不登校の子を持つ親がつらい理由|精神的負担と家庭内の感情労働

お子さんが不登校になることで、家庭生活にはさまざまな影響が出てきます。

保護者は、子どもの不安やつらさを受け止めながら、

  • 学校との連絡
  • 家庭内の方針調整
  • 将来の不安への対応
  • 自分自身の気持ちの整理

など、多くのことを同時に抱えます。

当サイトでは、子どもの不登校を経験した保護者を対象に独自アンケートを実施し、
保護者の精神的・経済的時間的な負担感について調査を行いました。

この記事では、その中でも特に大きかった「精神的な負担」について見ていきます。

また、保護者が家庭の中で子どもや家族の感情を受け止め、自分の不安や焦りを抑えながら日々を支えている状態を、この記事では「家庭内の感情労働」という視点から整理します。

不登校のお子さんを持つ保護者の8割以上が、精神的な負担が「重くなった」と回答しています。
実際に、どのような負担が増えたのか、また負担が変わらない・軽くなったと考える人はどのような状況なのか、独自データから読み解きます。

この記事でお伝えしたいこと

吉田 克彦

吉田 克彦

公認心理師
不登校の家族支援25年超

不登校の子を支える保護者さんは、将来への不安、お子さんへの心配、学校とのやり取り、家族内の意見の相違など、多くを同時に抱えています。
自分の焦りや怒りを抑え、お子さんを責めないように言葉を選び続けることがあります。
このような見えにくい精神的負担は、家庭内の感情労働といえます。

この記事は私たちが執筆監修を行っています

執筆・編集責任:吉田克彦(合同会社ぜんと代表 公認心理師、精神保健福祉士)

・家族支援25年以上、3000家庭以上の支援実績
・スクールカウンセラー歴20年以上。小学校、中学校、高校(全日制、定時制、通信制)全ての校種で勤務経験あり。
→詳しいプロフィールはこちら

医学監修:友常祐介(社会医学・産業衛生指導医、労働衛生コンサルタント、医学博士)

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目次

不登校の子を持つ保護者の85.8%が精神的負担を感じている

「とても重くなった」「重くなった」が85.8%を占めています。
今回のアンケートでは「精神的負担」だけでなく「時間的負担」「経済的負担」についても聞きました。
その3つの中で一番負担を感じているのが精神的な負担でした。

保護者の精神的負担が重くなる理由

今回の質問では、負担感を5段階で聞くだけでなく、「どうしてそう思うのか」理由も伺いました。
ここからは、それぞれの段階ごとに回答内容を見てみましょう。

なお、「とても軽くなった」は0%だったため、記載しておりません。

精神的負担が「とても重くなった」

自由記述を似ているものと異なるもの、10個に分類をしました。その結果が以下の表になります。

ピンク色は保護者の問題。緑色は保護者と子どもの関係に関する問題になっています。件数が多いほど文字サイズを大きくしています(ちなみに配置は特にこだわりはありません)。

精神的負担が「とても重くなった」と答えた方の自由記述の分析結果

この自由記述の結果からみると、「どうすればいいのかわからない」「理由がわからない」「将来への不安」といった対応の難しさが語られています。他にも不登校になりずっと家で過ごすことを息苦しく感じたり、学校との連絡や相談機関や病院に連れていく対応が負担になっているようです。

他にも、家族のプレッシャーや他の家庭と比較をしてしまうことで落ち込む、また子どもが悩んでいることを自分事のように考えてしまい辛くなっている場合が多いようです。実際に保護者がメンタル不調になってしまったという回答もありました。

次の「重くなった」のところで詳しく触れますが、「一緒に過ごす息苦しさ」が大きいことに私は注目します。回答内容としては、子どもが家にいることがストレスになっていることがわかります。保護者からは積極的に動かず、口出ししないことで子どもは安定するかもしれませんが、保護者の負担は重くなります。

詳細は以下の通りです。

【どうすればいいかわからない】

  • どうしたら子どものメンタルをケアできるかかわからなかった
  • どうやったら学校に行かせられるか悩んだ
  • どうしたらコミュニケーションが取れるのか毎日寝れなかった
  • どうして良いか分からず、憂鬱になった
  • 自分の子どもが学校に行けないということに、親自身が負い目を感じてしまった。どのくらい本人に頑張らせればいいのか、判断が難しく、悩む日々が続いたから。
  • 子どもに対してどう接したらいいかわからないから
  • どうしたらいいか分からず悩んで、どれだけ考えても行動しても改善されなくて苦しかったから。

【将来への不安】

  • また今日も行かないのかと思うと辛いです。先が見えないので余計につらく、こちらが心の病気になりそうでした。
  • 将来が心配になった。
  • 子どもの将来と妻の心労がとても見ていてつらく気が重かったです。
  • 友達を作るのに大切な機会を失っていて、我が子が孤立しないか不安だから
  • 将来のことを考えるととても辛かった
  • このまま行かなくなったらと考えたらどうして良いかわからなくなった。

【一緒に過ごす息苦しさ】

  • 毎日家にいられるとストレスがかかった為
  • 家にいるってゆう負担、気を使う。
  • 小1から 「不審者が怖い」と 送り迎え。私の時間は まるでなくなってしまいました。
  • 朝から頭痛・腹痛・微熱と学校に行きたくないからか 体調の悪い子どもの看病・病院のつきそい教育相談。小学校・中学校は先生やカウンセラーに相談できたり話しを聞いてもらえてよかったのですが高校生になってからは なかなかいい相談場所相手がいなくて本当に苦しかったです
  • 1日家にいて、ふらっと外にでるので気が気ではなかったです。

【保護者自身のメンタル不調】

  • 私がうつ病になってしまった。
  • 毎日不安や孤立感など精神的にまいってしまっている
  • 心配になるので。いつもドヨーンとした気持ちがある
  • 自分の事よりも心が傷ついた
  • 毎日家を出る前に怖気づくというやりとりを延々繰り返すため、気が病みました。

【子どもへの感情移入】

  • やはり、子どもの元気がないと親も感情移入してしまいかなり精神的にはやられました
  • 息子がつらいと自分もつらいから
  • 学校に行かずに苦しむ子どもの姿を見てこちらもつらかった。

【学校などへの対応に追われる】

  • 常に子どものことを考えていて、学校との連絡も頻繁だったのでとにかく落ち着かない日々が続いた。
  • 学校と子どもの間に入って、様々な調整をしなければいけなかったり(個別で登校する際の時間の調整など)、不登校と言っても学校のルール上、毎日の欠席連絡は必須だったので、それも負担が大きかったし、学校側との面談の回数も多く、場合によっては管理職の先生も交えて話すことも多かったので、とても精神的な負担が重い日々でした。
  • 何度も先生と話し合い、子どもとも話し合いでとても精神的に参ってしまった。何年も悩み続けたが結局は子どもがやる気がなくて、諦めてしまった。

【理由がわからない】

  • どうして、行きたくないのかはなしてくれなかった
  • どうしてなったのだろうと夜も眠れないぐらい辛い
  • 原因が解らず、本人もどうにかしたいと思っているので、毎日心配しているから。

【いろいろな思いの積み重ね】

  • 不登校になり始めた当初は、子ども自身の気持ちがわからず(本人も話したがらない為)どう接すれば良いのか・どうして学校に行かないのか・いつ学校へ行くのだろうか・他の人たちからどう思われているのか・何かありもしない事を言われているのではないかなどなど考え、精神的にまいってしまいました。
  • 親子の関係性が悪くなり、どうにかまた笑顔を向け合い一緒に日々過ごしたいけど、もしその日々を取り戻せなかったら、もし子どもの将来が暗いものになってしまったら、など、とにかく悩み続け眠れなくなり、目の前に道が無く崖の上に立っている気持ちで、すごく苦しかったです。
  • 親としては学校に通わせる義務があるし、お友達ともいろんな差ができてしまうのではと気が気じゃなかった

【周囲が気になる】

  • 周りの子どもは楽しそうに登園しているから
  • みんなは普通に学校に行っているのに、どうして我が子は行けなくなったのか?何が悪かったのかと、みんなを見てずっと思っていた。
  • 気にしてしまっている

【家族の目】

  • 義理の母と同居の為「行かせないと」と毎日愚痴を言われるからです

当サイト実施:2023年6月実施「子どもの不登校を経験した保護者へのアンケート」より

「どうすればいいのかわからない」「理由がわからない」「将来への不安」という部分については、誰か相談相手を見つけることも含めて、事前準備が大事だと思います。

理由がわからない不登校」と言うのは非常に多いので、理由を探し続けることは無意味な場合も多くあります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
不登校「理由がわからない」のはなぜ?子どもの心理と対応策を徹底解説

精神的負担が「重くなった」

次は「重くなった」と回答された方の理由を見ていきましょう。

精神的負担が「重くなった」と答えた方の自由記述のテキストマイニング結果

この図のフォントは回答の数に比例して大きくなっています。
「将来への不安」が大きいのが理解できると思います。

「親子のコミュニケーション」も多いことがわかります。
こちらは先ほどの「とても重くなった」ではなかった項目です。
親子のコミュニケーションを増やすことは、保護者の精神的な負担を和らげてくれます。

同じく「とても重くなった」にはなかった項目として、「子どものことを考えることが増えた」があります。
子どものことを考えるから不安が減って「精神的負担がかなり重くなった」まではいかないのか。
それとも、精神的負担が重すぎないから、子どものことを考える余裕があるのか。
どちらの可能性もあると考えます。

さらに、「とても重くなった」にはなかった項目として、「勉強について」「友人関係について」が入りました。

【将来への不安】

  • 将来の不安があった。
  • このままだったらどうしようと悩むことが増えたので。
  • 仕事に行く間どうしているか学力が遅れる将来どうなるか等不安が多い
  • 子どもの将来が見えなかったから
  • 当時は先が見えなかったので毎日不安でした。
  • きちんと卒業できるのか気がかりでした。
  • 今後どうなるんだろうという不安から
  • このまま学校に行かず卒業できないのではないかという不安が大きかった。
  • このままずっと不登校だったらどうしようととても不安でした。
  • いつまで学校に行けないのか心配
  • いろいろ将来のことを考えて気持ちは重たくなりました。
  • 突然、「お母さんと離れたくない」と学校に行けなくなり、私も仕事を休んで対応しており、子どもも泣いてばかりで、ずっとこのままなんだろうか…と、不安になりました。
  • 子どもの将来が不安
  • 子どもが学校に戻れるのだろうかととても心配になりました
  • 自分に非があったのかなと責めてしまうのと、いつまでこの状態が続くのかの先が見えない感じに悩まされました。

【親子のコミュニケーション】

  • 子どもとの会話が少なくなった為。
  • 家庭でのやりとりではなかなか子どもに変化をもたらせないことが自身のストレスとなります。
  • 登校を巡り何度も子どもと口喧嘩となったため
  • 自分も昔学校に行きたくない時期があって頑張って行ったりしたものだが、自分の子どもはそれが出来なかったので、イライラした。
  • 悩みがあるのは知っていたのに、親としてうまく対策出来なくて、申し訳なく思ったからです。
  • 子どもの健全な発達に必要なことの大部分を、家庭で背負っている感じがするため。
  • 子どもの気持ちを汲み上げるのが大変で、精神的に負担を感じました。
  • なぜ行きたくないのか子どもとの話し合いなどで精神的に悩みます

【保護者自身のメンタル不調】

  • 子どもの事が心配になり過ぎて精神的に病んでいた事がありました。
  • 私の育て方に問題があったのかと悩んだり、引っ越しをしてこなければ良かったと自分を責めました。
  • 色々と考えてしまい疲れた。
  • 毎日心配でストレスが溜まり何も手につかなくなりました。
  • やはり一人の時間もなくなり、考え込んでしまうときがある
  • 子どもへの心配事によりストレスが溜まった

【子どもの苦しみがわかるから】

  • 行きたくないという子どもが、学校で嫌なことをされているのか、心配だったから。
  • 子どもがずっと暗い顔をしているので精神的に辛かったです
  • 子どもが辛いと親も同じ様に辛かった
  • 学校へ行くと、友だちに言い返したり思ったことを言えなくすごくストレスだと、疲れたと言われ、自分にもおもいあたることがあったのでその気持ちがすごくわかりとても辛かったです。
  • 自分自身も不登校を経験しているので気持ちが分かるため
  • 学校に行かせることが正解ではないとわかっていても、子が学校に行けずに苦しんでいる姿を見るのが辛かった。

【子どものことを考える時間が増えた】

  • 考え事が増えたので重くなりました
  • 子どものことを気にかける時間が増えたからです。
  • 心配が増えてしまったから
  • いつも心配しているので
  • 心配で仕事に集中ができない日もあった

【理由がわからない】

  • どうして学校に行かなくなったか考えたり将来的な事で負担になった。
  • 最初は何が原因で不登校になったのかがわからなかったため
  • 理由を聞けるまで時間を要したので、心配でした。
  • なぜ我が子が不登校になってしまったのか理由がわからず、この謎を解明するために精神的なストレスを抱くようになったからです。

【いろいろな思いの積み重ね】

  • 布団から起き上がらず泣いているのを見るのが辛かった。学習が遅れることと高校受験に出席日数や内申点が影響するので不安だった。
  • 学校に行けない不安、私が原因を突き止めるため動く度、精神的に追い込まれるし…(急に涙が出てきたり、どうきが出たり)精神的に負担は大きいです
  • 中学校進学の節目で転校する事を早々に決めていたし、行きたくない子を無理矢理行かせる気は無かったので他の人に比べて精神的負担は少なかったが、不登校と言う事実は精神的におもくのしかかっているのでふと考える時に落ち込みます
  • 子どもの精神面がとても心配だったからです。また学校に行こうと思ってくれるか、子どもがまた嫌な思いをしないか、心配でした。子どもの精神面のケアと学力面のサポートや不安で辛かったです。

【周囲が気になる】

  • 子どもが3人いるが2人不登校になってしまい、周りの目が気になったり勉強面が心配になった。
  • もちろん心配するし、周りの人との板挟みになることも多いので。
  • やはり、みんなが学校に行っているのにという漠然とした不安はありました。

【一緒に過ごす息苦しさ】

  • 常に子どもと接して気が休まらないから
  • このままずっと学校に行かないのかという心配や、不登校になった理由が解決するのかという不安があった

【どうすればいいかわからない】

  • どうしていいか分からなかった
  • どうしたらよいのか、悩みました。

【勉強について】

  • 勉強が遅れるなど、心配だったから。

【友人関係について】

  • 友達関係に疑問を感じたからです。

当サイト実施:2023年6月実施「子どもの不登校を経験した保護者へのアンケート」より

精神的負担が「変わらない」

精神的負担が変わらないと答えた方は、14件(全体の12.4%)でした。

さらに細かく分類するのは難しいですが、全体を見ていただくと、「自分が不登校だった」「子どもの気持ちを尊重している」「覚悟を決めた」といった意見が目立ちます。保護者側が「将来への不安」や「不登校の理由探し」をしていると、精神的負担が大きくなりました。一方で、子どもの気持ちを尊重したり、覚悟を決めることで、迷いがなくなり精神的負担が重くならないようです。

  • 私も幼稚園のときに不登校だったので
  • 説得しても行かないことは分かっているので悩むことが無くなった
  • 子どもの立場を考えていたので精神的負担とは思わなかったです。
  • 子どもを守り支えるのが親の使命だと思ってるので負担とは精神的負担なんて思いません
  • 子どもの気持ちを尊重しているので、変わりません。
  • 自分には負荷がないから
  • 不登校になった理由が私にも理解できる内容だったのと、その後登校できるようになったため。
  • 重くなったと言えないが、どうしたらいいのかわからなかった
  • 仕事を辞めたので、家でのんびりするのも楽しかった。
  • 子どもの気持ちを理解できたから
  • 子どもが不登校になっても辛いなどの気持ちは全くなかったです。
  • 負担は感じませんでした。
  • 原因がはっきりと分かっていたから
  • 長い目で見ていこうと、最初の段階で覚悟が決まっていたから。

当サイト実施:2023年6月実施「子どもの不登校を経験した保護者へのアンケート」より

「重くなったと言えないが、どうしたらいいのかわからなかった」という意見もあるように、「どうしたらいいのかわからない」という思いが強くなれば、精神的負担が重くなっていくのでしょう。

精神的負担が「軽くなった」

2件の回答がありました(全体の1.8%)。

  • 子どもとの趣味などが共通していたりするので家族時間が増えて逆に負担は減りました。
  • 辛い思いをさせていたことが、
当サイト実施:2023年6月実施「子どもの不登校を経験した保護者へのアンケート」より

どちらも無理に学校に行かせていたことの方が負担だった。だから、きちんと休ませて、子どもに辛い思いが解消した、家族の時間が増える、などのプラスの効果があったと考えられます。

「学校に行ってもらいたい」「不登校になってもらいたくない」と思う保護者も多いでしょう。
無理をして登校していたところから、学校を休むようになって、むしろ改善する場合もあります。

不登校家庭で起きる「家庭内の感情労働」

ここまで見てきたように、不登校の子どもを持つ保護者の精神的負担は、単に「子どもが学校に行かないことが心配」というだけではありません。

保護者は、子どもの不安や怒り、落ち込みを受け止めながら、学校との連絡を続け、家族や周囲の反応にも気を配り、自分自身の不安や焦りを子どもにぶつけないようにしています。

このように、家庭の中で家族の感情を支え、自分の感情を調整し続ける負担は、「家庭内の感情労働」として理解することができます。

感情労働という言葉は、もともとは仕事の中で自分の感情を調整し、相手にふさわしい感情表現をすることを指す概念です。

ただ、不登校の家庭でも、それに近いことは起きています。

保護者は仕事としてではなく、親として、子どもや家族の感情を受け止め続けています。
だからこそ、その負担は見えにくく、「親だから当然」と片づけられやすいのです。

子どもの不安や怒りを受け止める

不登校の子どもは、自分でも理由をうまく説明できなかったり、不安や怒りを家の中で表現したりすることがあります。

そのとき保護者は、本当は心配でいっぱいでも、子どもを責めないように言葉を選び、落ち着いて関わろうとします。

これは、ただ優しくしているだけではありません。
自分の感情を調整しながら、子どもの感情を受け止める働きです。

理由を問い詰めたい気持ちを抑える

「なぜ学校に行けないのか」「何があったのか」と聞きたくなるのは自然なことです。

しかし、子どもを追い詰めないために、保護者は聞き方やタイミングを考えます。
本当は焦っていても、子どもの前では焦りを見せないようにすることもあります。

この「聞きたいけれど、問い詰めないようにする」という内側の調整も、保護者にとっては大きな負担です。

学校との間に入って調整する

不登校になると、欠席連絡、担任とのやり取り、面談、相談機関や医療機関との連携など、保護者が担う調整が増えます。

子どもの状態を学校に説明し、学校側の意向を子どもに伝え、必要に応じて両者の間に立つこともあります。

この調整は、事務的な作業だけではありません。
学校の反応に気を使い、子どもが傷つかないように言葉を選び、自分の不安も抱えながら対応する、感情的な負担を伴うものです。

家族や周囲の反応を受け止める

配偶者、祖父母、親族、近所の人などから、「このままで大丈夫なのか」「甘やかしているのではないか」と言われることもあります。

そのたびに保護者は、子どもを守りながら、周囲の不安や批判にも対応しなければならないことがあります。

子どもと周囲の間に立ち、家庭内の空気を保とうとすることも、見えにくい感情労働です。

自分の不安や焦りを後回しにする

保護者自身も、不安、焦り、怒り、悲しさ、孤独感を抱えています。

それでも、子どもの前では「大丈夫」と言ったり、家庭の中では落ち着いた態度を保とうとしたりします。

しかし、自分の気持ちを後回しにする状態が続くと、保護者自身の心が疲れていきます。

親がつらくなるのは、弱いからではありません。
子どもを支えるために、自分の感情を調整し続けているからです。

全体を通して:子どもを支えるためにも、親の心を守る

子どもの不登校を経験した保護者への「精神的負担」に関するアンケート結果を見てきました。

精神的負担が重くなった理由として、

「どう対応すればよいかわからない」
「将来が不安」
「理由がわからない」
「学校などへの対応に追われる」
「保護者自身のメンタルが不調になる」
「子どもの苦しみに感情移入してしまう」

・・・などが挙げられていました。

これらは、単なる心配ごとではありません。

保護者が子どもの感情を受け止め、学校や家族との間に立ち、自分の不安や焦りを調整しながら家庭を支えている状態です。
つまり、不登校の家庭では、保護者が見えにくい「家庭内の感情労働」を担っていることがあります。

もちろん、すべての保護者が同じように負担を感じるわけではありません。
アンケートの中には、子どもの気持ちを尊重することで迷いが少なくなった方や、家族時間が増えたと感じた方もいました。

ただ、もし今、子どもの不登校を支える中で、眠れない、涙が出る、学校からの連絡が怖い、子どもに強く言ってしまう、仕事や生活に支障が出ていると感じているなら、保護者自身にも支援が必要です。

子どもを支えるためにも、親の心を守ることは大切です。

「子どものために相談する」だけでなく、「保護者自身のつらさを整理するために相談する」ことも、必要な選択肢の一つです。

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不登校、親子関係、子どもの特性、学校との関わり方など、一人で抱え込みやすい悩みを整理します。

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