スクールカウンセラーに相談したのに、子どもの様子は変わらなかった。「様子を見ましょう」と言われたまま、次に何をすればよいのか分からなかった。
話しているうちに、自分の育て方を責められたように感じた。子どもが面談を嫌がり、続けられなかった。
そんな経験があると、「もう誰かに相談しても同じではないか」と思うことがあります。
でも、スクールカウンセラーで変わらなかったからといって、相談を終わりにしないでください。
家庭だけで抱え続けるより、次の相談先を考えた方がよい場面があります。
最初の相談でうまくいかなかったことと、相談そのものが役に立たないことは別です。
次の相談先を探しながら、前回どこでつまずいたのか、今回は何を相談したいのか、最初に何を確認するのかを整理してみましょう。
前回の経験は、次の相談を選びやすくする材料にもなります。
スクールカウンセラーで変わらなかったら、次の相談を考える
一度相談して状況が変わらなかったからといって、「相談しても変わらない」と決まったわけではありません。
相談では、担当者との話しやすさだけでなく、相談の目的、進め方、予約や時間などの条件、提案されたことを家庭で実行できるかといったことも関係します。
そのため、一つの相談先でうまくいかなかった経験だけで、すべての相談を諦める必要はありません。
別の相談先を探すことは、逃げでも、前のカウンセラーを否定することでもありません。
今の困りごとに合う支援を探し直すための選択です。
ただ、相談先だけを変えると、「また話を聞いてもらっただけだった」「また家ではできなかった」ということが起こる場合があります。
そこで、前回の経験を少しだけ分けて考えてみます。
意味がなかった主な理由3選
前回の相談を「意味がなかった」の一言で片づけると、次の相談に活かせる情報まで一緒に捨ててしまいます。
つまずいたところは、大きく次の3つに分けられます。
- 話しにくかった
- 続けにくかった
- 実行できなかった
一つだけとは限りません。まずは「特にこれがつらかった」と思うものから考えてみてください。
話しにくかった
カウンセラーとのやり取りそのものがつらかった場合です。
たとえば、
- 育て方を責められたように感じた
- 一方的に助言されたと感じた
- 家庭の事情を十分に聞いてもらえなかった
- 話すほどつらくなった
といったことです。
ここで大切なのは、「誰が悪かったのか」を決めることではありません。
「自分はどんなやり取りだと話しにくくなるのか」が分かれば、それを次の相談で伝えられます。
たとえば、
「前の相談では、育て方を責められたように感じて、途中から話しにくくなりました。今回はまず今の状況を聞いてほしいです」
と伝えてもかまいません。
話しにくかった経験そのものが、次にどのような関わり方を求めているかを伝える材料になります。
続けにくかった
相談内容よりも、相談を続けるための条件が合わなかった場合です。
- 予約できる日時が合わなかった
- 学校へ行くこと自体が負担だった
- 子どもが面談を嫌がった
- 親だけで相談できるのか分からなかった
こうした事情があると、相談内容に納得していても続けられません。
次の相談先では、予約時や初回に、
「親だけでも相談できますか」
「継続するとしたら、どのくらいの頻度になりますか」
「どのような相談方法がありますか」
など、続けるうえで気になる条件を確認してみてください。
利用できる方法や条件は相談先によって異なるため、分からないことを尋ねてかまいません。
実行できなかった
助言はもらったけれど、家庭で実行できなかった場合です。
- 「見守りましょう」と言われても、具体的に何をするのか分からなかった
- 提案が大きすぎて手を付けられなかった
- 家族の意見が合わなかった
- 子どもの反応が強く、続けられなかった
といったことがあります。
実行できなかったからといって、保護者の努力が足りなかったとは限りません。
内容としてはよい助言でも、今の家庭でできる大きさになっていなければ、行動につながりにくいからです。
次に提案を受けたときは、
「それを家でやるなら、最初の一歩は何になりますか」
と聞いてみてください。
「まず明日の朝にこれをする」というところまで具体的になると、次の相談でも「やってみてどうだったか」から話を続けられます。
次の相談では、何を相談したいかを一文でまとめておく
次の相談先を探しながら、「今回は何を相談したいのか」も一文にしてみてください。
相談の目的は一つではありません。
たとえば、
- 朝の声かけをどう変えればよいか相談したい
- 登校を促すべきか、見守るべきか整理したい
- 学校に何を確認すればよいか知りたい
- 子どもに言いすぎて後悔する自分の気持ちを整理したい
- 家族には話しにくいので、まず話を聞いてほしい
などです。
「話を聞いてもらうだけ」だから意味がない、ということではありません。気持ちや状況を整理すること自体が、そのとき必要な相談になることもあります。
一方で、自分が今「まず聞いてほしい」のか、「具体的な対応を一緒に考えたい」のかは、できれば伝えておきましょう。
具体策がほしいのに話を聞くだけで終わったり、聞いてほしいのに助言ばかり続いたりすると、相談後の落胆につながりやすくなります。
予約前・初回相談で確認すること
次の相談で同じ行き違いを減らすために、予約時や初回で確認できることがあります。
全部を一度に聞く必要はありません。自分が特に気になるところから確認してください。
この相談で扱える内容か
まず、今回相談したいことを扱える場所かを確認します。
たとえば、
「不登校について、家庭での対応を相談できますか」
「子どもは相談を嫌がっています。親だけでも相談できますか」
「学校との関わり方について相談できますか」
といった聞き方です。
相談先によって役割や対応できる範囲は異なります。最初に確認しておくことで、「相談してみたら求めていた内容とは違った」という行き違いを減らせます。
どんな進め方になるか
相談の進め方も聞いてみてください。
「初回では、どんなことを整理しますか」
「継続するとしたら、どのくらいの頻度になりますか」
といった質問です。
一回で答えが出なかったときにも、今は何を整理している途中なのか、これから何を考えるのかが分かれば、相談を続ける意味を判断しやすくなります。
次回までに何をするか
具体的な対応を相談した場合は、終わる前にもう一つ確認します。
「次回までに、家庭でできる一つ目の行動は何ですか」
「やってみても変化がなかった場合は、次に何を考えますか」
という質問です。
一度の相談で問題全体を解決する必要はありません。
まず何を試すのか、その結果を次にどう振り返るのかが分かれば、相談を家庭での行動につなげやすくなります。
相談先の種類は、役割を確認して選ぶ
スクールカウンセラー以外にも相談先はありますが、それぞれ役割が異なります。
たとえば、心身の症状や安全に関わることは医療、家庭環境や福祉、学校との調整はスクールソーシャルワーカー、学校生活や教育上のことは教育相談が候補になります。民間の相談機関で、家庭での関わり方などを継続して整理できる場合もあります。
対応できる内容や利用方法は機関によって異なるため、ここでは詳しく分けません。
「自分の場合はどこへ相談すればよいのか」と迷ったら、相談先ごとの役割をまとめたこちらの記事も参考にしてください。

まとめ:相談先を変える時は、持ち込み方も変える
スクールカウンセラーへの相談で状況が変わらなかったからといって、そこで相談を終わりにしないでください。
前回の相談が合わなかったことも、次の相談では「何が必要なのか」を伝える材料になります。
次にすることは3つです。
- 前回つまずいた点を「話しにくい・続けにくい・実行できない」から一つ選ぶ
- 今回相談したいことを一文で書く
- 予約時または初回に「扱える内容・進め方・最初の一歩」を確認する
すべて整理できてから相談先を探す必要はありません。
相談先を探しながら考えてもよいですし、うまく一文にできなければ、その整理自体を相談してもかまいません。
「前回うまくいかなかったから、もう誰にも相談しない」で終わらせず、今の家庭に合う次の相談を探してみてください。
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よくある質問
Q1. スクールカウンセラーで変わらなかったら、もう相談しても無駄ですか?
無駄とは限りません。相談先や相談の目的、進め方を変える余地があります。前回どこでつまずいたのかを次の相談に持ち込んでみてください。
Q2. 次の相談先では、最初に何を伝えればいいですか?
「前回つらかったこと」と「今回相談したいこと」を一文ずつ伝えると整理しやすくなります。
たとえば、「前回は具体的に何をすればよいか分からないまま終わりました。今回は朝の声かけについて相談したいです」という形です。
Q3. 子どもが相談を嫌がる場合、親だけで相談してもいいですか?
親だけで相談できる場合もあります。本人の気持ちを代わりに決めるのではなく、家庭での関わり方や学校との関わり方を整理する相談として利用できます。親だけで相談できるかは、申し込み時に確認してください。
