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OJT任せにしない新人受け入れの作り方

新入社員研修が終わると、その後の育成は現場任せになっている。OJT担当者に負担が集中し、教え方にもばらつきが出る。新人はわからないことを質問できず、現場で手が止まる。研修で学んだはずの内容が、配属後に使われている実感がない。新人の受け入れをめぐって、こうした課題が出ることがあります。

新入社員研修は、OJTの代わりにはなりません。実際の仕事は現場で学ぶ部分が大きく、OJTは新人育成に欠かせないものです。一方で、新人がOJTに入る前に、聞き方や確認の仕方、相談の仕方といった基本行動を扱っておくと、配属後の初期対応の手がかりになります。新入社員研修を、OJTに入る前の準備として設計する考え方を、配属先やOJT担当者の視点を交えて整理します。

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この記事は以下の専門家によって執筆・監修されています。
目次

OJTは必要だが、OJT任せにすると配属先に負担が集中しやすい

OJTは、新人育成に必要な仕組みです。仕事の進め方や現場の判断は、実際の業務の中でしか学べない部分が多く、現場での指導は欠かせません。

ただし、OJTだけに任せると、配属先管理職やOJT担当者に負担が集中しやすくなります。指導役によって教え方にばらつきが出ることもありますし、新人が質問できない、確認できない、相談できない状態だと、OJT自体が進みにくくなります。これはOJT担当者の指導力の問題というより、OJTに入る前の準備が不足していることが背景にあります。新入社員研修で、配属後に必要になる基本行動を扱っておくと、現場で確認する前提をそろえやすくなります。

OJT任せにしたときに起きやすいこと新入社員研修で準備できること
新人が質問できない聞き方、質問の仕方を扱う
指示を受けても確認しない確認の仕方、メモの取り方を扱う
OJT担当者ごとに教え方が変わる共通して扱う基本行動を決めておく
配属先が新人の特徴をつかみにくい特性理解を関わり方のヒントとして扱う
困りごとが人事に届きにくい相談導線やフォローの仕組みを伝える

新人がOJT前に学んでおきたいのは聞き方・確認の仕方・相談の仕方である

OJTに入る前の新人が、完璧に仕事をこなせる必要はありません。準備できるのは、仕事を教わるための基本行動です。

聞き方、確認の仕方、メモの取り方、相談の仕方は、配属後すぐに必要になります。これらをビジネスマナーの一項目として軽く流すのではなく、OJTに入る前の準備として扱うと、新人本人も、何を聞いてよいのか、どのタイミングで確認すればよいのかがわかりやすくなります。OJT担当者にとっても、共通の前提があると、初期指導の手がかりになります。

OJT前に扱う内容配属後の場面
聞き方指示や説明を受けるとき
確認の仕方作業前、作業途中、作業後
メモの取り方教わった内容を残すとき
相談の仕方困ったとき、迷ったとき
報告の仕方進捗や異変を伝えるとき

配属先が新人研修の内容を知ると受け入れを考えやすくなる

新人研修で何を扱ったかが配属先に伝わっていないと、現場は新人がどんな前提を持っているのか把握できません。配属先管理職やOJT担当者に、研修内容の概要を共有しておくことが、受け入れの手がかりになります。

たとえば、聞き方、確認の仕方、メンタルヘルス、相談導線、自己理解・他者理解を扱ったことが現場に伝わっていると、声をかける際の入り口になります。ここで気をつけたいのは、研修で学んだから現場でできるはず、と考えないことです。研修内容は、現場で確認し直すための共通言語として使うものです。同じ言葉で確認できると、新人と指導役が前提を合わせる材料になります。配属先への共有は、研修担当者が社内に研修の意義を説明する材料にもなります。

研修で扱った内容配属先での活用
聞き方・確認の仕方配属後に同じ言葉で確認できる
メモの取り方指導時に記録の仕方を確認できる
相談導線困ったときの相談先を再確認できる
自己理解・他者理解関わり方を考えるヒントにできる
メンタルヘルス疲労や不調のサインに気づく入口として扱える

特性理解は新人を分類するためではなく関わり方のヒントである

配属先管理職やOJT担当者が、どの場面で声をかけるか、何を確認するか、いつ相談につなげるかを考える材料になります。

ただし、これを性格診断や分類として使うことは避けます。この新人はこういうタイプだから、と固定してしまうと、実際の様子を見落とすことになります。特性理解は、声のかけ方、確認の仕方、相談しやすさを考えるためのヒントであって、新人を判定するものではありません。本人との対話、日々の観察、配属後の様子と組み合わせて使うものです。管理職やOJT担当者が、情報だけで新人を理解したつもりにならないことも、受け入れの際には意味を持ちます。

OJTと新入社員研修は分けずに接続して設計する

新入社員研修とOJTを別物として扱うと、研修当日と配属後が切れてしまいます。研修で学んだことが現場に持ち込まれず、現場は現場で一から教えることになります。

新入社員研修では基本行動を扱い、配属先のOJTでは実際の仕事の中でそれを繰り返し確認する。配属先は、研修で扱った言葉を使って声かけができ、研修後フォローでは、配属後の困りごとを拾って必要な相談につなげる。研修、OJT、フォローを別々のものとしてではなく、つながったものとして考えると、研修内容が配属後の行動に結びつきやすくなります。

段階役割
新入社員研修聞き方、確認の仕方、相談導線などの基本行動を扱う
配属先・OJT実際の仕事の中で確認し、繰り返す
研修後フォロー配属後の困りごとを拾い、必要な相談につなげる

研修後フォローの設計は、別記事「新入社員研修は実施後が重要」(公開予定)で扱います。研修内容を配属後の場面から逆算して組む考え方は、別記事「既成プログラムでは足りない新入社員研修の作り方」で扱っています。

事例では配属先から聞く姿勢や仕事への姿勢に好意的な声があった

製造業A社の事例では、新入社員6名に対して、メンタルヘルス、コミュニケーション、自己理解・他者理解を含む研修を行いました。配属後、配属先からは仕事への姿勢や聞く姿勢について好意的な声が寄せられています。メモを取り、話を聞く姿勢がとれている、コミュニケーションがとれるので安心した、といった声がその例です。

この事例は、研修だけで配属後の評価が決まるという話ではありません。配属先の受け入れ体制や新人本人の資質など、複数の要因が関わります。研修内容を配属後の場面と接続して設計する視点が、配属先への説明にも使えることを示す事例として扱います。実際の研修事例は、別記事「新入社員研修の事例、配属先にも伝わる設計」で紹介しています。

新入社員研修が新人本人だけでなく、研修担当者、会社、配属先、送り出す側にも関わるという考え方は、親記事「新入社員研修とは、六方よしで設計する目的と内容」で扱っています。新入社員研修だけで早期離職を防げるわけではなく、人間関係や相談導線には研修で関われる余地があるという整理は、データ記事「新入社員研修は早期離職対策になるのか」で扱っています。

当社の新入社員研修はOJT前の準備まで設計する

当社では、新入社員研修を、OJTに入る前の準備としても設計しています。既成プログラムを選ぶだけではなく、会社や参加者、配属先の状況に合わせて内容を組みます。

設計の特徴は次のとおりです。

  • 医師監修のもとで研修を設計
  • 公認心理師が企画設計から講師まで対応
  • メンタルヘルス、コミュニケーション、自己理解・他者理解を統合して構成
  • 聞き方、確認の仕方、相談導線など、配属後に使う行動に接続
  • 研修後もメールでの質問など、アフターフォローに対応
  • 研修担当者が配属先に説明しやすいよう、目的整理も支援

これらは、OJTの負担をなくすことや、新人が早く育つことを約束するものではありません。研修内容を配属後の行動とOJTに接続しやすくし、配属先とも前提を共有しやすくするための設計上の考え方です。

まとめ

OJTは新人育成に必要ですが、OJTだけに任せると、配属先管理職やOJT担当者に負担が集中しやすくなります。

新入社員研修では、OJTに入る前の準備として、聞き方、確認の仕方、メモの取り方、相談の仕方、自己理解・他者理解、セルフケアを扱うことができます。新人本人が基本行動の前提を持ち、配属先が研修内容を把握しておくと、受け入れの初期対応を考えやすくなります。

新入社員研修、配属先でのOJT、研修後フォローを別々のものとして扱わず、接続して設計することで、新人本人だけでなく、配属先にとっても受け入れを考える材料を持ちやすくなります。

新入社員研修の内容整理から相談できます

新入社員研修をOJT前の準備として見直したい場合は、配属後に新人が困りやすい場面と、OJT担当者が受け入れ時に迷いやすい場面を分けるところから始められます。新人研修とOJTが切れている、配属先への共有が弱い、OJT担当者に受け入れ判断が集中していると感じる段階でも、研修内容の整理から相談できます。

当社では、医師監修のもと、公認心理師が会社ごとの課題に合わせて、新入社員向けメンタルヘルス・コミュニケーション研修を設計しています。既成プログラムではなく、自社の状況に合わせた研修を検討したい場合は、OJT前の準備、配属後フォロー、相談導線の設計からご相談いただけます。

自社に合う新入社員研修を一緒に考えます

「まずは、新入社員研修が必要か」から考えます。
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