うちの子、平日の朝になると下痢をして学校を休んでしまう。

 

トイレに頻繁に行くから、すぐにトイレに行きにくい授業に出られず、外出もできない。どうすればいいのか。

 

腹痛・便秘・下痢などの症状は過敏性腸症候群かもしれません。
本記事では、過敏性腸症候群について解説します。

過敏性腸症候群とは?不登校との関係や症状・原因・改善策を解説

過敏性腸症候群(IBS)は、腸管運動の障害によって腸管が過敏に反応し、腹痛、腹部膨満感、便秘、下痢、消化不良などの症状を引き起こす慢性的な消化器疾患です。

過敏性腸症候群は、環境、食生活、ストレスなどの要因によって引き起こされることがありますが、原因は明確にはわかっていません。

医師は、患者の症状、身体検査、および一連の検査結果に基づいて診断を行います。

過敏性腸症候群の治療は、症状に応じて異なります。

医師は、薬物療法、食事療法、運動、ストレス管理、ブリーフセラピーや認知行動療法などの方法を使用して、症状を軽減するために治療が提供されます。

適切な治療と症状管理により、多くの人々が症状の軽減を経験しています。

過敏性腸症候群の症状は?

過敏性腸症候群(IBS)の症状は大きくわけて、以下の4つに分けられます。

  • ウンチが出にくい便秘型
  • おなかがゆるくなる下痢型
  • 便秘と下痢を繰り返す混合型(交替型)
  • その他(分類不能型:ガス型を含む)


どの型にも共通するのは、ストレスを感じたり生活習慣が乱れると、お腹の不調に繋がるということです。

学校に行く前にお腹が痛くなったり、学校にいる間ずっとお腹の調子が悪かったりすると、「学校=お腹が痛くなる」というイメージが定着してしまいます。

「みんなの前でトイレに行きたいと言いにくい」「授業中に何度もトイレに行くのは恥ずかしい」といった不安やストレスが、さらに症状を悪化させる悪循環に陥ることも。

過敏性腸症候群の原因は?

過敏性腸症候群の原因ははっきりとはわかっていませんが、ウイルス性の胃腸炎にかかった後になりやすいと言われています。

また、ストレスを感じると脳から腸へ「動け」という指令が出て、腸の動きが活発になります。

過敏性腸症候群の人は、この指令が伝わりやすく、ちょっとした刺激でも腸が過剰に反応してしまうため、お腹の不調が起こりやすいと考えられています。

過敏性腸症候群の改善方法|病院は何科?受診時のポイントも解説

過敏性腸症候群の改善には、まず生活習慣を見直すことが大切です。

バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠は、自律神経を整えるのに効果的です。

ストレスが原因の場合は、ストレスを減らすことも重要です。

心理カウンセラーによるカウンセリングや薬物療法などを通して、少しずつストレスを軽減していくことができます。

どの診療科を受診すればいい?

過敏性腸症候群が悪化すると、潰瘍性大腸炎やクローン病といった別の病気につながる可能性があります。

便に血が混じっていたり、体重が減ったりするなど、気になる症状があれば、早めに病院を受診しましょう。

まずは小児科や内科を受診するのがおすすめです。「内科・消化器内科」や「内科・心療内科」といった標榜をしている病院を選ぶと良いでしょう。

受診する時のポイント

病院を受診する際には、医師にもわかりやすいように腹痛の症状を伝える必要があります。

そのためにも、まずは保護者の方がお子さんに症状について十分に確認をしましょう。

①痛み出した時期

いつ頃から痛くなったのか、突然急激な痛みが来たのか。

最初は少しの痛みがどんどんひどくなってきたのかなど、具体的にメモをしておくと、受診の際に伝えやすいです。

②痛む場所

痛みが起きている部位はどのあたりでしょうか、へその上?下?、右?左?など。

③どのような痛みか

ズキズキするのか、チクチクするのか、ずっと痛みが続いているのか。

痛みが出たり治まったり波のようなものがあるのか、波があるならどのくらいの間が空くのかなど。

④便の状態

下痢をしているのか、便秘気味なのか、大便の形や色などを伝えましょう。

血が混じっている場合は必ず伝えましょう。

1コロコロウサギのフンのように小さくて丸い
2デコボコ短くてゴツゴツしている
3硬め水分が少なく、ひび割れがある
4ふつう理想的なバナナ状のうんち
5柔らかめ水分が多く、ちぎれやすい、細い場合もある
6ドロドロ棒状にならず泥のよう
7水様便色のついた水状態。
ブリストルスケールによるウンチの7段階

うんちの状態についてより詳しく確認したい場合は、次のチェックシート(PDFが開きます)をおすすめします。

参考資料:うんちチェックシート(NPO法人 日本トイレ研究所)

 

過敏性腸症候群へのカウンセリング|認知行動療法やブリーフセラピーで改善

先ほど紹介したように、自律神経の乱れやストレスによる脳から大腸を刺激する命令によって、過敏性腸症候群の症状は引き起こされます。

したがって、以下のアプローチが有効になります。

  • リラックスすることで自律神経を安定させる
  • 物事のとらえ方や考え方を変えることで、ストレスを軽減する
  • トイレに行きたくなるのではないかという不安がストレスになりさらにお腹が痛くなるという悪循環を止める

これらのアプローチを行うためには、ブリーフセラピー(家族療法)認知行動療法が有効です。

認知行動療法

認知行動療法では、物事のとらえ方を変えることで、ストレスを軽減させることが期待できます。

また、マインドフルネスなどを用いて、今後の不安ではなく現在に注目することで、リラックスして自律神経を安定させることが期待できます。

ブリーフセラピー/家族療法

ブリーフセラピー(家族療法)では、お腹が痛くなるのではないかと不安になり、不安になることでさらにお腹が痛くなるというような悪循環を切断することが得意です。

あるいは、比較的お腹が痛くならずに済んだ場面をソリューションとして注目して、拡張していきます。

その結果、改善が期待できます。

また、本人が相談に来なくても保護者など本人に身近な人が相談に来ることで効果を発揮することも特徴です。

とくに、過敏性腸症候群の場合、お腹が痛くなる不安から外出を極端に嫌がることがあります。

そのため、病院や相談機関へ行きたくても本人はいけない場合が多いです。

ブリーフセラピーのカウンセリングでは、本人の内面を扱うというよりも関係者とのコミュニケーション、悪循環やソリューションを扱うため、本人が相談室に来なくても改善することが多いです。

小学生男児の事例

集団登校をする際にトイレに行きたくなったらどうしようと不安になってしまい、朝学校に行くことができなくなってしまいました。ある日、学校では男子トイレの個室を使ったところ、外からドアをノックされたことと、笑い声が聞こえたことでショックを受けてしまいました。それから、学校で大便をすることが怖くなりました。

カウンセリングでは、保護者が相談に来ました。そこで、朝の声掛けの方法を変えてもらい。また、いきなり登校を目指すのではなく、休みの日に保護者と一緒に出掛ける計画を立てました。最初は10分ほどの外出から始め、30分、1時間とすすめていき、最終的には外出先でトイレを利用しながら、丸1日外出できるようになりました。

保護者は子どもに良かれと思って、「大丈夫だよ」「心配しなくても平気だよ」などと励ましていました。しかし、結局子ども本人の不安が減るどころか「誰も僕の大変さをわかってくれない」と思い元気をなくしてしまいました。

カウンセラーのアドバイスを元に、保護者が子どもへの声掛けの内容を変えていきました。すると少しずつ外出ができるようになったのです。その後も、外出をする機会を増やし少しずつ上手くいく経験を増やしていきました。

その結果、担任や養護教諭とも連携を図りながら、学校にも登校できるようになり、宿泊学習も楽しく参加することができました。

この事例のように、私たち「ぜんとのカウンセリング」は、ブリーフセラピー認知行動療法を専門としております。

お話を聞いた上で、カウンセリングではなく病院を受診して薬物療法をした方が良い場合もあります。

その場合は、正直にお伝えします。

カウンセリングでの改善を目指している方は、まずは初回の無料相談をぜひご活用ください。

過敏性腸症候群の子どもへのサポート|家族ができること

過敏性腸症候群(IBS)は、年齢と共に改善することで知られています。
ただ、悩みの渦中にあるお子さん自身はもちろん家族にとっては、本当につらい毎日ですよね。

また、成人してからなどある程度の年齢になってから発症する人もいます。

家族としてできることを紹介します。

症状が悪化するリスクを下げる

過敏性腸症候群(IBS)になる原因は現時点ではわかっていません。

しかし、悪化させる要因はわかっています。

悪化する要因を減らすことでお子さんのサポートになります。

IBSになる危険因子として、タバコがあります。

お子さん自身がタバコを吸うことはありませんが、家族がタバコを吸っていると、そばにいるお子さんは副流煙でタバコの悪影響を受けてしまうかもしれません。

他にも、こどもが健康的な生活を送れるように、夜更かししないこと、適度に運動することなど。生活習慣を見直すことも役立ちます。

お子さんだけに生活の見直しをさせるのではなく、家族全体でより良い生活リズムを目指すことが大事です。

お子さん本人が、外出が難しい場合には、ご家族がカウンセリングや病院に相談することもできます。

外出が難しい場合は、家での過ごし方に工夫を

過敏性腸症候群(IBS)の症状により、学校や塾などに行けなくなってしまうことがあります。

その結果、勉強がわからなくなってしまったり、家でゲームや動画ばかりに依存的になってしまっては困ります。

その結果、IBSが改善したとして外出できるようになっても、学校の勉強がわからないとか、希望の高校に進学できなかった、ゲーム依存で引きこもり状態などという新たな問題が発生しては困ります。

早い段階で、家でできる学習を導入することで、学校復帰や進学の際に安心できます。

しっかり勉強している自信が、ストレスを軽減し、過敏性腸症候群の症状にも良い影響を与えるでしょう。

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さいごに

不登校になってしまう原因はたくさんありますが、この記事ではそのひとつ、過敏性腸症候群(IBS)についてご紹介しました。

残念ながら、IBSは現段階では予防できるものではないようです。

それでも、IBSになるリスクを減らすためにできることはたくさんあります。

専門家のサポートのもと、原因となっているものが何なのかを見つけて、ストレスを少しでも減らすことができるといいですね。

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文献

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-079.html
https://www.chiba-ekimae.com/school_refusal.html

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