<最終更新日 2週間 執筆者 吉田克彦(公認心理師)

この記事でわかること
  • 「学校に行きたくない」は誰にでもある気持ちであると理解できる
  • 子どもの気持ちを受け止めることの大切さがわかる
  • 子どもの話を聞く際の注意点を知れる
  • 状況に応じた対応方法がわかる
  • 「行きたくない」がSOSのサインである場合の対処法がわかる

「学校に行きたくない」

ある朝突然、子どもからこう言われたら、親としては慌ててしまいますよね。

「どうしたの?」「何かあった?」と矢継ぎ早に質問したり、「そんなこと言わないの!」と叱ってしまったり……。

でも、ちょっと待ってください。

「行きたくない」は誰にでもある気持ち

「行きたくない」という気持ちは、実は珍しいことではありません。

大人だって、仕事や家事に行きたくない日があるように、子どもも学校に行きたくない日があるのは当然のこと。

朝早く起きるのが辛い、苦手な授業がある、友達とケンカした、昨日夜更かしして眠い……。

理由は様々ですが、大人と同じように、子どもにも「行きたくない」と感じる日はあるのです。

むしろ、「学校に行きたい!」と張り切っている子の方が少ないかもしれません。

大切なのは、子どもの気持ちを受け止めること

「そんなこと言わないの!」「学校は楽しいところだよ!」

つい、こんな言葉をかけたくなりますが、子どもの気持ちを否定するような言葉は逆効果。

「そうだよね、行きたくない日もあるよね」「何かあったのかな?」と、まずは共感の言葉を伝えましょう。

子どもの気持ちを理解しようと努めることが、信頼関係を築く第一歩です。
「行きたくない」という気持ちを打ち明けるのは、子どもにとって勇気がいること。
まずは「話してくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えましょう。

まずは話に耳を傾ける

子どもが話したがっているようなら、じっくり話を聞いてあげましょう。
「どうして行きたくないの?」と理由を聞くのも良いですが、無理に聞き出そうとする必要はありません。

ただ話を聞くだけで、子どもの気持ちが楽になることもあります。
「話したくない」という場合は、無理強いせず、「いつでも話してね」と伝え、そっと見守ることも大切です。

子どもが安心して話せる雰囲気を作るために、以下の点に気をつけましょう。

  • 落ち着いた場所で二人きりになる
  • 優しい口調で話しかける
  • 途中で遮ったり、意見を押し付けたりしない

状況に応じて対応を変えよう

子どもの様子や話の内容に応じて、対応を変えましょう。

具体的な悩みがある場合

いじめや友達関係の悩み、勉強の不安など、具体的な悩みがある場合は、一緒に解決策を考えてみましょう。

「どうしたら良いと思う?」と子ども自身の考えを尊重しながら、解決策を一緒に探ることが大切です。

必要であれば、担任の先生やスクールカウンセラーに相談するのも一つの方法です。

理由がはっきりしない場合

理由がはっきりしない場合は、無理強いせず、「ゆっくり休んでね」と声をかけ、様子を見守ることも大切です。

もしかしたら、疲れがたまっていたり、心のバランスを崩していたりするのかもしれません。

ゆっくり休むことで、気持ちが落ち着き、また学校に行きたくなることもあるでしょう。

理由のない不登校については、以下の記事を参考にしてください。
不登校の理由がわからないことが多い?経験者の意見から考える
不登校の理由がわからないのは本当?専門家の意見を紹介
経験者110名に聞く 不登校のリアル①きっかけは「わからない場合もある」
「不登校の理由がわからない」でも原因を探りすぎるのは危険

「行きたくない」はSOSのサインかも?

「行きたくない」という言葉は、SOSのサインである場合もあります。

体の不調

  • 体調が悪い
  • 疲れがたまっている
  • 寝不足
  • 朝起きられない
  • 頭痛、腹痛などの症状がある

学校での悩み

  • いじめ
  • 友達関係の悩み
  • 勉強の不安
  • 先生との関係
  • クラブ活動でのトラブル

家庭環境の変化

  • 引っ越し
  • 家族の病気
  • 兄弟姉妹との関係
  • 親の不仲

子どもの様子を注意深く観察し、心配な場合は専門家に相談することも検討しましょう。

まとめ|焦らず、子どもの気持ちに寄り添おう

「学校に行きたくない」という言葉に、親はつい焦ってしまいがちです。
しかし、まずは落ち着いて、子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。

そして、もし心配な場合は、一人で抱え込まず、専門家に相談することも検討しましょう。

まとめ
  • 子どもが「学校に行きたくない」と言うのは、珍しいことではない
  • 大切なのは、子どもの気持ちを否定せず、共感し、話を聞くこと
  • 具体的な悩みがある場合は、一緒に解決策を考え、必要に応じて専門家に相談する
  • 理由がはっきりしない場合は、無理強いせず、ゆっくり休ませる
  • 「行きたくない」はSOSのサインかもしれないので、子どもの様子を注意深く観察する
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