「家族の問題を解決したいけど、どうすればいいんだろう…」
家族の中に悩みや問題を抱えている方は、決して少なくありません。そんな時、家族療法というアプローチが有効な場合があります。
この記事では、家族療法の基本的な考え方や、解決できる問題、具体的な流れについて解説します。
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家族療法の大きな特徴は犯人探しをしないこと
家族全体を一つのシステムとして捉える
家族療法では、家族を一つのシステムとして捉えます。家族一人ひとりの問題ではなく、家族全体の相互作用やコミュニケーションパターンに着目し、問題の根本原因を探っていきます。
問題の原因を個人ではなく、家族システムの中に探る
従来の心理療法では、問題を抱えている個人に焦点を当てることが多かったですが、家族療法では、問題の原因を個人ではなく、家族システムの中に探ります。例えば、子供が不登校になった場合、その原因を子供個人に求めるのではなく、家族全体のコミュニケーションパターンや役割分担などに問題がある可能性を検討します。
コミュニケーションパターンや役割を見直し、問題解決と関係改善を目指す
家族療法では、家族間のコミュニケーションパターンや役割分担を見直し、より良い相互作用を促すことで、問題解決と家族関係の改善を目指します。家族全員が協力し、お互いを理解し合うことで、より健全な家族システムを築くことができます。
家族療法が得意としている問題
家族療法は、様々な家族の問題解決に役立ちます。以下に、代表的な例を挙げます。
- 夫婦間のコミュニケーション不足や衝突
- 親子関係の悩み(反抗期、不登校、ひきこもりなど)
- 嫁姑問題などの家族間の葛藤
- 家族の病気や死別など
これらの問題は、個人だけの問題ではなく、家族全体の問題として捉え、家族全員で解決に向けて取り組むことが重要です。
家族療法の流れ
家族療法の流れは、以下のようになります。
初回面接:家族内で参加できるが参加し、問題や目標を共有
初回面接では、家族で参加できる人が全員参加し、現在の問題や困りごと、そしてカウンセリングを通して達成したい目標などを共有します。
昔は、家族全員が面接にそろうことが求められていましたが、相談者が1人だけでも家族面接は可能です。
問題把握:家族関係やコミュニケーションパターンを観察
カウンセラーは、家族のコミュニケーションパターンを観察し、問題の根本原因や家族システムの 動きを分析します。
ゴール設定:家族ごとの個別のアプローチを考える
アセスメント結果に基づき、家族ごとのニーズに合わせた治療計画を立てます。
カウンセリング内容:様々な技法を用いて、家族の相互作用を促し、変化を促す
セッションでは、ロールプレイ、家族彫刻、コミュニケーション練習など、様々な技法を用いて、家族間の 相互作用を促し、問題解決や関係改善に向けた変化を促します。
終結:目標達成度を確認し、今後のサポート体制を話し合う
目標達成度を確認し、必要に応じて今後のサポート体制について話し合います。
まとめ
家族療法は、家族全体を一つのシステムとして捉え、問題解決と家族関係改善を目指す
家族療法は、家族全員が協力し、問題解決と関係改善に向けて取り組むことを支援します。カウンセリングを通して、家族間のコミュニケーションが改善され、お互いを理解し尊重できるようになることで、より良い家族関係を築くことができます。
参考文献
- 日本家族療法学会. (2023). 家族療法とは.
- S. Minuchin. (1974). Families and Family Therapy. Harvard University Press.