不登校経験のある大人を対象に、アンケートを実施しました。その中で、「今の自分が、不登校の時の自分にアドバイスできるとしたら、何を伝えたいですか?」という質問をしました。
それぞれが社会人として生活している中で、当時の自分に何を伝えたいのか。回答内容を集計したところ、おおよそ10個ほどの意見にまとめることができました。
一番多い意見は「無理するな」
110名から頂いた回答を10項目に分類してみました。下の図がその結果です。大きい字ほど、多い意見となります。
見ていただいてわかる通り、「無理するな」という意見が最多(35件)でした。「学校のことを考えたり、焦ることなく、ゆっくり休むように」という意見です。
「無理するな」が、最多だったということは、「当時は無理をしていた」ということかもしれません。大人から見ると、不登校になった子供が「怠けている」「何も考えていない」などと見えてしまいがちですが、子どもなりにプレッシャーを感じたり、登校への焦りがある場合も多いのです。
一方で、「気にせず学校に行こう」という意見もありました(5件)。不登校から学校への再登校が出来て「これならもっと早く学校に行っていればよかった」と気づいたり、大人になった今から思えば「やっぱりあの時言っておけばよかった」と感じる場合もあります。
これらの結果から、登校を促すことが絶対に正しい、あるいは絶対に間違っている、など決められないことがわかります。それぞれの子どもの状況や様子によって、声をかけたり、そっと見守ったり、対応を変える重要性が重要です。
無理するな
- 学校なんて無理して行かなくてもいつか終わるから大丈夫です。そのあとの人生の方が長いので無理はしないでやりたいことをやればよいと思います。
- 自分が体調のいいときに登校をすればいいとアドバイスをすると思います。
- 無理しなくて良い。そのままの自分でいい。
- 親は無理に行かせようとするけれども、休むべき
- 別に行かなくても良い
- 無理して学校に行かないでほしい
- 親は学校に行きなさいというけれど、無理して学校に行くことはないよ。心も体もゆっくり休めてね。
- いかなくていい
- 不登校になっても生きる道はあるのでなにごとも無理する必要はない。
- 焦らなくても大丈夫
- 学校に行かなきゃとプレッシャーに感じなくても大丈夫
- あまりこんつめてやらないようにしてほしい。
- 無理して学校に行こうとせず、自分のペースで頑張って。
- 無理をせずに部活を辞めて楽になればいい
- 無理に行く必要はないよ
- 将来を気にせず休んでいい。
- 行きたくないときはいかなくてもいいよ。長い人生でみれば、きにしなくていいよ
- 焦ると逆に更に行きたくなくなってしまうから、あまり無理はしない方が良い。
- 無理しないで休んでいいんだよと言いたいです。
- 無理して学校に必要は全くないよ。世界は広いんだよ。
- 無理してまで学校に行く必要はないと伝えたいです
- 無理はしなくていい
- あまり気にしないよう伝えたい。
- そのうち行く気になるから無理しないで
- 「自分ってそんなにつらかったんだっけ」って無理に気持ちを押し殺さなくていいよ
- 自分のペースで登校をすればいいと伝えると思います。
- 今は辛いかもしれないけど、無理しないで、そのままで大丈夫だよと伝えたいです。
- 無理して行くことないです。私はストレスで身体に症状出てしまいました。【遅刻してもよい、調子悪くなったらら早退しても良い】そんな軽い気持ちづ少しづつ、保健室も挟みながら通えるようになりました。
- その不登校は良い経験なので無理に学校へ行かなくてもいいと伝えたいです。
- 無理していかなくても行きたくなったら行けばいいよ
- 休みたいなら休めばいい
- 勉強は大事だと思うが無理する必要はない。
- 原因探しをして解決することも大切なことだけど、身体や心を「休ませる」こともとっても大事!休める時にたくさん休んでね。
- 焦らなくても大丈夫だよ
- 無理して登校しなくても、自宅学習で進学もできるしゆっくりしていいということ。気持ちが向いたら友達に会いに行ってみても良いと思うこと。
不登校になったら「子どもには無理をさせてはいけない」、不登校対応の鉄則ですが、不登校経験のある当事者からも同じ意見が出ていました。
後で紹介されますが「やっぱり学校に行こう」という意見もありますが、回答数は「無理をするな」の方が圧倒的に多いです。まずは無理をせず、ゆっくり休養して、回復してきたら学校に行くことを検討するという流れが大事なようです。
家族としては、本人がゆっくり休める環境を整えてあげて、余計な刺激を与えないことが大事でしょう。
誰かに相談しよう
- ひとりで抱え込まずに友人、先生、家族と誰に頼ってもいいということを伝えたいです。
- 抱え込まずに周囲に相談するのがよいと思います。
- 友人に相談してと伝えたいです
- 周りに相談すると、案外解決策が見えてくる
- まずは親に打ち明けるべき
- 周りに相談すると、案外解決策が見えてくる
- 家族の事で、悩まなないで心療内科に相談する
- 自分だけで考えるのではなく周りの人に相談するようにアドバイスしたい
- 友人に相談してと伝えたいです
- ひとりで抱え込まずに友人、先生、家族と誰に頼ってもいいということを伝えたいです。
- 1人で考え込まず、身近にいる人に相談してほしい。
誰かに相談する。これも非常に大切なことです。とはいえ、何か問題があってから話せる相手を探すことは難しいものです。普段から保護者が、子どもにとっていざという時に相談できる存在でいることが大事でしょう。
なんでも包み隠さず言い合う仲である必要はなく、子どものすべてを知っている必要もありません。いざという時に相談できれば、それでいいのです。
勉強はしよう
- 無理はせずに勉強はしとこう
- 不登校しているからといって悩むことは無い。勉強は自分で教科書読むだけでも十分にできる。それに卒業したら環境が大きく変わるのでそこまでは無理して何かをしようとしなくていい
- 周りのことは気にせずに勉強を頑張れ
- ちゃんと勉強しよう
- 焦燥感に襲われて取り返しのつかないことになります。難しいと思いますが、じっとしてください。何もしないことが正解の場合があります。辛いと思いますが、じっと耐え忍んでください。そして勉強を惜しまないでください。
- 必要な期間だったと思って大丈夫。でも勉強だけはしっかりして。
- 勉強が嫌でも大人になると身に沁みて「あの時しとけば良かった」と感じるから、今のうちちゃんと勉強をしとけと伝えます。
- 不登校でもなんでもいいから、勉強だけはしておけ。
- 嫌なところに無理して行かなくてもいいけど、やる気起きないかもしれないけど、勉強はちゃんとやっておいた方が、将来の可能性が広がるよ、と伝えたいです。
- ゲームより部活や勉強に時間を使ったほうが楽しいはず
学校に行かない間に勉強を行うことはとてもいいことです。ゲームや動画から離れる時間ができます。もし再登校をする場合にも、勉強の遅れがネックになることが多いため家庭学習である程度進めておくことが大事です。
家庭学習は自分のペースだけでやると、ダラけてしまいます。オンライン教材を活用することをおすすめします。
人のことを気にするな
- 周りの目はそんなに気にする必要はないと思うということです。
- 無理にクラス内で嫌いな子と話をしたり、グループに入らなくてもいいと伝えたいです。たった3年間の短い中学時代で、一生クラスメイトと付き合うわけでもなく、自分に素直になって好きなように学校内で振舞って構わないと言いたいです。
- 小さい世界のことだから気にするな!
- 周りを過度に気にせず自分らしく生きるようアドバイスします。
- 周りから色々言われるけど、無理して行かなくて正解だったよ。こうして今も生きているから。
- 自分が気にしているより、まわりはあなたの事を気にしていない。
- 周りの大人たちから色々批判されるけれども、いったん2週間くらい学校を休んで休憩したらいいよ。
- 周りは自分のことを気にしてないから気にせず登校しろ
- 学校の小さなクラスの中の人間関係だけがすべてじゃないから、友達と何かあっても学校に行かなくてもいつかあなたのための居場所が見つかるよ。
- 周りはからかい感覚で人にものごとを言っている
- 割り切りが重要で先生であれ友人であれ、人間は人を差別しますし、差別されることで傷つくようではだめです。
- 自分を信じてくれる人が一人でもいればいいよ。
視野を広げよう
- 人生もっと大切な人との出会いが待っているので自分の目標だけは忘れず孤独に浸っていれば良い。
- その友人に固執する必要はない
- 目の前の世界だけがすべてじゃない。休んでもかまわない。
- 勉強ができなくても苦痛でも社会に出たらそんなに使うシーンは無いから気にしなくて大丈夫
- 部活を含め、学校は狭い世界です。もっと広い世界があり、今のつらいことよりも楽しいことがたくさん待ち受けています。
- 勇気を出して立ち向かえば、道は開けます。
- その時は今しかなかったが、将来がある。
- その時辛くても学校が全てではないよ
- 今、親になったから分かるけど、自分の親は結構酷いよ。不登校になっても仕方ないけど、友達と兄弟は良かったんだから、もう少し頑張っても良かったかも。親から離れるためにも将来のために頑張るべきだったと思う。
やっぱり学校に行こう
- 短い期間なんだから気にせず登校しなさい。
- まずは学校に行ってみる事です
- 学校生活楽しんだ方がいいぞ
- 仕事に行く方がめんどくさいので学校は行った方が良い
- 行ったら行ったで楽しめるよと伝えたい
今のままでOK
- 特にアドバイスはせずにいつも通りに過ごす。不登校であることに対して負い目を感じているので、学校の話題は出さない。
- 学校なんか行かなくても、生きていればそれで100点だと伝えたい
- 中学の不登校はそんなに問題ないから頑張って。
- 「長い人生そういうこともあるから不登校になったことをあまり気にせず、好きな事をしてね」と伝えたいです。
- そのままでも良い未来が待っているし、学校に行けば行ったで面白みを見つけることもできるはず。だから今の自分の思うままにやっていれば良い。
逃げても大丈夫
- 不登校は悪い事じゃないので後ろめたい気持ちは持たなくていい。嫌なら逃げ回ってもいい
- 逃げるのは悪いことじゃない。
- 嫌ならいつでも逃げていい
- 逃げたい時は逃げても大丈夫だよ。と伝えたいです
- 今考えたら逃げるのも自分の身を守る大切なことだったので、間違いではなかったと思います。
何かやってみよう
- 学校行く行かないは好きにしていいから、行かないなら行かないなりに何かをやって欲しい。本をたくさん読むとか、バイトして旅行に出掛けてみるとか。頭の吸収力が異様にあったり、若さを謳歌できる時間というのは本当に短いものだから。
- 行きたくないなら、行かなくて良い。自分のやりたいことを見つけろ
- サポートにばかり回っていないで自分からメインの作業も行った方がいいと思う。
- 頑張った成果は出るのでやってみなさい
- 不登校になってもいいから後の人生で役に立つことをしなさい。
- 青春はどんな手段でもいいから謳歌した方がいいよ。
- 自分を責める必要はない。どうせなら、長期休暇だと思って楽しんだ方がいい。
- 「不安なことばかりだと思うけれど、小さな楽しみや幸せを見つけてみて欲しい。それが支えになることもあると思う。」と伝えたいです。
- 自由に過ごして大丈夫だから。行きたいと思ったら行けばいいし、嫌なら好きな事をすればいいよ。です。
- 焦らなくていいし気にしなくていい。できれば世界のいろんな言語を覚える時間だと思って前向きに日々を過ごしてほしい。
ただ、何もせずに家にいるのではなく、何かを始めることはいいことです。何もしていないと、ネガティブなことばかり考えてしまいます。「不登校になってゲームや動画ばかりで過ごしている」という話も聞きますが、これも何も他にすることがないからゲームや動画を”やらざるを得ない”状況とも言えます。
何かに夢中になることで、ネガティブなことを考えることがなくなります。また、活動することで頭や身体が適度に疲労することで、深い睡眠にもつながります。
やりたいことが見つからなくても何かを始めてみることで、「結構面白いな」「自分にもできそう」などと思うこともあります。もちろん、合わないこともあるでしょうが、その時は「これは自分には合わないとわかった」こともとても大事な収穫です。
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その他
- 転職する時の就職活動で履歴書や職務経歴書を求められるため、最終学歴としたい学校があれば、その学校はきちんと卒業すること。最終学歴としたい学校に行くまでは、不登校をしていても構わないが、最終学歴だけはきちんとしておくこと。
- とりあえず、家を出て欲しいです。気分が変わっていい気持ちになります。サボっても良いから家は出て欲しい。
- 昼夜逆転生活を続けると、身体にブツブツが出来たり、生活リズムを戻すのが凄く大変だぞ。