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アレンジ可能な新入社員研修の作り方

新入社員研修のカリキュラムを検討するとき、一般的な内容をそのまま導入してよいのか迷う場面があります。
外部研修会社のパッケージを選べば準備は進みますが、それが配属後の現場で活きる内容なのか、判断がつきにくい。
ビジネスマナーと会社説明だけで足りるのか、という不安も残ります。

新入社員研修は、研修項目を寄せ集めて並べるだけでは、配属後の行動と切り離されやすくなります。
配属後に新人が困りやすい場面から逆算して設計すると、研修内容と現場のつながりが見えやすくなります。
既成プログラムを使う場合でも、自社の業種、勤務形態、採用背景、配属先の状況に合わせて調整する視点が必要です。

目次

既成プログラムは便利だが、自社に合うとは限らない

既成プログラムには、使いやすさがあります。ビジネスマナー、会社理解、社会人基礎、コミュニケーションといった基本項目を押さえやすく、研修担当者にとっては短期間で準備を進めやすいという利点があります。外部講師に任せやすい点も、限られた人員で研修を回す会社には現実的です。

問題は、既成プログラムそのものではなく、自社に合うように調整できているかどうかです。業種、勤務形態、配属先、採用背景と研修内容がずれていると、配属後の現場と切り離されやすくなります。研修の目的を、何を教えるかだけでなく、配属後に何につなげるかという視点で見ておくと、既成プログラムをそのまま使うか、調整するかの判断がしやすくなります。

既成プログラムのメリット注意したい点
基本項目を押さえやすい自社の配属後場面とずれることがある
準備しやすい研修担当者の社内説明が浅くなることがある
短時間で導入しやすい参加者の背景に合わないことがある
外部講師に任せやすい配属先との接続が弱くなることがある

新入社員研修のカリキュラムは項目ではなく場面から作る

新入社員研修のカリキュラムは、ビジネスマナー、会社説明、グループワーク、コンプライアンスといった項目から並べていく作り方が一般的です。それぞれの項目は妥当ですが、項目の積み上げだけで作ると、配属後にどう使うかという視点が弱くなりがちです。

順序を入れ替えて、先に配属後に新人が困りやすい場面を出し、その場面に対して研修で扱う内容を決めると、研修内容と現場がつながりやすくなります。

配属後に起きやすい場面カリキュラムに入れる内容
指示を受けても確認しづらい聞き方、確認の仕方、メモの取り方
人間関係に戸惑う自己理解・他者理解、コミュニケーション
疲労や睡眠の乱れに気づきにくいセルフケア、メンタルヘルスの基礎
困ったときに相談できない相談導線、相談するタイミング
配属先が新人の関わり方に迷う特性理解、関わり方のヒント
勤務形態に慣れにくい生活リズム、体調管理、相談先の確認

同じ項目名でも、場面から逆算したかどうかで、研修当日の組み立て方は変わります。

業種・勤務形態・採用背景・配属先で研修内容は変わる

新入社員研修は、業種や勤務形態によって重点が変わります。製造業、交替勤務、高卒採用、少人数採用、現場配属が早い会社では、一般的な新入社員研修とは違う設計が必要になります。

製造業では、現場での報連相、安全意識、指示の確認、OJT担当者との関わりが重点になりやすいものです。交替勤務がある場合は、睡眠や生活リズム、疲労への気づきといったセルフケアの比重が上がります。高卒採用では、学校から職場への移行や、社会人としての距離感、相談しやすさを扱う余地があります。少人数採用は、参加者ごとの背景や配属先に合わせた設計がしやすい一方、研修担当者の準備負担が大きくなりやすいという面があります。

自社の状況研修設計で見たい観点
製造業現場配属、報連相、安全意識、OJTとの接続
交替勤務睡眠、生活リズム、疲労への気づき
高卒採用学校から職場への移行、相談しやすさ
少人数採用参加者ごとの背景、配属先との関係
現場配属が早い指示の受け方、確認の仕方、相談導線

自社のどの状況が当てはまるかを整理しておくと、既成プログラムのどこを調整すべきかが見えやすくなります。

メンタルヘルスとコミュニケーションは配属後の行動に接続する

研修にメンタルヘルスやコミュニケーションを入れる場合、単独の知識科目として並べるだけでは、配属後の行動につながりにくくなります。扱うテーマを、現場で使う行動に接続しておくことが必要です。

メンタルヘルスは、不調を診断したり予防したりするものではなく、セルフケアと相談導線の入口として扱います。疲労や睡眠の変化に気づく、困ったときに相談する、といった行動につなげる形です。コミュニケーションは、話し方だけでなく、聞き方、確認の仕方、相談の仕方まで含めて扱うと、配属直後の場面で使いやすくなります。自己理解・他者理解は、新人を性格で分類するためではなく、相手との違いを前提に関わるためのヒントとして扱います。

メンタルヘルス、コミュニケーション、自己理解・他者理解を別々の科目として切り離さず、配属後の行動に束ねることが、研修を現場に接続する手がかりになります。新入社員研修が新人本人だけでなく、研修担当者、会社、配属先、送り出す側にも関わるという考え方は、親記事「新入社員研修とは、六方よしで設計する目的と内容」で扱っています。

外部研修を依頼する前に整理しておきたいこと

新入社員研修を外部に依頼する場合、社内で最低限整理しておくとよい項目があります。目的が曖昧なまま依頼すると、既成プログラムをそのまま当てはめる形になりやすく、自社の状況が反映されにくくなります。事前に整理しておくと、外部講師も自社に合わせて設計しやすく、研修担当者の社内説明にも使えます。

整理する項目確認する内容
研修の目的新人に何を教えるかではなく、配属後に何につなげたいか
参加者人数、採用背景、高卒・大卒、配属予定
配属先OJT担当者、現場の受け入れ体制、困りやすい場面
勤務形態日勤、交替勤務、夜勤の有無
研修後フォローメール質問、相談窓口、EAP、外部専門職の活用
社内説明経営層、配属先、学校・家族などにどう説明するか

これらが整理できていると、複数の研修会社を比較する際の判断軸にもなります。

オーダーメイド設計は効果保証ではなく目的整理である

オーダーメイド研修という言葉は、成果が約束された研修のように受け取られることがあります。実際には、オーダーメイド設計は効果を保証するものではありません。

オーダーメイド設計の意味は、自社の目的、参加者、配属先、勤務形態に合わせて、研修で扱う範囲を明確にすることです。研修でできることとできないことを分け、配属後の職場適応に接続し、研修担当者が社内で説明しやすい形に整える。新入社員研修だけで早期離職を防げるわけではなく、人間関係や相談導線、セルフケアに関われる余地があるという整理は、データ記事「新入社員研修は早期離職対策になるのか」で扱っています。研修で扱える領域を自社の状況に合わせて定めることが、オーダーメイド設計の役割です。

六方よしの視点で見ると、研修の範囲を明確にすることは、新人本人だけでなく、研修担当者、会社、配属先、学校や家族など送り出す側に対しても、研修の目的を説明しやすくします。

当社の新入社員研修は会社ごとに設計する

当社では、既成プログラムを選ぶだけではなく、会社や参加者に合わせて研修を設計しています。配属後の職場適応まで見据え、自社の状況を反映する形で内容を組みます。

設計の特徴は次のとおりです。

  • 医師監修のもとで研修を設計
  • 公認心理師が企画設計から講師まで対応
  • メンタルヘルス、コミュニケーション、自己理解・他者理解を統合して構成
  • 研修後もメールでの質問など、アフターフォローに対応
  • 研修担当者が社内に説明しやすいよう、目的整理も支援

これらは研修の成果を保証するものではありません。自社の状況に合わせて研修で扱う範囲を明確にし、配属後の行動に接続するための設計上の考え方です。実際の研修事例は、別記事「新入社員研修の事例、配属先にも伝わる設計」で紹介しています。

まとめ

既成プログラムは、新入社員研修の基本項目を押さえるうえでは役立ちます。ただし、自社の業種、勤務形態、採用背景、配属先の状況と合っていないと、研修で扱った内容が、配属後の行動に結びつきにくくなります。

新入社員研修のカリキュラムは、一般的な項目を並べるのではなく、配属後に新人が困りやすい場面から逆算して考える必要があります。メンタルヘルス、コミュニケーション、自己理解・他者理解も、単独の科目としてではなく、配属後の職場適応に接続して扱うことで、研修の目的を社内に説明しやすくなります。既成プログラムをそのまま使うか、自社に合わせて調整するかは、研修で何を配属後につなげたいかを整理してから判断するのが現実的です。

新入社員研修の内容整理から相談できます

新入社員研修のカリキュラムを自社に合わせて見直したい場合は、配属後に新人が困りやすい場面と、研修で扱う内容を分けるところから始められます。

当社では、医師監修のもと、公認心理師が会社ごとの課題に合わせて、新入社員向けメンタルヘルス・コミュニケーション研修を設計しています。既成プログラムではなく、自社の状況に合わせた研修を検討したい場合は、目的整理、配属後フォロー、相談導線の設計からご相談いただけます。既成プログラムをそのまま使うか、自社に合わせて調整するか迷っている段階でも、研修目的の整理から相談できます。

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