
子どもが家で暴れて手が付けられない。どうすればいいの

言葉でいろいろ説得するのだけれど「うるせぇ」と言い返されるだけで、子どものこころになにも響いていない。
お子さんが家庭内で暴れるとケガや家財道具の破損などのリスクがあります。
それ以上に、ご家族の雰囲気が悪化し、疲弊してしまいます。
家庭内暴力は適切に対応することで、早期に確実に解決できる問題です。
この記事でお伝えしたいこと
執筆・編集責任:吉田克彦(合同会社ぜんと代表 公認心理師、精神保健福祉士)
- 不登校の家族支援25年以上、3000家庭以上の支援実績
- スクールカウンセラー歴20年以上。小学校、中学校、高校(全日制、定時制、通信制)全ての校種で勤務経験あり。
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不登校の子どもが家庭内暴力をふるう主な原因とメカニズム
学校を休み始めたとき、保護者さんは気になってお子さんにいろいろ聞きがちです。
「何で行かないの?」
「これからどうするの?」
「このままでいいと思っているの?」
しかし、これらの声かけはお子さんにとっては「うっとうしい」ものになってしまいます。
そこで、お子さんの反応も
「うるせえなぁ」
「関係ないだろ」
「放っておいてくれ」
などと、言い返すことがあります。
このやり取りがどんどんエスカレートしていくと、暴言や暴力につながってしまうのです。
中学2年生のAさんは、夏休み明けから学校に行かなくなってしまいました。
学校に行かなくなったことで、親からは「なんで学校に行かないの?」としつこく聞かれるようになりました。
以前は、親と食事をして、暇なときはリビングでテレビを見て過ごすことがほとんどでした。
しかし、親と顔を合わせるたびに学校や勉強に関する話題が出るので、自分の部屋で過ごす時間が増えていきました。
学校に行かず、部屋に閉じこもって、話もしてくれないAさんのことを親御さんはとても心配しています。
「出てきて一緒にご飯食べよう」
「朝だから起きなさい」
出来るだけたくさん声をかけるようにしています。
しかし、Aさんは「わかってるよ」「放っておいて」というか、何も答えず無視をしています。
この日も、親はいつものように声をかけますが、Aさんは無視をして何も答えません。
「このまま部屋に閉じこもっていては良くない」と考え、Aさんの部屋のドアを開けて部屋に入っていきました。
Aさんは、突然入ってきた親に驚き、
「勝手に入ってくるな」
「出て行ってくれ」
と、突飛ばしてしまいました。
Aさんに突き飛ばされた親御さんは、廊下の壁に頭を強く打ち付けてしまいました。
この事例のように、最初は「そっとしておいてほしい」というお子さんの思いと、「何とかしたい」という親御さんの思いのすれちがいから、暴力や暴言につながることがあります。
【公認心理師が解説】家庭内暴力を解消する2ステップ
暴力を誘発する「地雷」を踏まない
よく暴力を振るうお子さんでも、落ち着いている時間はあります。
お子さんが暴力を振るう時間を無くすためにはまず、落ち着いている時間を長くすることが大切になります。
この時に気をつけたいのは、せっかく子どもが落ち着いているのに暴力を振るう引き金をご家族が作ってしまうことです。
例えば「昨日なんで暴れたの?」などと暴力のことを蒸し返したり、学校の話をするなどがあります。
暴力が発生したときの「安全な対応」と「要求への対処法」
お子さんが暴れている時に暴力を止めるのは難しいです。
そのため暴力を振るっている時に止めるよりも、そもそも暴れないようにすることが大切になります。
多くのご家庭では、子どもが落ち着いている時に説教をするなど厳しい対応をします。
子どもが暴れている時には要求を受け入れてしまっていることがありますが、これは逆効果です。
その時子どもは「暴れれば自分の思い通りになる」と学習して、暴力が更にエスカレートしてしまいます。
一方で、家庭内暴力をふるうお子さんは、普段は家族と仲が良く、落ち着いている時はむしろ家族に優しいことも多いのです。
なぜ、落ち着いている時の「建設的な話し合い」が逆効果なのか?

「うちの子は本当は素直でとてもやさしい」
「じっくりと目を見て話せばわかってくれる」
お子さんの本当の姿を分かって、信頼するご家族の思いはとてもよくわかります。
しかし、だからと言ってお子さんが機嫌がいい時に教え諭そうとするのはうまくいきません。
むしろ、その働きかけこそが、お子さんを苦しめて、暴れる原因になってしまうのです。
落ち着いている時についつい嫌味を言ってしまう。
例えば子どもが落ち着いている時に、ご家族が嫌味を言ってしまうことが良くあります。
嫌味ではなくても、「落ち着いている今だからこそ言える」ときつい言葉が出る時があります。
お子さんが機嫌がいい時に保護者が言いがちなNGフレーズ
・こんなに機嫌がいいなんて珍しい
・そんないい事したら雨降っちゃうんじゃない?
・この調子なら、学校にも行けるね
・こうやって機嫌がいい時はかわいいのに、なんで昨日は暴れたの?
この状況を、子どもの立場に立って考えてみましょう。

機嫌が悪くなり暴れると家族は黙ってくれる。
暴れないで自分が機嫌を良くしていると家族はイヤなことを言ってくる
つまり、お子さんにとっては自分を守るために暴れているともいえるかもしれません。
落ち着いている時にできるだけ、落ち着いている状況を認めてあげる、そして話を聞いてあげてください。
もし、暴れ出したら離れて要求には答えないようにすることで、「暴れてもプラスにならない」ということを子どもが理解すれば、暴力はなくなります。
親の疲れや不安を和らげる自己肯定感の保ち方
「子どもが落ち着いている時じゃないと冷静に話せない」
「落ち着いている時にしか説教できない」
子どもと話し合って問題を解決したい、ダメなことはダメと伝えたいといった気持ちはあると思います。
親からのメッセージを伝えたい気持ちもわかりますが、一番大切なのは子どもが暴れないことです。
説教や嫌味を言って、子どもが不機嫌・不安定になり暴力につながるなら、
今は穏やかな時間を増やしできるだけ暴力を減らすよう注力しましょう。

ご家族だけで悩まず専門家と一緒に考えよう
このように、お子さんの暴力を無くすには落ち着いている時間を増やしましょう。
いくら暴力が激しくても、24時間ずっと暴れ続ける子どもはいません。
暴力的な中でも必ず落ち着いている時間があるので、その時間を増やしていくことが大切です。
せっかく落ち着いている時間に説教や嫌味を言うのはあまり効果がなく、暴力を振るうからといって要求に答えていると暴力はエスカレートしていきます。
お子さんも暴力でしか自分の気持ちを表現できない現状に苦しんでいると思います。
子どもが落ち着いている時間に、少しでもその時間を子どもが楽しく過ごすことを考えましょう。
もし、お子さんへの接し方について悩んでいたら、まずは初回無料の相談にぜひお申し込みください。
これまでの経験を踏まえて、必ず問題を改善させます!
▶【家族心理学から】子どもが不登校になりやすい家庭の特徴と対策を解説
▶ 不登校の子が、精神的につらくてご飯を食べられない 保護者は何ができるか。
引用参考文献
小児心身医学会ガイドライン集改訂第2版 (2015年7月)一般社団法人小児心身医学会編
「できる」ブリーフセラピー 吉田克彦著
更新情報
24/01/30 新規記事掲載
25/08/29 最新情報に更新
25/11/23 最新情報に更新




