不登校のお子さんにとって、最適な学習方法は、オンライン教材を使った家庭学習です。

外出しなくてよい、時間の縛りがなくいつでもできるというオンラインの良さだけではありません。

  • 勉強のわからない部分からやり直せる
  • 出席扱いになることもある
  • 解説動画やメッセージでのサポートがある

など、様々なメリットがあります。

オンライン教材にはいろいろな工夫が施してあり、お子さんの学習意欲や自己肯定感を高め、自信を持って学べます。

また、保護者さんもお子さんの学習状況を把握しやすくなり、適切なサポートを提供することができます。

オンライン教材を使った家庭学習は、場所や時間に制約がないため、子どもの自由な移動や環境の変化にも柔軟に対応できます。

さらに、費用も比較的安く、経済的な負担を軽減することができます。

忙しい保護者さんにとっても便利な学習方法です。

まずは、自宅での独学や塾と比較しながらオンライン教材の優れたメリットを11個ご紹介します。

後半では、20年以上のスクールカウンセラーの中で多くのオンライン教材に関する相談を受けた経験を踏まえて、家庭でオンライン学習を取り入れる上でのポイントについて紹介します。

自学自習や通塾とオンライン教材の違い

学校や適応指導教室などに通わずに勉強する場合、自宅での自学自習・塾に通う、オンライン教材の利用があります。

その中で、私たちが考えるオンライン教材の11個のメリットを紹介します。

家での独学よりもオンライン教材の方がおススメの理由

自宅で自習をする場合、学校のプリントを利用したり、新たにドリルや問題集を購入することが一般的です。

勉強がわかるうちはドリルを解くのは楽しいですが、わからない問題になった時に難しくなります。

保護者さんがそばについて勉強を教えることもできます。

お仕事や家事、介護などで忙しい場合もあるでしょうし、上手に教えられないこともあるでしょう。

そもそも、お子さんが保護者さんから教わることを拒否するかもしれません。

そうなると家庭学習は難しくなり、勉強をせずゴロゴロ過ごすという生活が続いてしまいます。

オンライン教材の場合は、勉強が続けやすいように以下のような工夫がされています。

【メリット1】勉強のわからなくなった部分から始められる(無学年式)

オンライン教材では、子どもが勉強のわからなくなった部分からやり直すことができます。
自分のペースで学習することができるため、理解が不十分な箇所を徹底的に補強できます。

【メリット2】学習状況を確認できる

オンライン教材では、学習状況を確認することができます。
子どもの進捗状況や理解度を把握し、必要なサポートや補強を行うことができます。

【メリット3】出席扱いになることもある

一部のオンライン教材は出席扱いになる場合があります。
これにより、学習状況を把握することができるだけでなく、学校との連携もスムーズに進めることができます。

【メリット4】わからないところは解説動画やメッセージでのサポートがある

オンライン教材には解説動画やメッセージを通じたサポートが用意されています。
子どもがわからない箇所について、専門的な解説や個別のサポートを受けることができるので安心です。

【メリット5】やる気を維持するための工夫がされている

オンライン教材は、子どものやる気を維持するための工夫がされています。
ゲーム感覚の学習や報酬システムなどを導入しており、楽しみながら学ぶことができます。

塾よりもオンライン学習の方がおススメの理由

「子どもが『塾に通いたい』というから契約したのに結局一度も通っていない」という話を耳にすることがあります。
もちろん、お子さんが塾に通いたいという思いは本当なのでしょうが、家を出て塾に行き勉強をするというのはハードルが高いものです。

その点、オンライン教材の場合は、家で好きな時間にできます。
また、塾は毎日通うとなると金額も高くなりますが、オンライン教材の場合は家で毎日コツコツできるのも良いところです。

より詳しく塾と比べたオンライン学習のメリットを見ていきましょう。

【メリット6】家から出なくてよい(送迎も不要)

オンライン教材を使った家庭学習では、お子さんは自宅から学習することができます。

家から塾に通うというと、行き帰りの途中で苦手な人に合うかもしれませんし、家を出ること自体が難しい場合もあるでしょう。
保護者にとっても、送り迎えの手間や時間を省くことができます。

【メリット7】時間の制約がない(生活リズムが崩れていても大丈夫)

オンライン教材では、学習時間に制約がありません。
子どもが昼夜逆転している場合でも学習が可能です。

自分の体調や生活リズムに合わせて学習することができます。
フリースクールや塾・家庭教師の場合は、営業時間に合わせて行動しなければいけません。
しかし、オンライン教材はお子さんが好きな時間に好きなだけできます。

例えば、すららの場合は、海外在住の日本人にも利用されています。
そのため、時差があっても大丈夫。
昼夜逆転の生活などで、塾や家庭教師が対応可能な時間帯以外でも、いつでも勉強できます。

【メリット8】場所の制約がない(自宅以外でもできる)

オンライン教材を使った家庭学習は、場所の制約もありません。
自宅でなくてもWifi環境があれば可能です。

例えば、気分転換のために地元を離れて祖父母や親せき宅に行く場合もあるでしょう。
また、フリースクールや旅行先など、どこにいても学習ができます。
子どもの自由な移動や環境の変化に柔軟に対応できます。

【メリット9】他の人の目が気にならない

不登校のお子さんの中には人の目を極度に気にする場合があります。
特に、友人関係のトラブルやいじめなどが背景にある場合、トラブルの相手を会いたくないから学校に行かないことがあります。
そのため、当然ながら通う塾に同級生がいたり、行き帰りに誰かに見られることを避けます。

その結果、「△△さんに会いたくないから」などの理由で塾選びが難しくなったり、順調に通っていたけれど、後から同級生が入塾したのでそれ以来行けなくなるということがあります。

オンラインの家庭学習であれば、苦手な子と一緒に勉強する心配はありませんし、家を出ないので行き帰りに誰かの視線が気になることもありません。

【メリット10】手軽に始めやすく止めやすい

オンライン教材は、始めるのが簡単で辞めるのも容易です。
特に不登校の子どもにとって、教室や学校に通うことに比べてハードルが低く、継続しやすい学習方法です。

【メリット11】費用が一般的な塾より安い

オンライン教材は、一般的に費用が比較的安いです。
通学や塾にかかる費用を抑えることができ、経済的な負担を軽減することができます。

これらのメリットを活かして、不登校の子どもにオンライン教材を導入することで、個別に合わせた学習環境を整えることができます。

子どもの学習意欲や自己肯定感を高め、自信を持って学び続けることができるでしょう。
また、保護者も子どもの学習状況を把握しやすくなり、適切なサポートを提供することができます。

ぜひ、このメリットを活かして、オンライン教材を導入してみてください。
お子さんの学習意欲や自己肯定感を高め、将来の可能性を広げる一助となることでしょう。

オンライン教材の選び方

家庭学習や通塾よりもメリットが多いオンライン教材ですが、最近では多くの教材がありどれを選んでよいか迷ってしまいます。
教材によって、値段もサービスもバラバラです。
だからこそ、オンライン教材の中でもメリットの多いものを選びましょう。

オンライン教材 11のメリット
  • 勉強のわからなくなった部分からやり直せる
  • 学習状況を確認できる
  • 出席扱いになることもある
  • わからない部分を解説動画やメッセージでのサポートがある
  • やる気を維持するための工夫がされている
  • 家から出なくてよい(送迎も不要)
  • 時間の制約がない(生活リズムが崩れていても大丈夫)
  • 場所の制約がない(自宅以外でもできる)
  • 他の人の目が気にならない
  • 手軽に始めやすくて止めやすい
  • 個別指導や家庭教師に比べて費用が比較的安い

そこで、私たちはすららをオススメします。

オンライン学習を導入するコツ

たくさんのメリットのあるオンライン学習ですが、お子さんが実際に取り組まなければ意味がありません。起動して実際に学習が始まれば、さまざまな工夫で飽きずにわかりやすく進めることができます。しかし、ログインして教材を見ないことにははじまりません。

実際に、「子どもがやるといったから、申し込んだのだけれど一度も使っていません」という話もよく聞きます。
時間的にも金銭的にもロスが大きいですし、導入の仕方によっては親子の信頼関係を損なうこともあります。

私は、20年以上スクールカウンセラーと家族カウンセリングをやっています。
その経験を踏まえて、オンライン学習を導入するコツをいくつか紹介します。

押しつけも言いなりもダメ

子どもがやると言っていないのに無理やりに押し付けてしまう保護者さんが多くいます。
その逆に、お子さんが「オンラインで勉強したい」というので、喜んですぐに手続きをする保護者さんもいらっしゃいます。

どちらも、気持ちはわかりますが、うまくいかないことが多いです。

なぜ押し付けてはいけないのか

まず、お子さんの意志を確認せずに押し付けてしまう場合は、お子さんがやる気を見せないことが多いです。

小学生など、親に言われたことをそのままやる場合も多いのでうまくいくこともありますが、中学生以降では「勝手に決めるな」「うざい」などと言われて終わってしまうことがあります。

お子さんが保護者の意見に素直に従わないことは、思春期を迎えて自立する過程でとても自然なことで、むしろ健全な反応です。

その結果、断られてしまい、勉強の話ができなくなるご家庭も多くあります。

なぜ子どもの言いなりになってはいけないのか

お子さんが、「オンラインで勉強したい」といった時に、「わかった。じゃあ、すぐに準備するね」と手続きをすることは、とてもよい対応のように見えます。
しかし、私はおすすめしません。
なぜなら、「オンラインで勉強したい」という発言がどのくらいの本気度かわからないからです。

お子さんによっては
「コレがいいな」
「やっぱりコレはダメだから、アレにしたいな」
「アレは大変だから、ソレにしようかな」
などと、

思いつくままに口にしているかもしれないからです。

そのたびに、コレ・アレ・ソレと準備するのは大変です。
その結果、保護者さんがただ振り回されているだけのような状況になることもあります。
お子さんとしては、そこまで深く考えず思いつくままに口にした言葉ならば重要だとは考えていないこともあります。

その結果、保護者さんが振り回されて疲れてしまったり、言いっぱなしでコロコロと話が変わるお子さんにイラ立ってしまうこともあります。

しっかりと話し合うことが大事

お子さんの気持ちを無視した保護者からの押しつけになっていないか、またお子さんから希望であればどのくらい真剣に考えているのか、確かめてみてもいいでしょう。

その際に、お子さんを質問攻めにしたり、論破しようとしてはいけません。
保護者さんの意見を伝えた上で、お子さんが話したいことがありそうならゆっくりと聞きましょう。

子育てだけでなく、仕事や家事などでお忙しい中で、ゆっくり話を聞いている時間を作るのは難しいでしょう。
でも、ここで30分や1時間話を聞くことで、お子さんの人生とご家族の将来が大きく変わります。

親子の信頼関係が損なわれると修復に数年~十年以上かかるかもしれません。

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一緒に家での過ごし方のルールを作る

ここでは、登校しぶりが始まった段階のAさんと、不登校になってからしばらく経過してゲームと動画中心の生活をしているBさんの事例を紹介します(実際の事例を元にしたフィクションです)

小学校高学年から不登校で中学から再登校したAさん

学校で友人関係のトラブルがあり、学校に行くのがつらい。朝、登校時刻頃になるとお腹が痛くなってしまったAさん。

保護者としては学校に行ってほしいという思いはあるものの、毎朝つらそうにしているお子さんの様子を見るのはつらい。今は、子どもに学校のことを気にせず気楽に生活してほしい。ただ、両親は共働きで、平日の昼間は家に誰もいない。そのため、学校を休んでしまうとダラダラした生活になりそうで、安易に「休んでいいよ」と言うのも、正直怖い。

カウンセラーの提案で本人と保護者が家族会議を開いた。その中で、保護者から「学校を休んでもいいよ。でも、子どもは勉強が仕事なのだから、毎日勉強はしてほしい。学校に行かなくても家でオンラインで勉強ができるからそれをやってみない?」と伝えた。本人は同意をした。

その後、オンライン学習をしながら家では腹痛になることもなく明るく過ごしている。小学校卒業後はトラブルになった同級生とは違う中学校に進み毎日登校している。

オンライン学習のおかげで、勉強の遅れがなかった。そのため、中学からの授業もわかることで自信がついた。新しい友達もでき、小学生時代から楽しみにしていた部活も一生懸命取り組んでいる。

不登校でゲームや動画ばかり見ているBさん

中学2年生のBさんは、不登校になって1年以上。

ほとんどゲームをやるか動画を見るだけで自室にこもって、オンラインゲームで同級生や知らない人とも対戦しているようです。

対戦相手が学校や仕事から帰ってきた夜しかオンラインゲームをやらないので、昼夜逆転の生活で朝方に寝て夕方に起きて夜にゲームをやる生活になっています。保護者としては、再登校に向けた話や、進路の話などもしたいが、「うるせえな」と言われる。親が起きてるときは自分の部屋にこもっていて、親が寝た夜中に台所に来てあまりものなどで食事をしているようだ。

学校の三者面談の予定が迫ってきたので、本人に声をかけたところ「知らない」と言われた。その後も、「そろそろ進路について考えないと」と声をかけてみたら「うるせぇな。わかっているよ」と言われてしまう。

カウンセラーからは、3者面談に行くにしても行かないにしても3者面談の時期の前に、話し合いの機会を作りましょう。そこで、「ゲームや動画は自由に見ていい。でも、毎日勉強もしてほしい。だから、オンライン教材を毎日●分は取り組んでほしい」などと提案してみてはどうでしょうと提案しました。

最初は嫌がっていましたが、何度か話し合いを繰り返す中で本人も同意。その後、オンライン学習を導入しました。その後も、相変わらず昼夜逆転で夜はゲーム中心ですが、夕方にオンライン学習を続けています。

実際の事例を細かく紹介することはできませんが、このような事例は多くあります。
もちろん、家族会議の仕方や提案方法などにもお子さんに合ったコツがあります。

弊社であれば、初回無料のカウンセリングがありますので、悩む場合は遠慮なくご相談ください。

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