<最終更新日 1か月 執筆者 吉田克彦(公認心理師)

小学生が「学校に行きたくない」と訴えるとき、その理由がはっきりしないことに悩む保護者さんは少なくありません。

大人でも、「なんとなく苦手」「特に理由がないけどやりたくない」ということがあると思います。
大人よりも語彙力が少なく表現力も幼いお子さんが、すらすら理由を言えるわけがありません。

子ども自身も、なぜ行きたくないのか説明できない場合が多くなります。漠然とした不安や不快感を抱えていることがあります。

この記事では、そんな状況に直面している親御さんのために、理由がわからない不登校のサイン、原因、具体的な対処法、相談先まで、専門家の意見や最新データも交えながら詳しく解説します。

理由のない不登校のサイン

まず、お子さんが「学校に行きたくない」と訴えてきた場合、必ず理由があるとは限りません。
ハッキリとした理由がなく、あるいは理由を言葉で表現できず「学校に行きたくない」ということがあるのです。

理由のない不登校については、以下の記事を参考にしてください。
不登校の理由がわからないことが多い?経験者の意見から考える
不登校の理由がわからないのは本当?専門家の意見を紹介
経験者110名に聞く 不登校のリアル①きっかけは「わからない場合もある」
「不登校の理由がわからない」でも原因を探りすぎるのは危険

はっきりとしたきっかけがない場合があるので、サインを見ることが大事です。

身体的なサイン

  • 頭痛、腹痛、吐き気
  • 疲労感、だるさ
  • 食欲不振、過食
  • 睡眠障害(寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝起きられない)

精神的なサイン

  • 無気力、やる気が出ない
  • イライラしやすい、怒りっぽい
  • 落ち着きがない、そわそわする
  • 気分が落ち込む、不安になる
  • 集中力が続かない
  • 以前好きだったことに興味を示さなくなる

これらのサインは、子どもが学校生活や家庭環境で何らかのストレスを感じている可能性を示しています。

小学生はどんなことに悩みと不安を感じるか

小学生の時期に抱える主な悩みは以下の通りです。まだ、中学生・高校生と比べてまだまだ小さく幼い小学生の時期は、保護者や教員など周囲のサポートを求めます。そのため、良くも悪くも周囲の大人の影響を強く受けます。

また、友人関係のトラブルなども自分一人で解決することが難しく、環境を変えることもできません。その結果、トラブルが長引いてしまい、疲れてしまったり、自信を喪失してしまうことがあります。

家庭環境の影響

  • 親の過保護・過干渉
  • 家庭内の不和、両親の不仲
  • 兄弟姉妹との関係
  • 経済的な問題

家庭環境に関する詳しい記事は、こちらのページをご覧ください。
不登校になりやすい家庭の特徴ってあるの? 家族心理学から解説

学校環境への不適応

学業のプレッシャー

  • 成績不振
  • 授業についていけない
  • 課題や宿題の多さ

その他

このようにある程度の原因は想定できます。しかし、実際には複数の要因が絡まっていることが多く、理由を明確にすることは簡単ではありません。

保護者として子供にできること

まだまだ周囲のサポートが必要な時期ですので、適切なサポートが必要です。一方で、徐々にサポートを必要とせず、ある程度のことは一人できるように成長しなければなりません。

必要な部分はしっかりとサポートしつつ、ある程度は本人に任せて、場合によっては失敗の経験もさせることが大事です。私たちも、大けがにならない程度に転びながら大人になってきたのです。

1. 日常生活のリズムを整える

2. ストレス管理の方法を教える

  • リラックスできる時間を作る: 好きな音楽を聴いたり、本を読んだり、趣味に没頭する時間を作るように促します。
  • リラクゼーション法を教える: 深呼吸や瞑想、ストレッチなど、簡単なリラクゼーション法を一緒に実践してみましょう。
  • 話をする時間を設ける: 1日の終わりに、今日あったことや感じたことを話せる時間を作ります。

3. 子どもの感情に寄り添う

  • 否定しない: 「学校に行きたくない」という気持ちを否定せず、まずは受け止めましょう。
  • 共感する: 「つらいね」「大変だったね」など、子どもの気持ちに寄り添う言葉をかけましょう。
  • 話を聞く: 焦らず、じっくりと子どもの話を聞きましょう。解決策を提示するよりも、まずは話を聞いて共感することが大切です。
  • 一緒に考える: 解決策を押し付けるのではなく、子どもと一緒に解決策を考えてみましょう。

対応に困った時の相談先

「学校に行きたくない」という理由がわからない場合、あるいは理由がある程度特定できたからと言って、解決できるとは限りません。原因が分かってもわからなくても、どのように対応すれば良いか悩んでしまうでしょう。そのような時は、家族だけで考えていても時間が過ぎるだけです。さまざまなお子さんに対応してきた専門家に相談をしてみましょう。

学校の相談窓口

  • スクールカウンセラー: 専門的な知識を持つカウンセラーに相談できます。
  • 担任の先生: 日頃から子どもの様子をよく知っている先生に相談してみましょう。
  • 養護教諭: 健康面や心のケアに関する相談ができます。

地域の相談窓口

  • 教育相談センター: 教育に関する相談全般に対応しています。
  • 子ども家庭支援センター: 子育てに関する様々な相談に対応しています。
  • 児童相談所: 児童虐待やいじめなど、子どもの権利を守るための相談窓口です。

民間の相談窓口

  • カウンセリングルーム: 専門のカウンセラーによるカウンセリングを受けられます。
  • フリースクール: 従来の学校とは異なる環境で、子どもたちの成長を支援する施設です。
  • NPO法人など: 不登校支援を行っている団体に相談できます。

オンライン相談

理由がわからない時に必要なこと

学校に行きたくないと感じる小学生にとって、親や周囲のサポートは非常に重要です。長期的な視点で子どもに寄り添い、共に乗り越えていく姿勢が大切です。

まとめ
  • 焦らない: 不登校はすぐに解決できる問題ではありません。焦らず、子どものペースに合わせて対応しましょう。
  • 比較しない: 他の子どもと比較せず、ありのままの子どもを受け入れましょう。
  • 責めない: 不登校は子どものせいではありません。責めたり、プレッシャーを与えたりするのは避けましょう。
  • 相談する: 保護者も初めてのことで対応に困るでしょう。一人で抱え込まず、信頼できる人に相談しましょう
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