<最終更新日 4か月 執筆者 吉田克彦(公認心理師)

文部科学省の調査によると、2023年度の高校生の不登校者数は前年度比で4.4%増加し、過去最多の6万8640人に上りました。 不登校の子どもにとって、通信制高校は自分のペースで学習を進められ、心理的負担も軽減できる魅力的な選択肢の一つです。この記事では、最新のデータに基づいて通信制高校の特徴や利点を詳しく解説し、保護者の方が子どもに合った学校を選べるようサポートします。一人ひとりに合った学びの場を見つけることが、子どもの将来に大きな影響を与えるでしょう。

通信制高校の基本的な特徴

通信制高校では、生徒は自宅で学習し、定期的にレポートを提出します。対面授業の頻度やオンラインでのコミュニケーション方法は学校によって異なりますが、全日制高校と比べると対面の機会は少ないのが一般的です。このような学習環境は、不登校の子どもにとって大きな利点となる場合があります。自分のペースで学習を進められるので、心理的ストレスが軽減されることがあります。また、通学の必要がないため、体調の優れない日も無理なく学習を継続できるでしょう。一方で、自己管理が苦手な生徒にとっては学習が継続しにくいというデメリットもあることを理解しておく必要があります。

通信制高校を選ぶ理由

不登校の子どもは、一人ひとり抱えている事情が異なります。通信制高校なら、その個々のニーズに応じた教育を受けられる可能性があります。例えば、心理的な不安から登校が難しい子どもには、自宅で安心して学べる環境が整います。また、発達の特性から特別な配慮が必要な子どもにも、柔軟な対応が可能な場合があります。通信制高校で学ぶことは、子どもの自尊心や学習意欲の向上につながる可能性があります。不登校で学校に行けなかったAさんは、通信制高校に通い、自分のペースで学習を進めることで、大学に合格することができました。

よくある質問

Q
通信制高校の卒業資格は、全日制高校と同等ですか?
A

はい、通信制高校の卒業資格は全日制高校と同等です。ただし、大学受験に関しては、一部の大学で独自の入試制度を設けている場合があります。

Q
授業料は高額ですか? 
A

通信制高校の授業料は学校によって大きく異なります。全日制高校と同程度の学校もあれば、かなり高額な学校もあるので、事前の確認が必要です。

Q
通信制高校の卒業後の進路はどうなりますか?
A

卒業後の進路は、全日制高校と同様に多岐にわたります。大学や専門学校への進学、就職など、生徒の希望や目標に合わせて選択できます。

Q
通信制高校の費用はどのくらいかかりますか?
A

入学金、授業料、教材費、実習費など、学校によって費用は異なります。年間数十万円から100万円以上かかる場合もあるので、事前に確認しておくことが大切です。

通信制高校の選び方

通信制高校選びで重要なのは、子どものニーズに合ったプログラムを提供している学校を見つけることです。その際は、以下の点を総合的に考慮しましょう。

プログラムの質

子どもの将来の目標に合った教育内容か、カリキュラムの詳細を確認しましょう。子どもの学習レベルに合っているか、興味・関心に合った科目があるかも重要なポイントです。大学進学を目指すなら、受験対策の充実度もチェックが必要です。

柔軟性

どの程度自分のペースで学習を進められるか、スケジュールの柔軟性を確かめましょう。学校によって、年間の登校日数や、教師とのコミュニケーション方法は異なるので、子どものニーズに合っているかを見極めましょう。

学生支援

学習面だけでなく、進路相談やカウンセリングなど、手厚い学生支援体制が整っているかどうかを見極めましょう。心のケアが必要な場合は、心療内科や別室登校など、特別なサポートが受けられるかも重要なポイントです。

テクノロジーの活用

オンライン学習システムの使い勝手や、デジタル教材の充実度も大切です。インターネット環境やパソコンの貸与など、自宅学習をサポートする体制が整っているかどうかも確認しましょう。

実際に学校を評価する方法

通信制高校選びには、様々な方法で情報収集をすることが大切です。可能なら学校を訪問し、設備や雰囲気を直接確かめましょう。遠方の場合は、オンラインで開催されるオープンキャンパスや説明会に参加するのもよいでしょう。在校生や卒業生の声を聞くことも参考になります。学校のホームページやSNS、口コミサイトなどで、リアルな声を集めましょう。教育相談窓口に相談するのも一つの方法です。数字だけでなく、生の声を参考にすることで、より実態に即した学校評価ができるはずです。

通信制高校での学習生活

通信制高校に通う生徒の学習スタイルは、個人によって大きく異なります。ある生徒は、朝は自分のペースでゆっくり起床し、オンラインシステムで課題を確認します。教科書とデジタル教材を使いながら、集中して学習を進めます。わからないことがあれば、チャットやメールで先生に質問し、午後は趣味の時間を設けるなど、メリハリをつけて過ごしているそうです。別の生徒は、スポーツに打ち込みながら、レポート作成に力を入れています。資格取得や起業を目指して、自分なりの学習プランを立てている生徒もいます。自分に合った学習リズムを作ることが、通信制高校での学習を続けるコツと言えるでしょう。

通信制高校は、不登校の子どもにとって、自分に合った学び方ができる選択肢の一つです。子どもの個性やニーズに合わせて、最適な学校を選ぶためには、様々な視点から学校を評価し、情報を集めることが大切です。子どもの状況をよく見極め、将来を見据えながら、一緒に学校選びをしていきましょう。通信制高校での学びが、子どもの可能性を広げるきっかけになることを願っています。

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