不登校克服のためのロードマップ|原因から解決まで徹底解説

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お子さんの不登校や登校しぶりで悩んでいる保護者の皆さんにとって、役に立ち、楽になる情報や資料を提供することがこのサイトの目的です。

まだまだ至らぬところばかりですが、ぜひともご活用ください。
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吉田 克彦(公認心理師・精神保健福祉士)

スクールカウンセリング歴20年以上、小学校・中学校・高校(全日制・定時制・通信制)での活動経験あり。東日本大震災の被災地心理支援、業界最大手の化学製品会社の常勤カウンセリングなどを経て、現在は合同会社ぜんと代表。
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再登校(学校復帰)だけがゴールではない

不登校克服のゴールは、「再登校・学校復帰」だけではありません。本当のゴールは「子供が将来自立した生活を送ること」だと考えます。むしろ学校に行くかどうかは些細な違いかもしれません。あなたが、もし「再登校・学校復帰」だけにこだわるのであれば、このページを閉じて他のサイトを探すことをおすすめします。

保護者様とのカウンセリングでは、率直に「将来子どもが自立した生活を送り、保護者が安心して死ねることを目指します」とお伝えしています。ほとんどの保護者様が大きくうなずかれます。

明日学校に行くか行かないかよりも、十年後二十年後のために今できる子を考えるのがとても重要です。

「学校に行くか・行かないか」ではなく「将来の子どもの自立した生活」を考えると、ご家庭によって「自立」のイメージが異なります。
「今何ができているのか」「今後何ができるようになればいいのか」など、お子さんに応じた計画が必要になります。

【詳細記事】
不登校のゴールは再登校ではなく子どもの自立(自律)

不登校になった経緯が違うから

不登校に関する本を読んだりネットで情報収集をしているけれど、どれも、うちの子は当てはまるところもあるけれど違うところも多くて、活用しにくいなぁ。

不登校の背景や状況は子どもによって全く違います。双子のきょうだいであっても同じ状況にはなりません。
それだけ、人によって原因や対応策は異なるのです。

文部科学省のデータでは、不登校状態になった理由は以下の通りです。

理由がない不登校も多い

実は「明確な理由がない不登校」がかなり多いのです。

上記の文部科学省の調査では不登校状態になった理由の49.7%が「不安・無気力」でした。不安とは、「日常生活の中で,漠然とした曖昧な脅威を察知したときに,だれもが経験する心的反応」を指します。具体的な脅威があれば、それは不安ではありません。同調査でも、学校・家庭・生活リズムの項目があります。つまり、学校や家庭で具体的な懸念があれば、そちらで答えたはずです。つまり、ここでの「不安・無気力」は、「学校・家庭・生活で何が恐怖かわからない状態」なのです。

ここで、不登校の理由探しばかりに意識すると、子どもや学校との関係が悪化するなど、不必要な問題を作り出してしまうことがあります。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

【詳細記事】
【不登校の理由がわからない】原因は漠然とした不安や生活リズムの乱れ?文部科学省の調査からわかったこと
不登校の「原因がわからない」ことも多い!その理由と対応策を徹底解説

身体症状がある不登校

メンタルヘルス不調によって身体症状が出ることもあれば、身体症状があったことがきっかけでメンタルヘルス不調になることもあります。個人によってきっかけも症状もさまざまなので「不登校だから」という大きなまとまりで考えることはできません。

【詳細記事】
朝起きることができない:起立性調節障害
おなかがゆるくてトイレが近い:過敏性腸症候群
不安でドキドキしてしまう:不安障害
パニック障害:症状・原因・対策を解説
場面緘黙:家では話せるけれど学校では話せない/原因と対応を解説

人間関係で悩んでいる不登校

家族関係に悩んでいる

先ほどのグラフに書いてある通り、不登校状態になった理由の中で「家庭に係る状況」は12.3%を占めます。
およそ8人に1人が家庭の問題で不登校になっています。その中には、最近話題になっているヤングケアラーの問題なども含まれます。
家族とのコミュニケーションがうまく取れず不登校につながってしまう場合もあります。

うちの子が不登校になったけれど、私たち親の育て方が悪かったのかしら

家族関係や育て方について、少しでも心当たりがあるならば、この記事をご覧ください

【詳細記事】
子どもが不登校になりやすい家庭の特徴と対策について

友人関係に悩んでいる

大人になって職場の全員と仲良くできている人はどのくらいいるでしょうか?また、ご自身がお子さんだった時にクラスの中で苦手だった人や嫌いだった人はいたでしょう。

学校は30~40人のクラスに分けられ、基本的には「みんな仲良く同じことをする」ことを求められます。そのため、相性の悪いクラスメイトができたり、仲の良かった友達といざこざが起きてしまうことは仕方のないことです。

場合によっては、いじめのターゲットにされたり、仲間外れになったり、孤立することもあるかもしれません。それらが原因で学校に行けなくなることもあります。

【詳細記事】
→ 近日公開予定です

教員との関係に悩んでいる

校種教員数
小学校41万6833人
中学校24万8694人
高等学校25万1408人
教員数(出典:学校基本調査

小学校の教員は41万人以上、中学校・高等学校でも25万人前後います。ある程度大きな自治体の人口とほぼ同じです(ちなみに岐阜県岐阜市の人口は41万1千人、徳島県徳島市は25万7千人だそうです)。それだけ人数が多ければ、優しい人がいれば、怖い人もいますし、善人もいれば、犯罪者もいるでしょう。

そのように考えれば、先生とうまくいかないことがあるのも自然です。場合によっては犯罪者のような先生もいるでしょう(実際に毎年、教員の不祥事に関するニュースを目にします)。うまくいかない時に、どのように対応すれば良いか。解説しています。

【詳細記事】
担任との関係が悪く不登校になった場合の適切な対応は?

本人の特性の違い

特性とは、「その人が持っている性質や能力、特徴」のことです。得意な面や苦手な面は人それぞれ異なります。その中で、苦手な部分が学校生活に影響を与えてしまうことがあります。

【詳細記事】
おちつきがない・集中できない・忘れ物をする:ADHD(注意欠陥多動症)
聞く、話す、読む、書く、計算、推論のいずれかが著しく困難:LD Learning Disability(学習障害)
【不登校と発達障害】ASDについて特徴や改善法などを徹底解説

不登校を3段階に分けて考える

実は、不登校に関する分類はさまざまあります。例えば、「混乱期」「安定期」「転換期」「回復期」の4段階に分けたり、「前触れ」「停滞期」「相談期」「意欲期」「再登校期」の5段階に分けるなど、さまざまな仮説があります。しかしながら、不登校になった経緯もお子さんの事情もご家族の状況も、さまざまであり、そんなに細かく分けることができません。そして、多様な学び方がある現在では「再登校」だけがゴールでありません。したがって、再登校を最終地点とした段階設定は適切ではありません。

私は20年以上、不登校に悩むお子さんやご家族の相談に応じてきました。そこで、さまざまな事情やさまざまなゴールを見てきました。それらの経験をもとに、ほとんどの不登校事例に共通する3段階を紹介します。

上記の図は、異なる文化に適応する際のプロセスを表したものです。例えば、海外に留学する場合などが当てはまりますが、私たちは、不登校になったお子さんやそのご家族にもある程度当てはまるのではないかと考えています。本来の異文化適応曲線の場合、初期に「異文化に魅了され、見るもの、聞くものがすべて素晴らしくバラ色に見える時期」であるハネムーン期があります。

しかし、自らが希望して実行した留学などと違い、不登校の場合にはハネムーン期間がなく、突然動揺する場合が多いでしょう。
私たちは、不登校の場合は動揺期・停滞期・順応期の3段階に分かれると考えています。3つの時期がどれだけ続くか、あるいはこの3段階に当てはまらない場合もあるなど、お子さんの状況やご家族の事情などによっても変わってきます。あくまで、一つの参考情報としてご覧ください。

動揺期

不登校になって生活が変わってどうすればよいかわからない時期です。子ども自身も自己嫌悪になったり学校に行かないことでの様々な不安を抱えています。また、ご家族もお子さんが不登校になったことで、どう対応すればよいのか混乱する時期でもあるでしょう。

子ども自身の動揺

家族はもちろん、本人も混乱をしている時期です。「もう学校に行かない!」と本人が宣言することも多いです。その場合、本人は覚悟を決めているので動揺していないように見えることがあります。しかし、「学校に行く・行かない」について迷いがないだけで、将来に対する不安や周囲の目などが気になり、大なり小なり動揺します。

【詳細記事】
不登校の理由がわからないことが多い、聞き続けることがマイナスにも?経験者の意見から考える

家族の動揺

子どもの不登校を経験した保護者113人を対象にアンケート結果を実施しました。その結果、85.8%の人が、子どもが不登校になって保護者自身の精神的負担が重くなったと回答しています。

子どもの不登校によって家族に動揺が広がります。家族それぞれが子どもが学校に行かない状況を受け入れられるまでに時間がかかります。また、子どもへの接し方について両親間やなど親と祖父母の間で意見が対立することがあります。
また、学校を休むお子さんのために仕事を休まなければならなかったり、学校への連絡をするといったことが、ご家族にとって新たな問題となっていきます。

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1人で考えこまず、情報収集とコミュニケーション重視で動揺期を乗り切ろう

動揺期に重要なことは、保護者様もお子さんも「一人で考えこまないこと」そして「一人で突っ走らないこと」です。

「家族が頼りにならないから」
「学校の先生がわかってくれないから」
「このままだと大変なことになるから」
・・・などと考えて他に人に頼らず自分の力で何とか解決しようとしますが、多くの場合うまくいきません。一方で、家族や学校を始めとした周囲の理解や協力を得ることは、その後の対応にとても良い影響があります。

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停滞期

部屋に閉じこもる時間が増えたり、家族との会話や外出が減るなど、子どもの活動が減る時期です。一方で、家庭内暴力や自傷行為などの問題行動が表面化する時期でもあります。この時期の対応方法によって、本人にとって新たにどのような環境が必要なのかがわかってきます。

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些細な変化を観察して、最低限のコミュニケーションを維持しよう

子どもが部屋に閉じこもる時間が増えていくと、何も動きのない毎日が続くように感じるかもしれません。実は毎日微妙に変化しているのです。
例えば一週間を注意深く観察すると、落ち着いている日や荒れている日などが少しずつ見えてくるでしょう。1か月も経てばかなりの変化に気づくはずです。
それらの変化を知ることは新たな提案をする際に、タイミングや伝え方を判断する上で非常に役立ちます。

あいさつなどのコミュニケーションも維持しておきましょう。子どもの反応がない場合でも、しつこくない程度にあいさつを続けることは大事です。

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順応期

再登校を開始する、ホームスクーリングを充実させる、別の学校へ転校するなど、新たな環境に合うように子ども自身そして家族が変化する時期です。

就労(就職・アルバイトなど)や進学というかたちで新たな環境へ飛び込むこともあります。
一方で、自室に閉じこもって過ごすという生活に順応してしまい、長期的な引きこもりになることもあります。

うまくいっても、うまくいかなくてもよい状況設定を

新たな環境へ順応する上で一番重要なことは、失敗した場合のフォロー。うまくいく場合はあまり考えなくても、何とかなります。
一方で失敗した場合に、立ち直れないくらいダメージが大きいと、次の挑戦が出来なくなってしまいます。
調子が上向いてくると、どうしても期待が大きくなってしまいます。

そして「うまくいくに決まっている」と考えます。もちろん自信を持つことは大事ですが、重要なことは「うまくいかなくても何とかなる」と考えることです。

動揺期・停滞期は短く、順応期は長く

ここまで、不登校初期から終期までを、動揺期・停滞期・順応期と3つに分けてご説明しました。もちろんもっと細かく分類することはできますし、動揺期と停滞期が重複している部分などもあります。厳密に線引きをすることは重要ではありません。あくまで不登校理解の一つの参考としてご理解ください。


個別のロードマップを作り、修正する

ここまで不登校克服のロードマップとして、不登校の多様性を紹介した上で、対応について基本的な考え方を紹介しました。

「不登校克服のロードマップ」と書きましたが、子どもの人生そのものをドライブに例えて考えてみましょう。
不登校は予想していたルートを一旦それてしまった状況だと言えます。高速道路で降りる必要のないインターチェンジで降りてしまったような状況です。

その時に重要なことは、元の高速道路に戻ることばかりにこだわらないことです。無理にこだわることで余計に迷ったり同じところをグルグル回り続けることになります。
また、「お前が落ち着きのないから悪い」「ちゃんと教えてくれないのが悪い」などと、「なぜ間違ってしまったのか」という原因ばかり考えても仕方ありません。ドライバー(子ども)とナビゲーター(家族)もお互いにイライラして雰囲気が悪くなるでしょう。

「予想外だけれど、せっかくだからこの辺りでおいしいランチ食べようか」とか「慌てて戻らなくても、○○に間に合えばいいや」などと柔軟な修正が出来ると、より良い旅になるでしょう。
不登校の場合に当てはめれば、「予想外だけれど、せっかくだからお家での時間を楽しもうか」とか、「慌てなくても、成人した時に自立してくれればいいや」などと考えることで、より良い人生と家族関係になるでしょう。子どもの教育を受ける権利を保障することも重要です。

自分たちだけで適切なルートがわからない場合は、ぜひサイトを利用して下さい。
お子さんはもちろん、ご家族の人生が少しでも快適になるお手伝いが出来れば幸いです。

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投稿者プロフィール

吉田 克彦
吉田 克彦公認心理師・精神保健福祉士
不登校・引きこもりの家族相談を行って20年超。
スクールカウンセリングから、東日本大震災の被災地心理支援、企業内カウンセラーなどを経て、現在は合同会社ぜんと の代表。