学校のスクールカウンセラーに相談したいのだけれど、どうすればいいのだろう。
こんな相談しても大丈夫なのかな?
スクールカウンセラーは、教育現場における心の専門家。 不登校やいじめ、友人関係、学業、進路、家庭環境など、お子さんの学校生活に関する様々な悩みを相談できます
「悩みがあるけど、誰にも相談できない…」 「スクールカウンセラーってどんな人?相談しても意味あるのかな?」
そんな風に悩んでいるあなたやお子さまへ。
この記事では、スクールカウンセラーへの相談が必要かどうか、そのメリット・デメリット、効果的な活用法、注意点まで詳しく解説します。
一人で抱え込まず、専門家に相談することで問題解決への道が開けることもあります。ぜひ最後まで読んで、参考にしてみてください。
私はスクールカウンセラーとして現在まで25年以上活動し、「小学校スクールカウンセリング入門」など、スクールカウンセリングに関する執筆も多くしています。
また、スクールカウンセラーのスーパーバイズも行っており、スクールカウンセラーの事情を十分理解しています。
その私が、スクールカウンセラーについて、解説いたします。
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悩んだ時は一人で抱えない方がいい
1人で抱え込むことのメリットとデメリット
一人で悩みを抱え込むことには、メリットとデメリットがあります。
メリット
- 自分のペースで考えられる: 周りの目を気にせず、自分のペースでじっくりと考えることができます。
- プライバシーが守られる: 誰にも知られたくない悩みも、安心して考えることができます。
デメリット
- 視野が狭くなる: 自分の考えだけで解決しようとするため、視野が狭くなり、解決策を見つけるのが難しくなることがあります。
- ストレスが溜まる: 悩みを一人で抱え込むと、ストレスが溜まり、心身に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 解決が難しくなる: 複雑な問題や専門的な知識が必要な問題は、一人で解決するのが難しい場合があります。
誰かに話すときのメリットとデメリット
誰かに悩みを話すことにも、メリットとデメリットがあります。
メリット
- 新しい視点が得られる: 他の人に話すことで、自分では気づかなかった新しい視点や解決策が見つかることがあります。
- 気持ちが楽になる: 悩みを共有することで、気持ちが楽になり、安心感を得ることができます。
- 客観的な意見がもらえる: 第三者の意見を聞くことで、問題を客観的に見ることができます。
デメリット
- プライバシーが漏れる可能性がある: 相談内容によっては、プライバシーが漏れる可能性があります。(ただし、スクールカウンセラーには守秘義務があり、原則としてあなたの相談内容は誰にも知られることはありません。後述します)
- 相手に負担をかけるかもしれない: 悩みを聞いてもらうことで、相手に負担をかけてしまうかもしれません。
- アドバイスが役に立たないかもしれない: 必ずしも自分に合ったアドバイスをもらえるとは限りません。
誰に相談する?相談内容と相談相手
悩みを相談する相手は、相談内容によって選ぶことが大切です。
友達やクラスメイトに相談する
友人やクラスメイトに相談するメリット
- 共感してもらえやすい
- 気軽に相談しやすい
友人やクラスメイトに相談するデメリット
- 相談相手が深く悩んでしまうことがある
- うわさなどで広がることがある
- 解決策が見つからない場合がある
相談に向いている内容
学校生活での悩み、友達関係の悩み、恋愛の悩みなどについて。
普段からの人間関係などがわかっているため、相談に対する助言も適切なことが多いでしょう。
家族に相談する
メリット
- 親身になって話を聞いてくれる
- 具体的なアドバイスがもらえる
デメリット
- 理解してもらえない場合がある
- プレッシャーを感じることがある
- 忙しいなどの理由で聞いてもらえないことがある
- 過度に子ども扱いをしてくる
- 納得できない助言の場合に、拒否しにくい。
相談に向いている内容
家庭環境の悩み、進路の悩み、将来の悩みなど。
進路や将来に関する悩みについては、経済的な事情もあるため、家族に相談することで現実的な意見が聞けます。
学校の先生に相談する
メリット
専門的な知識や情報を持っている、学校生活のサポートが受けられる
デメリット
- 先生が忙しすぎると、ゆっくり話を聞いてもらう機会が作れない
- 悩みを聞いてほしいのに、説教や指導をされる場合がある
- 先生との関係で悩んでいる場合に相談できない
相談に向いている内容
学習の悩み、学校生活の悩み、進路の悩みなど
スクールカウンセラーに相談する場合
スクールカウンセラーは、学校で心のケアを行う専門家です。
くわしくは次の章で解説します。
スクールカウンセラーに相談する意味
スクールカウンセラーに相談するメリット
専門的な知識と経験
心理学やカウンセリングの専門知識と経験を持つスクールカウンセラーは、あなたの悩みを深く理解し、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。
守秘義務
スクールカウンセラーには守秘義務があり、原則としてあなたの相談内容は誰にも知られることはありません。
ただし、生命の危険がある場合や虐待が疑われる場合など、例外的に情報を共有することがあります。
中立的な立場
スクールカウンセラーは、先生や親とは異なる中立的な立場で、あなたの話を聞いてくれます。ただし、必要に応じて学校や保護者と連携し、あなたの状況を理解してもらうためのサポートをすることもあります。
継続的なサポート
必要に応じて、継続的なカウンセリングを受けることができます。
他の専門家や機関との連携
必要な場合、適切な専門家や機関を紹介してくれます。
スクールカウンセラーへの相談に向いている内容
自分自身のこと
- 気分が落ち込む、不安になる
- 自分に自信がない
- 友達関係がうまくいかない
- 将来が不安
- 学校に行きたくない
学校のこと
- 勉強についていけない
- 先生との関係がうまくいかない
- いじめられている
家族のこと
- 親との関係がうまくいかない
- 家庭環境に悩みがある
- 兄弟姉妹との関係がうまくいかない
スクールカウンセラーへの相談時の注意点
- 正直に話す: 素直に気持ちを伝えましょう。もちろん、言いたくないことを言う必要はありません。ただし、言いたくないからと言ってウソをつくことやごまかすことは止めましょう。
「それは答えたくありません」 - 焦らない: 問題解決には時間がかかることもあります。焦らず、自分のペースで取り組みましょう。
- 質問する: 分からないことがあれば、遠慮せずに質問しましょう。
- 継続的に通う: 一度で解決しないこともあります。継続的に通うことで、効果が出やすくなります。
まとめ
悩みを抱え込まず、誰かに相談することは、問題解決への第一歩です。スクールカウンセラーは、あなたの悩みを真剣に受け止め、一緒に解決策を探してくれる心強い味方です。一人で悩まず、ぜひ相談してみてください。
相談する勇気が出ない時は…
- まずは信頼できる人に相談してみましょう。
- 人に話せない場合は、メモに悩んでいることをまとめましょう。
- スクールカウンセラーの部屋を覗いてみたり、評判を聞いてみてもいいでしょう。
- 相談内容を紙に書き出してみるのも良い方法です。
- 匿名で相談できる電話相談やオンライン相談サービスを利用するのも一つの選択肢です。
あなたは一人ではありません。 勇気を出して、一歩踏み出してみましょう。専門家のサポートを受けることで、新しい視点や解決策が見つかるかもしれません。
- スクールカウンセラーは、子どもの学校生活に関する様々な悩みを相談できる専門家である
- 不登校、いじめ、友人関係、学業、進路、家庭環境など、幅広い相談内容に対応できる
- 相談方法は、電話、面談、手紙、メールなどがあり、それぞれにメリット・デメリットがある
- 相談前に相談内容を整理し、スクールカウンセラーとの信頼関係を築くことが大切
- スクールカウンセラーは、臨床心理士や公認心理師などの資格を持つ専門家が担当する
- スクールカウンセラーへの相談は、悩み解決の一歩となる
引用文献
文部科学省「2 スクールカウンセラーについて」児童生徒の教育相談の充実について―生き生きとした子どもを育てる相談体制づくり―(報告)
吉田克彦・若島孔文編著:小学校スクールカウンセリング入門 2008 金子書房
教育相談情報提供システム:スクールカウンセラーをめぐる課題 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所
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