、「ただ相談しているだけ」で効果を実感できなご家族は多くいます。

この記事では、スクールカウンセラー歴20年以上の筆者が、保護者さんからの訴えなどを元に、リアルな内容を伝えます。

この記事でわかること

  • スクールカウンセラーが「意味ない」と感じる5つの理由
  • それぞれの理由に対する具体的な対策
  • スクールカウンセラーができることとできないこと
  • 学校以外の相談先の選び方
  • 保護者が今日からできる3つのこと

ここでは、スクールカウンセラーに「意味がない」と感じる主な理由と、それぞれの対策をお伝えします。

中学生の不登校についてはこちらの記事にまとめています!
中学生の不登校|知っておくべき原因・対応・進路のすべて【心理師解説】

この記事の内容
  1. 意味ない理由1:相談したいときにいない
    1. 要因:スクールカウンセラーの制度上の限界がある
    2. 解決策:優先順位を考えることで対応が見えてくる
  2. 意味ない理由2:話を聞かれるだけで具体的なアドバイスがない
    1. 要因:本人の気づきを重視するカウンセラーも多い
    2. 解決策:ミスマッチを防ぐために、初めに確認しよう
  3. 意味ない理由3:アドバイスが的外れだと思う
    1. 要因:カウンセラーによって専門性や経験に差がある
    2. 解決策:相性が合わない場合は別の選択肢を探す
  4. 意味ない理由4:担任などに相談内容が筒抜けなのでは?
    1. 要因:学校という場所の制約がある
    2. 解決策:学校によって対応策があるので、確認しよう
  5. 意味ない理由5:子どもが相談に行きたがらない
    1. 要因:学校という場所自体が怖い
    2. 解決策:保護者だけの相談でも効果がある
  6. 公認心理師だから伝えられる:「できること」と「できないこと」
    1. スクールカウンセラーができること
    2. スクールカウンセラーができないこと
    3. 「学校内」という場所の制約
  7. 学校だけでは解決が難しいと感じたら、次にできること
    1. 医療機関(児童精神科・小児科)
    2. 教育支援センター(適応指導教室)
    3. 民間のカウンセリングサービス
  8. スクールカウンセラーと外部専門家の併用法:学校を敵にしない相談法
  9. 専門家への相談と一緒に、今日からできる3つのこと
    1. 1. 無理に登校させようとしない
    2. 2. 子どもの様子を記録に残す
    3. 3. 子どもの言葉をそのまま受け止める
  10. よくある質問
    1. Q スクールカウンセラーとの相談内容は学校に伝わりますか?
    2. Qスクールカウンセラーに相談するのをやめても大丈夫ですか?
    3. Q民間のカウンセリングとスクールカウンセラーの違いは何ですか?
    4. Q不登校で医療機関を受診する目安は何ですか?
    5. Q子どもが相談を嫌がる場合はどうすればいいですか?
  11. まとめ

意味ない理由1:相談したいときにいない

「今すぐ相談したい」と思っても、スクールカウンセラーに連絡が取れないことがあります。
また、学校の中に相談室があるため、平日の日中しか利用できません。

平日フルタイムで働いている保護者にとっては利用しにくいので、「意味がない」と感じてしまいます。

要因:スクールカウンセラーの制度上の限界がある

スクールカウンセラーは週1日程度の勤務が一般的です。
学校によっては月1回の訪問だったり、全く配置されていない学校もあります。

また学校に配置されているため、相談できるのは平日の日中だけです。
土日祝日や夜間には対応していません。
保護者の方が仕事をしている場合、相談に行くこと自体が難しくなります。


スクールカウンセラーの勤務実態

  • 週1日程度の勤務が一般的
  • 相談時間:平日の日中のみ
  • 土日祝日・夜間は対応なし
  • 予約制のため数週間待つこともある

お子さんが「明日学校に行きたくない」と泣いている夜や、週末に家族で話し合いたいときなど。
本当に相談したいタイミングで利用できないのです。

さらに予約制のため、相談したいと思ってもすぐには予約が取れません。
数週間から1か月以上待たなければならないこともあり、困っているときにタイムリーな支援を受けられないという問題があります。

子どもが「学校に行きたくない」と言い出したので相談を申し込んだのですが、予約が取れたのが1か月後。すでに子どもは完全に学校に行けない状態になっていました。「行きたくない」となってすぐに対応を知りたかたのに。

解決策:優先順位を考えることで対応が見えてくる

スクールカウンセラーの限られた時間をどう使うか、優先順位を考えてみましょう。

スクールカウンセラーを利用する価値がある相談

✓ 担任の先生との連携が必要な場合

✓ 学校での配慮を依頼したい場合

✓ 学校の情報を得たい場合

✓ 教職員との橋渡しが必要な場合


学校での対応が必要な相談については、スクールカウンセラーを利用する価値があります。たとえば担任の先生との連携が必要な場合や、学校での配慮を依頼したい場合などです。

一方で緊急性が高い問題や、すぐに相談したい場合は、民間の相談機関を利用することを検討してください。


民間カウンセリングサービスのメリット

✓ 夜間や土日も対応している場合が多い

✓ オンラインで自宅から相談できる

✓ 予約が柔軟に取れる

✓ お子さんや家族の状況に合わせて利用できる


民間のカウンセリングサービスであれば、夜間や土日も対応している場合が多く、オンラインで自宅から相談することもできます。予約も柔軟に取れるため、お子さんや家族の状況に合わせて利用できます。


意味ない理由2:話を聞かれるだけで具体的なアドバイスがない

スクールカウンセラーに相談すると、丁寧に話を聞いてもらえます。
しかし「それで、うちはどうすればいいの」という疑問だけが残ることがあります。

要因:本人の気づきを重視するカウンセラーも多い

カウンセリングには様々なアプローチがあります。
傾聴を中心とするカウンセラーは、相談者が自分で答えを見つけられるようサポートします。

「お子さんについてどう感じていますか」「そのときどう思われましたか」と質問を繰り返され、最後まで具体的な助言がないこともあります。

このアプローチは、相談者が自分で気づき、納得して行動を変えていくという点では意味があります。
しかし切羽詰まった状況で「今日から何をすればいいか」を知りたい保護者にとって、
「具体的なアドバイスを聞きたかったのに、意味がない」と感じる場合もあります。


カウンセリングのアプローチの違い

傾聴中心型アドバイス重視型相談者の話をじっくり聞く具体的な助言を提供する自分で答えを見つけるサポート専門家の視点から方法を提案時間をかけて気づきを促す即座に実践できる方法を伝える

傾聴メインのカウンセラーと、具体的なアドバイスを求める保護者のニーズが合わないことで、ミスマッチが生じるのです。

解決策:ミスマッチを防ぐために、初めに確認しよう

相談を申し込む際に「具体的なアドバイスはしてもらえますか」と率直に聞いてみましょう。


相談前に確認すべきこと

□ どのような形で相談を進めるのか

□ 具体的なアドバイスをしてもらえるのか

□ どのくらいの頻度で相談できるのか

□ 相談内容の守秘義務について


カウンセラーによって相談のスタイルは異なります。
初回の相談で「今日はどのような形で相談を進めますか」と確認すれば、期待と現実のギャップを防げます。

「どうすればいいか困っているので、具体的なアドバイスをください」と伝えてみましょう。その上で、納得してから相談することが大事です。

「具体的にどう対応すればいいか教えてほしい」と希望を伝えることで、カウンセラーもアプローチを調整してくれる場合があります。

それでも合わないと感じたら、無理に続ける必要はありません。
別の相談先を探すことも選択肢の一つです。

意味ない理由3:アドバイスが的外れだと思う

具体的なアドバイスをもらえても、それが現実的でなかったり、的外れに感じることがあります。

要因:カウンセラーによって専門性や経験に差がある

残念ながら、カウンセラーによっては一方的に持論を話される場合があります。

また「不登校は親の育て方の問題」といった古い考え方を持っているカウンセラーもいます。現代の不登校の理解からすると適切ではない助言をされることもあるのです。

勇気を出して相談したら「あなたがそんな迷っているから、子どもも迷ってしまうのよ。もっと自信を持ちなさい」と言われました。迷っているから相談しているのに、本当にガッカリしました。

カウンセラーも人間ですから、完璧ではありません。
専門家だからといって、すべての意見が正しいわけではないのです。

例えば、医者でも名医とよばれる人もいれば「ヤブ医者」と言われるような人もいます。
また、同じ人でも特異な領域と苦手な領域などがあります。
経験豊富な専門家もいれば、新人でまだまだ力のない専門家もいるでしょう。
それはスクールカウンセラーも同じです。

もし、信頼できない場合は無理に続けてはいけません。
だからといってカウンセリング全体に絶望する必要はありません。

解決策:相性が合わない場合は別の選択肢を探す

カウンセラーとの相性が合わないと感じたら、無理に通い続ける必要はありません。

「せっかく予約したから」「学校に勧められたから」と我慢して通っても、効果は期待できません。むしろストレスが増えてしまいます。


カウンセラーが合わないと感じるサイン

  • 話を聞いてもらえていない感じがする
  • 一方的に責められる
  • 古い価値観を押し付けられる
  • 相談後、気持ちが楽にならない
  • 不信感や違和感がある

別のカウンセラーに変えてもらえるか、学校に相談してみましょう。
スクールカウンセラーは複数の学校を掛け持ちしている場合もあり、同じ地域に別のカウンセラーがいることもあります。

学校での相談が難しいと感じたら、民間の相談機関や医療機関など、他の選択肢を探してください。お子さんのために最適な支援者を見つけることが大切です。


意味ない理由4:担任などに相談内容が筒抜けなのでは?

スクールカウンセラーに相談したいけれど、学校の先生に知られたくないという悩みを持つ保護者もいます。
特に、担任に不信感を抱いていたり、学校に対する不満がある場合はコッソリ相談したいでしょう。

基本的には、スクールカウンセラーには守秘義務があるため秘密は守られます。
しかし、学校の構造上、全く誰にも知られることなく相談するのは難しく、「筒抜けなのでは」と不安になるのは当然です。

スクールカウンセラーの守秘義務について
  • 基本的に相談内容は守秘されます
  • ただし子どもの生命や安全に関わる場合は学校と共有されます
  • どこまで共有されるか、相談前に確認することが重要です

要因:学校という場所の制約がある

近年、学校の防犯対策が強化されています。学校に入る際には、受付で名前と来校理由を伝える必要があります。

学校に入る際に名前と目的を伝えるので、「スクールカウンセラーへの相談」を伏せるのは、難しいです。相談室が職員室の近くにある学校も多く、先生たちに気づかれる可能性もあります。
他の保護者や子どもに見られることもあるでしょう。

完全に内緒で相談することは、物理的に難しいのが現実です。

どんなにカウンセラーが「相談内容については守秘義務があるので安心してください」といっても、
相談に来ていると学校側に知られたくない保護者の方も多いはずです。

また、学校によっては、職員玄関から相談室までの間に自分の子どもが在籍するクラスの前を通らなければいけない場合もあります。そうすると、授業中などに廊下を通ると生徒や先生に見られることもあります。もちろん、そのような視線を気にせず相談できる方もいますが、「見られたくないから相談に行けない」という方もいます。

解決策:学校によって対応策があるので、確認しよう

多くの学校では、相談室直通の電話が設置されています。
電話であれば、学校に入校する際のチェックが不要なので、他の職員に知られる可能性は減ります。
コロナ禍以降、オンラインカウンセリングやメールでのカウンセリングもできる学校も増えました。

また、職員玄関から入校するのではなく、相談室へ直接入ることのできる学校も多くあります。

学校によっていろいろ工夫をしている場合があります。
「相談室だより」などの配布物に書かれていますので、確認してみましょう。

もし、配布物がない場合は、担任に聞きにくい場合は養護教諭や信頼できる管理職に確認できます。
どうしても抵抗がある場合は、スクールカウンセラーにこだわらず外部の相談機関を利用しましょう。

意味ない理由5:子どもが相談に行きたがらない

保護者は相談したいと思っているのに、お子さん本人が嫌がるケースもあります。

要因:学校という場所自体が怖い

不登校のお子さんにとって、学校という場所そのものが怖い存在になっていることがあります。

「同級生に見られるかも」「先生に会いたくない」という不安から、学校内の相談室に行くことを拒否する場合があります。

また学校に行けていない自分が、カウンセラーに何を言われるか不安に感じることもあります。「学校に行きなさいと言われるのでは」と心配しているのです。

無理に連れて行こうとすると、お子さんとの関係が悪化したり、カウンセリングそのものに拒否感を持ってしまう可能性があります。

注意ポイント

お子さんを無理に連れて行こうとすることは逆効果です。信頼関係が損なわれ、回復がさらに遅れる可能性があります。

解決策:保護者だけの相談でも効果がある

お子さんが相談に行きたがらなくても、まずは保護者の方だけで相談に来てください。


保護者だけの相談が有効な理由

  1. 保護者の関わり方を改善することで、子どもの状態が良くなることが多い
  2. 保護者の不安やストレスが軽減されると、子どもに良い影響がある
  3. カウンセラーは保護者からの情報でアドバイスができる
  4. 子どもが安心できる環境を整えることが優先

不登校の改善には、お子さん本人へのアプローチだけでなく、保護者の関わり方や家庭環境を整えることも重要です。

保護者が適切な対応方法を学ぶことで、お子さんの状態が改善することも多くあります。また保護者自身の不安やストレスが軽減されることで、お子さんに良い影響を与えることができます。

カウンセラーは、お子さんに直接会わなくても、保護者からの情報をもとにアドバイスをすることができます。まずは保護者だけでも相談してみてください。

お子さんが「話してみようかな」と思えるタイミングが来たら、その時に本人の相談を始めればよいのです。焦らず、お子さんのペースを大切にしましょう。


公認心理師だから伝えられる:「できること」と「できないこと」

ここからは公認心理師の視点で、スクールカウンセラーができることとできないことを整理します。

スクールカウンセラーができること

スクールカウンセラーは臨床心理士や公認心理師などの資格を持つ心理の専門家です。次のような支援ができます。


スクールカウンセラーの主な役割

✓ お子さんや保護者の話を聞き、心理的な負担を軽減する

✓ お子さんの心理状態をアセスメント(評価)する

✓ 教職員へのコンサルテーション(助言)を行う

✓ 学校での配慮について情報を共有する

✓ 軽症のケースでは定期的な面談で不安を軽減する


お子さんや保護者の話を聞き、心理的な負担を軽減します。不安やストレスで混乱している状態を整理し、落ち着いて考えられるようサポートします。

お子さんの心理状態をアセスメント(評価)し、どのような特性や困りごとがあるか専門的な視点で見立てます。この情報を教職員と共有することで、学校での配慮につなげます。

担任の先生など教職員へのコンサルテーション(助言)も重要な役割です。お子さんへの接し方や保護者との連携方法について、心理学的な観点からアドバイスします。

軽症のケースでは、定期的な面談を通じて不安の軽減や自己理解を深める支援ができます。学校生活での小さな困りごとであれば、スクールカウンセラーの支援で改善することもあります。

スクールカウンセラーができないこと

スクールカウンセラーには明確な限界があります。


スクールカウンセラーにできないこと

× 医療行為(診断や投薬)

× 学校の制度や規則を変えること

× 家庭訪問や長時間の個別対応

× 緊急時の対応や夜間・休日の相談

× 重症ケースへの継続的な治療


まず医療行為はできません。診断や投薬が必要な場合は、必ず医療機関を受診してください。発達障害やうつ病、不安障害などの診断はスクールカウンセラーにはできません。

学校の制度や規則を変える権限もありません。出席扱いの判断、進級・卒業の基準、クラス編成などは学校や教育委員会の決定事項です。

家庭訪問や長時間の個別対応も基本的には業務範囲外です。緊急時の対応や、夜間・休日の相談には対応できません。

重症のケースや、医療的介入が必要な状態では、スクールカウンセラーだけでは不十分です。継続的で専門的な治療やカウンセリングが必要になります。

「学校内」という場所の制約

スクールカウンセラーは学校の開いている時間しか相談できません。保護者が仕事をしている平日の日中が基本になるため、相談のハードルが高くなります。

また学校という場所で相談すること自体に、心理的な抵抗を感じる保護者も多くいます。「学校に問題がある」と感じているケースでは、学校内での相談は難しいでしょう。

相談内容についても、学校の体制や教職員への不満は話しにくい雰囲気があります。中立的な立場とはいえ、学校配置という性質上、完全に自由な相談は難しいのです。


学校だけでは解決が難しいと感じたら、次にできること

スクールカウンセラーで「意味ない」と感じたなら、次のステップを考える時期かもしれません。

医療機関(児童精神科・小児科)

お子さんが、「学校に行きたくない」といった時には、まずはかかりつけの小児科を受診しましょう。
お子さんが体調不良を訴えた時に、その訴えを聞いて病院受診をすることはとても大事です。

お子さんが「おなかがいたい」などと訴えている時に「どうせ仮病でしょ」と病院受診をさせない保護者の方がいます。
しかし、お子さんにとっては「信じてもらえない」「わかってくれない」と家族への不信感につながります。


医療機関を受診すべきケース

  • 身体症状(頭痛、腹痛、吐き気など)が続く場合
  • 気分の落ち込みが激しい場合
  • 睡眠や食事に大きな変化がある場合
  • 発達の特性が疑われる場合
  • 自傷行為や希死念慮がある場合

段階的な受診の流れ

  1. まずはかかりつけの小児科を受診
  2. 必要に応じて専門医(児童精神科など)を紹介してもらう
  3. 継続的な通院と治療を受ける

教育支援センター(適応指導教室)

学校に行けないお子さんが通える公的な施設です。

教育支援センターでは、学習支援や体験活動を通じて子どもたちの社会性や自己肯定感を育てます。学校復帰だけを目標にせず、お子さん自身が自分のペースで成長できる環境を提供しています。


教育支援センターの特徴

✓ 無料または低額で利用できる

✓ 通所した日数を学校の出席扱いにできる場合がある

✓ 同じように学校に行けない仲間と出会える

✓ 学習支援や体験活動が受けられる

✓ 保護者向けの相談窓口もある


多くの自治体で無料または低額で利用でき、通所した日数を学校の出席扱いにできる場合もあります。同じように学校に行けない仲間と出会えることで、孤独感が和らぐ効果もあります。

お住まいの地域の教育委員会に問い合わせることで、利用方法や場所を教えてもらえます。

民間のカウンセリングサービス

体調不良を訴えていない場合、あるいは体調不良を訴えていても病院受診を拒む場合などは、カウンセリングを利用するのをおすすめします。

スクールカウンセリング同様にお子さんがカウンセリングに参加する必要はありません。

まずは保護者の方が状況を説明し、今後について一緒に考えましょう。


民間カウンセリングサービスの特徴

✓ 予約の時間帯や頻度を選びやすい

✓ 同じカウンセラーと継続的に関係を築ける

✓ オンラインで全国どこからでも相談可能

✓ 夜間や週末も対応している場合が多い

✓ 不登校に特化したカウンセラーを選べる


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外部相談先を選ぶときに確認したいこと

学校外の相談先を探すとき、次のポイントを確認してください。


相談先選びのチェックリスト

□ 資格や専門性:公認心理師や臨床心理士などの資格を持っているか

□ 専門分野:不登校や子どもの問題を専門にしているか

□ 相談の形式:対面かオンラインか、個別相談か家族相談か

□ 料金と頻度:1回あたりの料金、継続的に通える金額か

□ 守秘義務:相談内容がどこまで守られるか

□ 実績や口コミ:実際に利用した人の声、支援経験があるか


注意ポイント

占いなどに相談する方もいらっしゃいますが、エビデンス(根拠)のある病院受診かカウンセリングにしましょう。


スクールカウンセラーと外部専門家の併用法:学校を敵にしない相談法

外部の専門家に相談することは、スクールカウンセラーや学校を否定することではありません。


役割分担の考え方

スクールカウンセラー外部の専門家学校での様子を共有してもらう家庭での対応を一緒に考える先生との連携をサポート医療的な判断が必要か見立てる学校内での配慮を調整継続的な心理サポートを受ける

スクールカウンセラーには「学校での様子を共有してもらう」「先生との連携をサポートしてもらう」役割を担ってもらいます。

外部の専門家には「家庭での対応を一緒に考える」「医療的な判断が必要か見立ててもらう」「継続的な心理サポートを受ける」役割を担ってもらいます。

それぞれの強みを活かして連携することで、お子さんにとって最適な支援体制を作ることができます。外部の専門家に相談していることを学校に伝えることで、より協力的な関係を築けるケースも多くあります。


専門家への相談と一緒に、今日からできる3つのこと

専門家に相談しながら、保護者として今日からできることがあります。

1. 無理に登校させようとしない

お子さんが「学校に行きたくない」と言っているとき、無理に行かせることは逆効果です。

不登校の背景には、お子さんなりの理由があります。無理に登校させることで、心の傷が深くなり、回復に時間がかかることもあります。


休むことの意味

  • 休むことは怠けではなく、心を回復させるために必要な時間
  • 安心して休める環境が、回復の前提づくりになる
  • 無理な登校刺激は、お子さんとの信頼関係を損なう可能性がある

まずはお子さんが安心して休める環境を整えることが、回復の前提づくりになります。休むことは怠けではなく、心を回復させるために必要な時間です。

公認心理師からのアドバイス

「学校に行かせること」よりも「お子さんが安心できる環境を作ること」を優先してください。安心感が土台になって、初めて次のステップに進めます。

2. 子どもの様子を記録に残す

お子さんの日々の様子を簡単でいいので記録しておきましょう。


記録しておくとよいこと

  • いつ、どんな様子だったか
  • 何を話していたか
  • どんなことに興味を示したか
  • どんなときに辛そうだったか
  • 食事や睡眠の状況
  • 表情や行動の変化

記録を続けることで、お子さんの状態の変化に気づきやすくなります。専門家に相談するときにも、具体的な情報として役立ちます。

記録すること自体が、保護者自身の気づきを促すプロセスにもなります。

記録のコツ

スマートフォンのメモアプリや手帳に、日付とともに簡単に記録しておくだけで十分です。完璧な記録である必要はありません。箇条書きで「今日の様子」を2〜3行書くだけでも価値があります。

3. 子どもの言葉をそのまま受け止める

お子さんが話してくれたことを、否定せずにそのまま受け止めてください。


NGな言葉かけ

× 「そんなことで学校休むなんて」

× 「もっと頑張りなさい」

× 「みんな我慢してるんだから」

× 「甘えないで」



OKな言葉かけ

○ 「そう感じたんだね」

○ 「つらかったね」

○ 「話してくれてありがとう」

○ 「あなたの気持ちは大切だよ」


「そんなことで学校休むなんて」「もっと頑張りなさい」という言葉は、お子さんの心を閉ざしてしまいます。

「そう感じたんだね」「つらかったね」と、お子さんの気持ちをそのまま言葉にして返すことで、安心感が生まれます。

お子さんが自分の気持ちを言葉にできることは、自己表現の回復につながります。保護者が受け止めてくれるという安心感が、回復の土台になるのです。


よくある質問

Q
スクールカウンセラーとの相談内容は学校に伝わりますか?

A

基本的には守秘義務があり、相談内容が無断で学校に伝わることはありません。
ただしお子さんの生命や安全に関わる情報については、学校と共有する必要があります。相談の最初に、どのような情報をどこまで共有するか確認することをおすすめします。

Q
スクールカウンセラーに相談するのをやめても大丈夫ですか?

A

もちろん大丈夫です。相談を続けるかどうかは、保護者とお子さんが決めることです。

スクールカウンセラー以外の相談先を見つけた場合や、今は相談の必要を感じない場合は、無理に続ける必要はありません。

Q
民間のカウンセリングとスクールカウンセラーの違いは何ですか?

A

最も大きな違いは、相談の柔軟性と継続性です。
民間カウンセリングは予約の時間帯や頻度を選びやすく、同じカウンセラーと継続的に関係を築けます。一方スクールカウンセラーは無料で学校という身近な場所で相談できる利点があります。

Q
不登校で医療機関を受診する目安は何ですか?

A

まず、学校を休む理由などで身体症状(頭痛、腹痛、吐き気など)を訴えている場合、かかりつけの小児科を受診しましょう。

Q
子どもが相談を嫌がる場合はどうすればいいですか?

A

まずは保護者だけでも相談を始めてください。
お子さん自身が相談を望んでいなくても、保護者が適切な関わり方を学ぶことで状況が改善することもあります。



まとめ

スクールカウンセラーに「意味がない」と感じる理由の多くは、制度上の限界や相談体制の問題、カウンセラーとの相性によるものです。

まとめ
  • スクールカウンセラーの「意味ない」は制度や相性の問題であり、あなたのせいではない
  • 相談したいときにいない、具体的なアドバイスがないなど5つの理由がある
  • それぞれの理由には対策があり、工夫次第で改善できる
  • スクールカウンセラーにはできることとできないことがある
  • 合わないと感じたら、他の相談先を探すことが大切
  • 医療機関、教育支援センター、民間カウンセリングなど選択肢は複数ある
  • 保護者が今日からできることもある

    あなたやお子さんが悪いわけではありません。スクールカウンセラーの支援が合わないと感じたら、無理に続ける必要はありません。

    他の相談先を探したり、複数の支援を組み合わせたりすることで、お子さんに合った支援体制を作ることができます。

    大切なのは、一つの相談先だけに固執せず、お子さんと家族にとって本当に役立つ支援を見つけることです。


    次のステップ

    □ スクールカウンセラーを使うなら、優先順位を考えて予約する

    □ 合わないと感じたら、別の相談先を探し始める

    □ お子さんの様子を記録し始める

    □ 無理に登校させることをやめて、安心できる環境を作る

    □ 必要に応じて医療機関や教育支援センターに問い合わせる


    学校には話しにくいこと、スクールカウンセラーでは解決できなかったこと、どんな小さな悩みでも構いません。お子さんの状況に合わせて、今できることを一緒に考えていきましょう。

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