この記事では、不登校と深く関連するパニック(パニック障害)について紹介します。
パニック障害とは何か、その症状、原因、対処法について説明します。

 パニック障害とは

パニック障害は、突然、激しい発作(パニック発作)が襲います。

貧血のようなフラフラした感じ、頭痛、吐き気、息ができない、心臓がバクバクする、汗が出るなどの症状があり、本人は心臓発作で死ぬのではないかと感じるほど苦しい症状です。

パニック障害でみられる変化や反応

  • 動悸がする、心拍数があがる
  • 汗が出る
  • 体が震える
  • 息切れがする、息苦しい
  • 窒息する感じがする
  • 胸が痛い、胸苦しさがある
  • 吐き気、おなかの苦しさ
  • めまい、ふらつき、気が遠くなる感じ
  • 現実でない感じ、自分が自分でない感じ
  • 自分がコントロールできない、変になるかもしれないことへの恐怖
  • 死ぬことへの恐怖
  • 感覚まひ、うずき
  • 冷たい感覚、あるいは熱い感覚がする

厚生労働省「こころもメンテしよう」より

救急車を呼ぶこともあります。

大抵の場合、発作は10分から1時間で治ります。
発作が起きると、次にいつあの苦しい発作が起きるのかという不安(予期不安)を感じます。
この予期不安によって、何度も発作を経験し、パニック障害になってしまうことがあります。

一人でいるととても不安なので、家族がそばにいないと外出できなくなったり、以前発作が起きた場所を避けたりするようになります。

バスや電車などの公共交通機関を利用できなくなり、登校できなくなる子どももいます。

教室などの密室空間、大勢集まる体育館など、逃げ場のない場所に行けなくなることもあります。
学校生活の中でパニック発作が起きた場合、引きこもりがちになり、そのまま不登校になることもあります。

パニック障害の原因と対処方法

パニック障害の原因ははっきりとは分かっていませんが、最近の研究によると、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れが原因のひとつとされています。
また、エナジードリンク、乳酸飲料、コーヒー、栄養ドリンクなどのカフェインを摂取すると、発作が起こりやすくなるという方もいます。
これらは体質に影響していると考えられています。

パニック発作中には、過呼吸という症状があります。
息を吸っても吸っても、全然息ができないため、非常に苦しくパニックになるのです。
過呼吸が起きた場合、ペーパーバック法(ビニール袋や紙袋の中で息をすること)が良いとされていましたが、今はあまり勧められていません。
二酸化炭素が増えてしまい、逆に危険な場合があるためです。

【参考記事】
ペーパーバック法のリスク(日本医師会)

過呼吸が起きた場合は、優しく寄り添って、落ち着いてゆっくりと息を吸うこと。
5秒間かけて息を吐くことを声掛けすると、過呼吸を落ち着かせることができます。

パニック障害は、発作が何度も起きると、行動できる範囲が狭くなってしまうため、なるべく早く治療することが大切です。
パニック障害と診断された場合、医師による薬物療法、認知行動療法、暴露療法などの治療法が主に用いられます。

 パニック障害を抱える子どもたちをサポートする方法

パニック発作は、経験したことがない人には分かりません。
本人は死ぬかもしれないと感じるほど苦しいのに、周りが「気持ちの問題だから」と片付けてしまうと、本人は誰も自分の辛さを理解してくれないと感じ、ますます症状が悪化することがあります。

パニック障害に似た症状を持つ心臓病、メニエール、バセドウ病、甲状腺機能亢進症などがあります。
不調の原因は素人では分からないため、病院に行って診断してもらうことで不調を治す第一歩を踏むことができます。

パニック障害へのカウンセリング

パニック障害はカウンセリングでも改善します。認知行動療法やブリーフセラピーが効果的です。

特にブリーフセラピーの場合は、1回~5回程度のカウンセリングでパニック症状が劇的に改善することがあります。

パニック障害に苦しむ子どもたちをサポートするために

パニック発作を経験している子どもたちは、その苦しみを理解してもらうことが非常に重要です。
これを理解するために、周りの人たちはパニック障害について正しい知識を持つことが必要です。
子どもたちは、自分が体験していることを説明することができないかもしれませんが、それでも、家族や周りの人たちが理解してサポートしてくれることで、大きな支援になることがあります。

パニック発作を経験した子どもたちは、次の発作がいつ訪れるかという不安を感じることがあります。
そのため、彼らが安心できる環境を整えることが重要です。

子どもたちは、小さなことでも大きな変化を感じやすく、その変化に適応することが難しい場合があります。
そのため、学校やその他の環境で、子どもたちが感じることができる変化を最小限に抑え、安定した環境を作ることが必要です。

 さいごに

子どもがパニック発作を起こすと、本人はもちろんご家族も驚いてしまいますよね。

生涯にわたってパニック発作が起こる人は9人に1人で、パニック障害になる人は20人に1人と言われています。

パニック障害は、決して珍しい病気ではありません。
自分たちだけで抱え込まないで、信頼できる友人や機関に相談することで、よい解決策を見つけられるかもしれません。
正しい情報を得ておくことで、パニック障害について慌てることなく、落ち着いて判断することができるかもしれません。

参考文献

http://sangyo.hokenshi.net/news/?p=4509 
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_02.html 
http://www.n-ushicli.com/mentalsupport/panic-disorder.html 
https://www.mentalclinic.com/disease/p584/

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