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この記事でわかること
子どもが、突然学校に行けなくなってしまって、ただ泣くだけで、なぜ学校に行きたくないのか教えてくれない。
いじめはないようだし、勉強もできているし、部活でも活躍していたのに、
なぜ突然学校に行けなくなってしまったのだろう。
このような悩みを持っているご家族は多くいらっしゃいます。
実は、明確な理由のない不登校も非常に多いのです。
明確な理由のない不登校は多い
いじめや先生とのトラブルなど明確な理由がなく、不登校になってしまう子どもがいます。
理由がわからなければ解決しようがない、どうすればいいかわからないなどの悩みを持つご家族は多いです。
本記事では、明確な理由のない不登校が本当に多いのか、「子どもの心理」「文部科学省の調査結果」「不登校経験者の意見」から考えてみましょう。
文部科学省の調査結果から
文部科学省が毎年公表している不登校に関する調査(令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について)によると、「無気力・不安」が49.7%を占めます。つまり、「なんとなく学校に行く気にならない」「なんとなく不安」という理由での不登校がほぼ半数なのです。
また、「家庭の要因」12.3%、「学校の要因」21.2%などがありますが、これらの場合も子どもが言いたがらない場合があります。
【関連記事】
要因は漠然とした不安や生活リズムの乱れ?文部科学省の調査から不登校の原因を心理師がくわしく解説
専門家の意見
「不登校には必ず理由がある」という考え方は一般的ですが、実際には、明確な原因がないことも多くを占めています。そのため、保護者や教員が原因を探ることは困難です。
【関連記事】
不登校の理由がわからないのは本当?専門家の意見を紹介
不登校の当事者(経験者)の意見
しかし、私たちは不登校には必ず原因があると考えます。「学校を休むということはとても大きなこと。それを選ぶということは、それ相応の理由があるはずだ」と思っている人も多いでしょう。本当に理由がないのでしょうか?
実際に不登校を経験者の意見を見てみましょう。
「わからなかったら『わからない』で大丈夫」
「自分でもわからないのに答えられないし。わからないものはわからない」
といった意見が見られます。
【詳細記事】
当サイトの独自調査から分析しました。
→ 不登校アンケート2023上期調査結果 経験者に聞く「不登校のきっかけ」そして「気づき」
不登校経験のある当事者の声は説得力があります。
→ 不登校の理由がわからないことが多い、聞き続けることがマイナスにも?経験者の意見から考える
本人にも理由がわからない場合がある。そして、本人に理由をしつこく聞く自体がストレスになることがわかります。家族としては本人を助けたいという思いで理由を聞き出そうとしますが、実は無理に聞き出そうとすることが本人をさらに苦しめてしまうのです。
理由を無理に聞き出す危険性
文部科学省のデータ、専門家の意見、当事者の意見から「不登校の理由がわからない場合もある」ことがわかりました。
理由がわからない場合があるとはいえ、保護者の皆さんとしては一刻も早く不登校の原因を探したくなりますよね。なかには、しつこく子どもに理由を問い詰めることもあるかもしれません。実は子どもに不登校の理由を強く聞き出そうとすること自体が新たな問題を生み出すことがあります。
外部の資料ですが、以下の動画も参考になります。
聞かれることがストレスになり、家族関係が悪化する
当事者の意見の中にもありましたが、理由を聞かれることがお子さんにとってストレスになることがあります。学校にいけないほどつらい状況のお子さんにとって、家族からしつこく理由を聞かれてさらにつらくなってしまいます。
子どもが自分の心を落ち着かせるために、理由を聞かれたくないからと家族を避けるようになります。そして、家族との関係も悪くなります。
不登校の原因がわからないことよりも、家族関係が悪くなることの方が不登校克服にマイナスになります。
そして、家族関係が良好であれば、お子さん本人が後から不登校のきっかけを話してくれることもあるのです。
【関連記事】
子どもに「学校に行きたくない」と言われたときの対応。正論と共感の使い分けが大切
事実ではないストーリーが出来上がることも
不登校になった子どもに、不登校になった理由を無理に聞き出そうとすると、その聞かれることが子どもにとってはストレスになります。
実は、理由を聞かれることがストレスになるだけではなく、事実とは異なるストーリーができてしまうことがあります。
事実とは異なるストーリーができてしまうと、担任や同級生からすれば「それは違う」となるので、解決するはずがありません。
こちらの記事で詳しく解説しています。
【不登校の理由がわからない】過剰な原因追及は危険 オウム返しと記憶の汚染から考える
聞き出すことよりも子どもを肯定することが重要
学校に行きたくない理由がわからない場合、聞き出すことよりも子どもを肯定することが重要です。これは、子どもたちが信頼できる大人に対して、自分の気持ちを打ち明けやすくするためです。子どもたちが自分自身を肯定されることで、自信を持つことができ、新たな一歩を踏み出しやすくなります。
確認した方が良い場合
学校に行きたくない理由を確認した方が良い場合もあります。以下の場合は、保護者や教育者が積極的に確認する必要があります。
本人が話したがっている場合
学校に行きたくない理由を話したがっている場合は、保護者や教育者が積極的に話を聞く必要があります。その上で、子どもたちの気持ちを受け止め、共感することが大切です。子どもが「話を聞いてほしい」と思っている時は、アドバイスを求めているとは限りません。「つらさを分かってほしい」「自分の思いをただ聞いてほしい」ということがあります。子どもが話を聞いてほしいと思っているのに、保護者がアドバイスをすると、子どもは話す気を失います。
保護者の皆さんも、例えば親戚や別の保護者に子どもの不登校を話したときに、アドバイスをされたらうんざりしませんか。もう、その人と話したくなくなり、顔も見たくなくなるでしょう。同じ思いを子どもにさせてはいけません。
子どもとの会話については、こちらの記事で解説しています。
【不登校】親子関係:会話がないので考えがわからない
明らかにいじめやハラスメントの被害を受けている
学校に行きたくない理由がわからない場合でも、明らかにいじめやハラスメントの被害を受けている場合は、保護者や教育者が早急に対処する必要があります。まずは、被害を受けたことを認め、子どもたちが安心して話をすることができるようにすることが大切です。
本人が話したがらない場合は、別の方法で被害を確認しましょう。
例えば、次のような方法が考えられます。
- 身体に不自然なアザやケガはないかを確認する
- 服や持ち物が傷つけられていたり、汚れていないかを確認する
- おこづかいが減っていたり、ゲームソフトなどが無くなっていないか確認する
- 子どもの友達や保護者から様子を聞く
- 担任など教員から様子を聞く
これらの方法でも、無視や仲間外れなど場合、確認できないこともあります。
しかし、言いたがらない子どもに厳しく追及するのは逆効果になることが多いです。
いじめやハラスメントを受けている可能性があり、本人が理由を言わず、確認もできない場合、無理に再登校を促さないことが重要です。
いじめやハラスメントがあるかもしれない学校に子どもを無理やり似通わせようとするのは大変危険です。
そっと確認作業を続けつつ、子どもが家にいることを否定せず、「言いたくなければ言わなくていいし、言いたくなったらいつでも言っていいよ」という雰囲気で接しましょう。
【関連記事】
担任との関係が悪く不登校になった場合の適切な対応は?カウンセラーが解説
無理に理由を聞き出さなくても大丈夫
不登校の理由がわからないということはあり得るのか。文部科学省のデータ、専門家の意見、当事者の意見などを元に検証しました。その結果、理由のわからない不登校というのはあり得ることがおわかりいただけたと思います。。
不登校になった理由がわからなければ、解決のしようがないのではないかと不安ですよね。d
確かに理由がわからなければ対応できないことも多いですが、理由がわからず急に不登校になった子どもは再び急に学校に行きだす、というケースが多いのです。
焦らせずに本人のタイミングを待ちましょう。理由がわからなくても大丈夫です。
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