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新入社員研修とは、六方よしで設計する目的と内容

新入社員研修を企画するとき、研修内容の選び方に迷う場面は少なくありません。
ビジネスマナーと会社説明だけで足りるのか。
せっかく実施しても、配属後の現場で活きるのか。
そもそも、この研修の目的を社内や経営層にどう説明すればよいのか。

新入社員研修は、新人に知識を伝える場であると同時に、研修担当者・会社・配属先・送り出す側にも関わる取組です。
新人だけを対象に考えると、研修後の現場や社内説明が設計から抜け落ちやすくなります。
新入社員研修を、関係する複数の立場に価値が生まれる設計として捉え直す考え方を、目的・内容・設計の観点から整理します。
新人研修のカリキュラムを見直したい担当者や、社内で目的を言語化したい担当者が、判断の足がかりにできる内容です。

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この記事は以下の専門家によって執筆・監修されています。
目次

新入社員研修は新人だけのために行うものではない

新入社員研修を、新人向けの知識提供イベントとして設計すると、当日のプログラム消化に意識が向きやすくなります。マナー、会社説明、グループワークを並べて一日を終え、配属後にどうつながるかは現場任せになる。この状態だと、研修の意義が現場や社内に伝わりにくくなります。

新入社員研修には、新人本人のほかにも関係する立場があります。研修担当者は社内に目的を説明する必要があり、会社は若手育成の姿勢を示したい。配属先管理職は新人を受け入れる準備が要り、学校や家族など送り出す側は、入社後にどのように育てられるかを気にしています。新人本人だけでなく、関係する立場まで含めて設計する考え方を、六方よしの新入社員研修と呼びます。

立場新入社員研修で見たい価値
新入社員職場に入る準備、自己理解、相談しやすさ
研修担当者社内に説明できる目的、配属先からの納得
会社若手育成の姿勢、早期離職リスクへの介入余地
配属先管理職受け入れやすさ、関わり方のヒント
学校・家族など入社後に育てる会社という安心材料
研修提供者現場に意味のある支援を届けられること

六方よしで考えると、新入社員研修の目的を、新人本人だけでなく、研修担当者、会社、配属先、送り出す側まで含めて整理できます。誰にとって何の価値がある研修かを分けて考えると、目的が言語化しやすくなります。

新入社員研修の目的は配属後の職場適応まで含めて考える

新入社員研修の目的は、会社説明やマナー教育に限られません。入社初期は、新しい環境への不安、人間関係への戸惑い、相談しづらさが重なりやすい時期です。新人がこの時期をどう過ごすかは、職場適応に関わります。

早期離職リスクに対して、研修にできることとできないことがあります。給与や評価制度、労働時間といった構造的な要因は、研修だけでは解決できません。一方で、自己理解・他者理解、コミュニケーション、セルフケア、相談導線には、研修が関われる余地があります。研修を入れれば離職が減るという話ではなく、入社初期の職場適応・人間関係・相談導線を支える機会の一つとして位置づけるほうが、社内での説明にも無理がなくなります。

入社初期の離職理由として、人間関係が重要な論点になることは、厚生労働省の調査でも示されています。
早期離職データの詳しい解説は以下の記事をご覧ください。

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新入社員研修の内容は知識より職場で使う場面から決める

新入社員研修の内容を、ビジネスマナー、会社説明、グループワークといった項目から積み上げると、それぞれは妥当でも、配属後の現場との接続が弱くなることがあります。研修内容を決める順序を、項目からではなく場面から始めると、現場とのつながりが見えやすくなります。

先に、配属後に新人が困りやすい場面を想定し、そこから研修内容を逆算します。

配属後に起きやすい場面研修で扱う内容
指示を受けても確認しづらい聞き方、確認の仕方、メモの取り方
職場の人間関係に戸惑う自己理解・他者理解、コミュニケーション
疲労や睡眠の乱れに気づきにくいメンタルヘルス、セルフケア
困ったときに相談できない相談導線、相談するタイミング
配属先が新人の関わり方に迷う特性理解、関わり方のヒント

メンタルヘルス、コミュニケーション、自己理解・他者理解は、別々の単発テーマとして並べるより、配属後の場面に接続する形で組み合わせるほうが、研修内容の意図を現場に伝えやすくなります。新入社員向けのセルフケアについては、厚生労働省「こころの耳」が基礎知識を公開しており、研修でメンタルヘルスを扱う際の根拠として参照できます。

六方よしで見ると研修担当者の社内説明がしやすくなる

研修担当者は、参加者の満足度だけでなく、会社や配属先、経営層に対しても研修の意義を説明する立場にあります。研修を実施した意味を言語化できるかどうかは、BtoBの研修設計では実務的な課題です。

六方よしの枠組みは、この説明を整理する道具になります。

  • 新人本人には、職場適応の準備
  • 配属先には、新人の受け入れやすさ
  • 会社には、若手育成の姿勢
  • 学校や家族には、入社後に育てる会社という安心材料
  • 担当者自身には、社内で目的を説明する材料

誰にとって何の価値がある研修かを分けて示せると、経営層への稟議や配属先への共有がしやすくなります。研修の目的を、参加者向けの言葉だけでなく、社内向けの言葉でも持っておくことで、担当者が説明に迷いにくくなります。

配属先管理職にとっても新人研修は受け入れ準備になる

新入社員研修は、配属先の管理職やOJT担当者にも関わります。新人が聞き方、メモの取り方、相談の仕方を研修で学んでいると、受け入れ側も初期対応の手がかりを持ちやすくなります。最初のやりとりを整える視点は、初期の指導負担を考えるうえでの手がかりになります。

特性理解の情報は、管理職が関わり方を考えるヒントとして使えます。指示の伝え方や声のかけ方を一律にするのではなく、相手の傾向を踏まえて調整する余地が生まれます。ただし、これは性格診断や予測ではありません。固定的なラベルとして扱わず、日々の対話や観察と組み合わせて使うものです。研修が配属先の負担をゼロにするわけではなく、初期対応の手がかりを増やすものとして理解するほうが実態に合います。

配属先管理職の視点やOJTに負担を集中させない受け入れ方は以下の記事で解説しています。

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学校や家族には若手を育てる会社という姿勢が伝わる

高卒採用や地域採用では、学校や家族など送り出す側の安心感も、採用後の関係づくりに関わります。研修制度やメンタルヘルス研修を実施していることは、入社後も若手を育てる会社という説明材料になりえます。

ここで扱うのは、研修によって新人がどう変化したかという成果ではありません。研修に取り組むという会社の育成姿勢への評価です。製造業A社では、近隣学校の教員に新入社員研修の取組を紹介した際、学校関係者から安心感につながる評価がありました。これは新人の変化を見ての評価ではなく、研修制度や育成姿勢に対する評価として整理できます。学校での反応をそのまま家族全体に広げすぎず、送り出す側にとって安心材料になりうる取組として整理します。

良い新人研修を企画すると、新入社員を送り出す側にも好印象を与えます。

※※※

既成プログラムではなく自社に合わせて設計する

新入社員研修のカリキュラムは、テンプレートをそのまま当てはめるだけでは、自社の状況に合わないことがあります。業種、勤務形態、配属先、参加者の背景、採用経路によって、研修で優先すべき内容は異なります。製造業で交替勤務がある場合、高卒採用で少人数の場合、現場配属が早い場合などは、扱うテーマの比重を調整する必要があります。たとえば交替勤務が始まる職場では、生活リズムや睡眠への気づきといったセルフケアの比重が上がります。

メンタルヘルス、コミュニケーション、自己理解・他者理解を切り離さず、配属後の場面に接続して組むことが、研修を現場で機能させる手がかりになります。

オーダーメイド設計の考え方は、以下の記事で詳しく解説しています。

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研修後フォローまで含めると単発で終わりにくい

新人が実際に困るのは、研修当日ではなく配属後であることが少なくありません。研修で学んだことと現場の現実がずれたとき、相談できる導線があると、次の行動を取りやすくなります。

研修後にメールで質問できる、相談窓口がある、外部資源を使えるといった仕組みがあると、新人、管理職、研修担当者が、それぞれ一人で抱え込まないための選択肢を持ちやすくなります。厚生労働省が示すメンタルヘルスケアの考え方では、セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフ等によるケア、事業場外資源によるケアという4つのケアが整理されています。
研修後フォローや相談導線は、このうちセルフケアや事業場外資源の活用と接続して考えられます。ただし、フォローがあれば不調や離職を防げるという話ではありません。

研修後フォローに関しては以下の記事で詳しく解説しています。

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当社の新入社員研修は六方よしで設計する

当社では、既成プログラムを選ぶだけではなく、会社や参加者に合わせてオーダーメイドで研修を設計しています。新人本人、研修担当者、会社、配属先、学校・家族、研修提供者の六方を意識し、配属後の職場適応まで見据えて内容を組みます。

設計の特徴は次のとおりです。

  • 医師監修のもとで研修を設計
  • 公認心理師が企画設計から講師まで対応
  • メンタルヘルス、コミュニケーション、自己理解・他者理解を統合して構成
  • 単発の知識提供ではなく、配属後の職場適応まで見据えた設計
  • 研修後もメールでの質問など、アフターフォローに対応

これらは研修の成果を保証するものではありません。会社ごとの状況を反映しやすくし、研修担当者が社内で目的を説明しやすくするための設計上の考え方です。実際の研修事例は、別記事「新入社員研修の事例、配属先にも伝わる設計」で紹介しています。

まとめ

新入社員研修は、新人だけのための研修ではありません。研修担当者、会社、配属先管理職、学校や家族など送り出す側にも関わる取組です。

六方よしで考えると、誰にとって何の価値がある研修かが整理され、目的や内容を社内で説明しやすくなります。既成プログラムを選ぶ前に、自社の新入社員がどのような場面で困りやすいか、配属先がどのように受け入れるか、研修後にどのようなフォローが必要かを整理しておくと、必要な研修内容が見えやすくなります。研修を当日で終わらせず、配属後の職場適応まで見据えて設計することが、若手を育てる会社の姿勢を示す出発点になります。

新入社員研修の内容整理から相談できます

新入社員研修の目的や内容がまだ固まっていない段階でも、対象者、配属先、勤務形態、研修後フォロー、社内説明の観点から整理を始められます。

整理する項目確認の観点
対象者新卒・高卒、人数、採用背景
配属先受け入れ部署、現場の指導体制
勤務形態交替勤務の有無、生活リズムの変化
研修後フォロー実施後の相談導線、質問への対応
社内説明研修の目的を誰にどう共有するか

当社では、医師監修のもと、公認心理師が会社ごとの課題に合わせて、新入社員向けメンタルヘルス・コミュニケーション研修を設計しています。既存のカリキュラムを見直したい場合や、初めて新入社員研修を外部に依頼する場合も、研修目的や対象者の整理から始められます。自社の状況に合わせた研修を検討したい場合は、現状の課題の整理からご相談いただけます。

自社に合う新入社員研修を一緒に考えます

「まずは、新入社員研修が必要か」から考えます。
もちろん、不要な場合は無理な営業は一切しません。

まずは無料で相談する

参考文献

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