この記事でわかること
  • 不登校と登校拒否の違いがわかる
  • 不登校の種類がわかる
  • 不登校の相談窓口や支援制度がわかる
  • 不登校に関するよくある誤解が解ける

不登校の定義とは?文部科学省や専門家の見解、不登校の種類、相談窓口、支援制度、よくある誤解まで、不登校に関する情報を網羅的に解説します。

不登校の定義、知っていますか?

「うちの子、もしかして不登校?」

そう思った時、まず気になるのが「不登校の定義」ではないでしょうか。 実は、「不登校」という言葉は、時代とともにその意味合いを変え、さまざまな解釈が存在します。

この記事では、不登校の定義について、文部科学省や厚生労働省の見解、専門家の意見を交えながら詳しく解説します。 また、不登校と似た言葉である「登校拒否」との違いや、不登校の原因や種類、相談窓口、支援制度、よくある誤解についても触れますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

不登校の定義ってなに?時代によって変化しているの?

「不登校」という言葉が使われ始めたのは、1970年代のことです。 当時は、学校に行かない状態が長期にわたる場合を指していました。

しかし、近年では、学校を休みがちであったり、学校に行きたがらない様子が見られたりする状態も含まれるようになってきています。 つまり、不登校の定義は時代とともに変化し、広がりを見せているのです。

不登校と登校拒否って何が違うの?

「不登校」と「登校拒否」は、どちらも子どもが学校に行けない状態を指す言葉ですが、その意味合いには少し違いがあります。

  • 不登校: 何らかの理由で学校を休みがちであったり、長期間学校に行けなかったりする状態を幅広く指します。
  • 登校拒否: 学校に行きたくないという強い意志があり、学校に行くことを拒否する状態を指します。

つまり、登校拒否は不登校の一つの形と言えるでしょう。ただし、実際には両者は明確に区別されずに使われることも多く、ほぼ同じ意味として扱われることもあります。

昔は、「学校に入って当然」だから「学校に行かないのは本人が登校を拒否しているから」という論理で「登校拒否」という言葉が使われました。

しかし、現在は、子どもが登校を拒否しているのではなく「学校に行きたくても行けない場合もある」「学校以外でも学ぶことができる」という理解が進みました。そのため、「本人が登校を拒否している=登校拒否」のではなく、「登校していない状況=不登校」という表現が使われることになりました。

登校していなくても不登校ではない状態とは?

文部科学省が公表した不登校調査では、全国の小中学校で2021年度不登校の状態にあった児童生徒は前年度から4万8813人(24.9%)増の24万4940人でした。

しかし、この数はすべての不登校児がカウントされているわけではありません。
つまり、実際に学校に行けていない子どもの数はこの数よりさらに多いです。

文部科学省の定義

文部科学省の定義では、不登校とは「児童・生徒指導要録」の「欠席日数」欄及び「出席停止・忌引き等の日数」欄の合計の日数により、年度間に30日以上登校しなかった児童生徒のことを指します。

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不登校に該当しない長期欠席

文部科学省の定義には例外があり、「病気」や「経済的理由」「新型コロナウイルスの感染回避」などといった理由で登校しない場合は不登校にはカウントしません。

文部科学省が公表した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」による定義は下記の通りです。

  • 「病気」には,本人の心身の故障等(けがを含む。)により、入院、通院、自宅療養等のため、長期欠席した者を計上。(自宅療養とは医療機関の指示がある場合のほか、自宅療養を行うことが適切であると児童生徒本人の周囲の者が判断する場合も含む。)
  • 「経済的理由」には、家計が苦しく教育費が出せない、児童生徒が働いて家計を助けなければならない等の理由で長期欠席した者を計上。
  • 「不登校」には、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者 (ただし、「病気」や「経済的理由」、「新型コロナウイルスの感染回避」による者を除く。)を計上。

※「不登校」の具体例

友人関係又は教職員との関係に課題を抱えているため登校しない(できない)。
遊ぶためや非行グループに入っていることなどのため登校しない。
無気力で何となく登校しない。迎えに行ったり強く催促したりすると登校するが長続きしない。
登校の意志はあるが身体の不調を訴え登校できない。漠然とした不安を訴え登校しないなど、不安を理由に登校しない(できない)。

 〇「新型コロナウイルスの感染回避」には、新型コロナウイルスの感染を回避するため、本人又は保護者の意思で出席しない者、及び医療的ケア児や基礎疾患児で登校すべきでないと校長が判断した者を計上。

 ○「その他」には、上記「病気」、「経済的理由」、「不登校」、「新型コロナウイルスの感染回避」のいずれにも該当しない理由により長期欠席した者を計上。

 ※「その他」の具体例

  • 保護者の教育に関する考え方、無理解・無関心、家族の介護、家事手伝いなどの家庭の事情から長期欠席している者。
  • 外国での長期滞在、国内・外への旅行のため、長期欠席している者。
  • 連絡先が不明なまま長期欠席している者。
  • 「病気」「経済的理由」「不登校」の理由により登校しなかった日数の合計が30日に満たず,学校教育法又は学校保健安全法に基づく出席停止,学年の一部の休業,忌引き等の日数を加えることによって,登校しなかった日数が30日以上となる者。
  • 新型コロナウイルスの感染の急拡大期に,学校又は教育委員会から推奨あるいは提示されたオンライン学習(オンラインと対面のハイブリッドで学習指導を行う場合を含む。)に参加したことによって,登校しなかった日数が30日以上となる者。

ただこの記載は曖昧であり、例えばうつ病などの精神疾患で「病気」と判断された場合、療養としての欠席となるため不登校の欠席としてカウントされない場合があります。

不登校の要因はさまざま

どうして不登校になるの?原因は一つじゃないってホント?

不登校の原因は、一人ひとり異なります。 学校でのいじめや友人関係のトラブル、学業不振、教師との関係など、学校に関する要因が考えられます。

また、家庭環境の問題や親子関係の不和、発達障害やHSC/HSP(ひといちばい敏感な子/大人)といった特性も、不登校の原因となることがあります。 さらに、本人の性格や価値観、進路への不安なども、不登校に繋がることがあります。

家庭環境が不登校に影響するの?

家庭環境は、子どもの心の安定に大きく影響します。 家庭内で暴言や暴力、ネグレクトなどが行われている場合や、親が過干渉であったり、逆に無関心であったりする場合、子どもは安心感を得られず、不登校に繋がることがあります。 また、親が仕事で忙しく、子どもとのコミュニケーションが不足している場合も、不登校のリスクを高める要因となります。

学校での出来事が不登校の理由になることもあるの?

学校でのいじめや友人関係のトラブル、学業不振、教師との関係などは、不登校の大きな原因となります。 特に、いじめは深刻な問題であり、子どもの心に深い傷を残し、不登校だけでなく、自分を傷つけたり消えたいという衝動に繋がることもあります。 学校での出来事が原因で不登校になっている場合は、学校と連携して問題解決に取り組むことが重要です。

HSCやHSPといった特性を持つ子は不登校になりやすいってホント?

HSC/HSP(ひといちばい敏感な子/大人)の特性を持つ子どもは、周囲の刺激に敏感で、些細なことで傷つきやすい傾向があります。 そのため、学校生活でのストレスを感じやすく、不登校に繋がることがあります。 HSCやHSPの子どもへの対応は、特性を理解し、適切なサポートを行うことが重要です。

不登校になったらどうすればいいの?

不登校になったらどこに相談すればいいの?

不登校になったら、一人で悩まずに、まずは相談することが大切です。 相談窓口としては、学校のスクールカウンセラーや担任教師、教育相談センター、民間のカウンセリングルーム、医療機関などが挙げられます。 また、不登校に関するNPO法人や民間団体も、相談窓口を設けている場合があります。

スクールカウンセラーってどんな相談に乗ってくれるの?

スクールカウンセラーは、子どもの心のケアを専門とする専門家です。 不登校の原因や背景を一緒に考えたり、子どもの気持ちに寄り添ったりしながら、解決策を探っていきます。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
【スクールカウンセラー相談】相談内容や方法、メリット・デメリットを解説
スクールカウンセラーってどんな人?どんな相談ができるの?
スクールカウンセラーに相談できる内容は?【不登校・いじめ・人間関係など】
スクールカウンセラーへの相談方法
スクールカウンセラーに相談する前に知っておきたいこと|相談の心構えや注意点

不登校の支援制度ってどんなものがあるの?

不登校の支援制度は、国や自治体によって異なりますが、以下のようなものがあります。

  • 不登校特例校: 不登校の生徒を受け入れるための特別な学校です。
  • フリースクール: 学校以外の場で、子どもたちが自由に学べる場所です。
  • 適応指導教室: 学校復帰を目指す子どもたちを支援する教室です。
  • 訪問支援: 教師が自宅を訪問して、子どもに学習指導を行う制度です。

これらの支援制度を利用することで、不登校のお子さんにとって、より良い環境で学ぶことができます。

不登校の法律や制度について知りたい

教育機会確保法

2016年に成立した「教育機会確保法」は、不登校の児童生徒が、多様な学びの場を通じて、十分な教育を受けられるようにすることを目的とした法律です。この法律は、不登校の児童生徒に対して、学校以外の場での学習を支援することを国や地方自治体の責務としています。

具体的には、フリースクールや適応指導教室、インターネットを活用した学習、個別学習など、多様な学習の機会を提供することが求められています。また、学校や教育委員会は、不登校の児童生徒の状況を把握し、適切な支援を行うための体制を整備する必要があります。

教育を受ける権利と教育を受けさせる義務

日本国憲法第26条では、すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有するとされています。これは、すべての子どもが教育を受ける権利を保障するものです。

一方、学校教育法では、保護者には、子が義務教育を修了するまで、これを学校に就学させる義務があると定めています。これは、保護者が子どもに教育を受けさせる責任を負うことを意味します。

不登校と教育を受ける権利、教育を受けさせる義務

不登校の場合、子どもは学校に通うことが困難な状況にありますが、憲法で保障された教育を受ける権利は失われません。保護者には、学校以外の方法で子どもに教育を受けさせる義務があります。

学校や教育委員会は、不登校の児童生徒に対しても、その状況に応じて適切な教育の機会を提供する責任があります。具体的には、フリースクールや適応指導教室、訪問支援などの支援制度を活用することができます。

保護者は、子どもの状況や意向を尊重しながら、学校や関係機関と連携し、子どもにとって最適な教育環境を確保する必要があります。

不登校でも高校や大学に進学できるの?

不登校でも、高校や大学に進学することは可能です。 近年では、不登校の生徒を受け入れる高校や大学も増えてきています。 また、高等学校卒業程度認定試験(旧大検)に合格すれば、高校を卒業したとみなされ、大学受験資格を得ることができます。 ただし、不登校の期間や状況によっては、進学に不利になる場合もあります。 進学を希望する場合は、早めに学校や専門機関に相談し、情報収集や準備を進めることが大切です。

不登校に関するよくある誤解

不登校は甘えではない

不登校は、決して甘えではありません。 子どもが学校に行けない背景には、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。 心身の不調、学校でのトラブル、家庭環境の問題など、子どもにとって深刻な悩みを抱えている場合があります。 不登校を甘えと決めつけることは、子どもの心をさらに傷つけ、状況を悪化させる可能性もあります。

不登校は親の育て方が悪かったから?

不登校は、親の育て方が悪いから起こるわけではありません。 もちろん、家庭環境が不登校に影響を与えることはありますが、それだけが原因ではありません。 不登校は、子ども自身の問題だけでなく、学校や社会など、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こるものです。 親を責めるのではなく、子どもと一緒に解決策を探ることが大切です。

不登校の子は将来どうなるの?

不登校の子どもが、将来どうなるかは、一概には言えません。 不登校を経験したからといって、必ずしも不幸になるわけではありません。 不登校をきっかけに、自分を見つめ直し、新たな道を見つける子どももいます。 大切なのは、不登校を乗り越える過程で、子どもが自己肯定感を持ち、自分の力で生きていく力を身につけることです。

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【不登校経験者アンケート】110名が答える不登校のリアル② 当時の自分に伝えたいこと

不登校のサインはどんなものがある?

不登校は、ある日突然始まるわけではありません。 多くの場合、子どもはSOSのサインを出しています。 例えば、以下のようなサインが見られたら、注意が必要です。

これらのサインを見逃さず、早めに対応することが、不登校の長期化を防ぐために重要です。

まとめ:不登校は誰にでも起こりうる

この記事では、不登校の定義について、文部科学省の見解や法律を交えながら詳しく解説しました。

不登校は決して特別なものではなく、誰にでも起こりうる問題です。 大切なのは、不登校の原因や種類、相談窓口、支援制度などを正しく理解し、適切な対応を取ることです。 この記事が、不登校に悩むお子さんや保護者の方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

まとめ
  • 不登校は、心理的・情緒的・身体的・社会的要因で年間30日以上欠席した場合を指す
  • 不登校と登校拒否は明確に区別されず、ほぼ同じ意味で使われることが多い
  • 不登校の原因は多岐にわたり、学校、家庭、個人など様々な要因が考えられる
  • 不登校にはいくつかの種類があり、その期間や理由によって異なる
  • 不登校は誰にでも起こりうる問題であり、早期の対応が重要
  • 不登校に関する相談窓口や支援制度は複数存在する
  • 不登校は甘えや親の育て方が悪いからではない
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