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うちの子が不登校になって、「自分の育て方が悪かったのかな」などと考えてしまう。
家族関係が不登校に影響するのかな

「子どもが不登校になるのは親が甘やかしているからだ」といわれて傷ついたことがある。
一体どうやって子どもと接するのが正解なのか教えてほしい。

お子さんが不登校になるとご自身のこれまでの育て方を後悔したり、他の人から「親が悪い」と受け取れるような失礼な言葉を言われることがあります。

後ろを向いて、これまでの育て方の問題点を探すよりも、これからできることを考えましょう。

この記事では、不登校と家庭環境の関係について解説します。
不登校の原因には、さまざまありますので、当然家庭環境も影響します。それは、お子さんと一番そばにいるのがご家族ですから、良くも悪くもお子さんへの刺激になっています。
家庭環境の改善方法や子どもへの適切な対応、保護者ができる対策も紹介しています。家族カウンセリングのプロによる解説で、この記事を参考に今日から家族関係の改善をはかりましょう。

この記事を書いた人

不登校なんでも相談室管理人の似顔絵

吉田 克彦(公認心理師・精神保健福祉士)

スクールカウンセリング歴25年超、小学校・中学校・高校(全日制・定時制・通信制)でのスクールカウンセラーとしての活動経験あり。東日本大震災の被災地心理支援、業界最大手の化学製品会社の常勤カウンセラーなどを経て、現在は合同会社ぜんと代表。
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不登校への家庭の影響はそれほど大きくない

文部科学省の資料によると、不登校状態になった理由として「家庭に係る状況」つまり家庭問題については12.3%が当てはまります。つまり不登校の中の8人に1人が家庭問題が理由ということです。それほど、多くはありません。学校よりも少ないように見えます。

ただ、気をつけなければならないことは「家庭に係る状況」以外の不登校でも家庭の影響を受けていることがあるのです。

例えば、先ほどのデータで理由として一番大きい割合を占める「無気力・不安」について、子どもを無気力や不安にさせているのは接し方かもしれません。
「生活リズムの乱れ・非行・あそび」についても、生活リズムが整わない、非行やいけない遊びにのめりこんでしまう場合も、家庭の影響がゼロとは言えないでしょう。

家庭だけの問題ではありません。また「家庭にはまったく問題がない」とも言い切れる場合も多くはありません。
学校や友人関係といった、他の要因と同じように冷静に見る必要があります。

子どもへの負担になりやすい家庭環境とは?

お子さんの不登校に悩むご家族の相談を20年以上行っています。
さまざまなご家庭があり、それぞれの事情がある中で、「ここが大事だなぁ」と思うことがあります。代表的なタイプを紹介します。

ただし、ここで紹介するのはあくまで「こういうタイプが多いなぁ」という意見です。ここに当てはまっていても不登校にならないお子さんもいますし、どれにも該当しなくてもお子さんが不登校になる場合もあります。それだけ、家庭環境以外の要因が大きいのです。

家庭内の会話が少ない

親子間の関係が表面的でコミュニケーションが不足している家庭では、不登校になりやすい傾向にあります。子どもが自分の感情や悩みを家族と共有できず、孤独感を深め、1人で問題を抱えてしまうからです。

例えば、友人関係のトラブルや担任との相性の悪さ、勉強のつまづきなど、キズが浅いうちであれば簡単なアドバイスでうまくいくことが多いでしょう。しかし、家族に打ち明けることができず一人で抱えてしまうと、問題が長引き・深刻化してしまいます。気づいた時には、かなり深刻な状況になっているご家庭があります。

親からすれば「こんなことならもっと早く教えてよ」と思うことも、子どもからすると気軽に相談できない雰囲気になっているのかもしれません。

改善策

日常的な雑談を増やしていきましょう。何気ない会話をすることで親子関係を深めることが大事です。

過干渉、過保護、攻撃的な態度の影響

コミュニケーションが不足しているのとは反対に、過度のコミュニケーションも問題です。過干渉や過保護、さらには攻撃的な態度を取る保護者などがあていハマり案す。

親が何にでも首を突っ込むことで、子ども自身が自己決定能力を身につけることができません。
その結果、学校で何かトラブルがあったり問題が発生した場合に、自分で解決することができず、学校に行けなくなってしまうのです。

改善策

子どもが自らの意思で考えて問題を解決する機会を作るといいでしょう。たとえ、思い通りに行かなくても、失敗から学ぶことの大切さを認識させることが重要です。また、親が子どもに対してダメ出しではなく、ポジティブな声掛けを行うことで自尊心を育むことができます。

家庭内の環境変化

転勤、離婚、新たな家族構成の誕生など、子どもの生活環境に大きな変動が生じると、家族関係が大きく変化します。その結果として不登校になることがあります。家庭環境の変化によって気分が不安定になり子どもの心理的な安全感を脅かし、学校に行くことへの不安を高めることがあるからです。大人の場合は「適応障害」とよばれる状況です。新しい環境への適応がうまくいかないのです。こ

転勤や離婚などに伴い引っ越すことで、転校することがあります。その結果、新しい学校にうまくなじむことができず不登校になる子もいます。反対に、新しい環境でのびのびと生活できる子どももいます。

改善策

親が子どもと積極的にコミュニケーションを取ることが大事です。家庭内に変化が生じるのは仕方がありません。その時に、子どもに説明もなく突然大きな変化が起きたり、ウソをついてごまかすと、子どもはショックを受けるだけでなく親を信用できなくなります。お子さんの年齢や理解力に合わせて丁寧に説明をして、変化を一緒に乗り越える姿勢を見せることが大切です。

機能不全家族

家族内の役割が不明確であったり、家族同士が不仲でケンカや争いが絶えない場合も要注意です。家族としてのだんらんやコミュニケーションがない状態です。そのままでは、子どもが学校で何か問題があった時にも、家族に相談することができず一人で抱え込むことになり、解決できないまま不登校になることがあります。

改善策

家族療法などの専門的な介入が有効な場合があります。専門家によるカウンセリングを通じて、家族間の問題を明らかにし、解決策を模索することが推奨されます。

不登校になりやすいタイプの親の特徴

子どもが不登校になるのはさまざまな理由があります。決して家族の問題だけではありません。しかし、次のような保護者に育てられたお子さんは不登校になりやすい傾向があります。

管理型の親

子どもの行動や学習を厳しく監視し、細かく管理しようとする親のことです。このタイプは非常にまじめで優秀な親の場合が多いです。親がきっちりしているため「できて当然」「簡単にやれるはず」と子どもにもそれを期待しすぎてしまいます。その結果、親がスケジュールを決めたり、子どもが予定と違うことをすると怒ってしまいます。
このような親の場合、子どもが新しいことを試すことができません。常に親の顔色をうかがう状態になります。そのため子どもは自立の機会がなく、過度のプレッシャーを受け続けてしまいます。親に管理されて自分の好きなことができないため、学校に行くことも楽しくなくなります。その結果、管理する親への反発として、学校に行かなくなってしまうのです。あるいは、親に管理してもらわないと何もできなくなり、家から出て親の目の届かない学校には行けなくなってしまうのです。

期待値の高い親

子どもに対して過剰な期待を持つ親のことです。親の期待に応えられない場合、子どもはストレスや劣等感を感じやすくなります。できない時には厳しくしかられ、上手にできても褒められずさらに高いレベルの結果を求められます。このような環境下では、子どもは学校への意欲を失い、不登校に陥りやすくなります。親は子どもの能力やペースを尊重し、無理のない目標設定を心がけることが大切です。

子どものことを理解しようとしない親

子どもの感情や考えを理解しようとしない親は、子どもとのコミュニケーションが不足しがちです。子どもが抱える悩みや不安を共有できず、解決への糸口を見つけにくくなります。親が子どもの話を真摯に聞き、共感を示すことで、信頼関係を築き、不登校の問題解決へと繋がります。

不登校対応で保護者にありがちな失敗

子どもが不登校になった時の保護者の対応で、さらに状況を悪くしてしまうことがあります。ここでは代表的な3つについて、紹介します。

子どもを攻撃的に非難する

子どもを攻撃的に非難することは、子どもの自尊心を傷つけ、学校への復帰をさらに難しくします。子どもにダメ出しばかりしたり、学校に行かせるために強くなるようにと厳しく接すると、子どもは誰にも相談ができなくなってしまいます。子どもが弱音を吐いてきたら、じっくりと話を聞いてあげましょう。そして、子どもの感情を尊重し、サポートする姿勢が必要です。

学校や社会の責任を追及ばかりで、自分の態度を変えない

何かトラブルが起きた場合に学校や社会に対して不満を持つのは当然です。しかし、それだけに焦点を当てて相手を非難するだけでは問題解決には繋がりません。保護者自身も何か工夫できることがないかを考え、場合によっては自らが態度を変えることで、状況が改善することがあります。「損して得とれ」ではありませんが子どもと共に解決策を探る姿勢が大切です。

学校への対応については、こちらの記事で解説をしていますになります。
担任との関係が悪く不登校になった場合の適切な対応は?

我が子の不登校を隠そうとする

不登校を隠そうとすることは、問題解決を遠ざけます。また、子どもにとっても「学校に行かないことは恥ずかしいことなんだ」「自分はダメなんだ」と思わせてしまいさらに自信を無くし外に出ていけなくなってしまいます。わざわざ、言いふらすことはありませんが、必要ならば専門家の支援を求めることが、子どものためになります。

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投稿者プロフィール

吉田 克彦
吉田 克彦公認心理師・精神保健福祉士
不登校・引きこもりの家族相談を行って20年超。
スクールカウンセリングから、東日本大震災の被災地心理支援、企業内カウンセラーなどを経て、現在は合同会社ぜんと の代表。